外構工事で門扉を設ける際に、工事価格の相場はもちろんの事、デザイン面や利便性も気になるところです。
門扉は、入口であるとともに、家の顔とも言えます。
そのため、外構工事全体の出来栄えを左右するほどの重要な工事といっても過言ではありません。
また、防犯対策やプライバシーの保守に、欠かせない工事といえます。
しかしながら、一般の人では、門扉にたいしての知識をもっている人は少ないはずです。
なぜなら、外構工事の購買経験が乏しいためです。
だからといって、デザインや施工する材料の選択など、すべてを業者任せにするのは、とても危険です。
外構工事には、かなりのお金がかかるため、その負担額相応の出来栄えにならなければいけません。
しかし、現在の建築業界は、価格競争が激しいため、相場よりも安く工事を請けて、スピード重視の手抜き工事や、素人相手の高額工事(過剰な価格での工事)が頻繁に行われています。
これは建設業界では当たり前の事実であり、闇の部分です。
そこでこのページでは、門扉工事での失敗を防ぐための、相場価格や、門扉の種類、ご自身での工事価格の求め方、さらには正しい施工方法を紹介します。
これから門扉工事を行う場合、ぜひ、参考にしてください。
目次
1.新築外構に門扉を設置する際の費用と相場
外構工事を行う際、防犯対策やプライバシーの保守は確実におさえておきたいポイントです。
また、デザインなども考慮し、理想通りにエクステリアを完成させることが、「庭づくりの成功」と言えます。
そのため、入口であり家の顔とも言える、門扉を設ける人が多くなってきているのが現状です。
なぜなら、防犯性が向上するだけでなく、門扉ができることで見栄えもよくなるからです。
ただし門扉を設ける際は、施工業者へ工事を依頼する必要があります。
そして、施工業者から提出された見積りが適正価格かどうかを見極めなければなりません。
しかし、エクステリアのカタログには、商品価格は記載されていても、設置価格は記載されていません。
そのため、どの程度の金額が設置費用の相場価格なのか判断しづらいです。
もし、「どこに工事を依頼しても同じ」と考えている場合、手抜き工事を行う悪徳業者に出会う確率が高くなります。
値段を安くして工事を大量に受注し、粗悪な施工で利益を出そうとしている外構会社は星の数ほど存在するからです。
そのようなリスクを回避するためには、施工業者による、低価格重視の手抜き工事や過剰な高価格での工事を防がなくてはなりません。
そこで、この項では、門扉の種類と施工費用の相場をご紹介します。
また、門扉には、片開き(1枚扉)と、両開き(2枚扉)の2種類あるため、双方の相場をあわせてご紹介します。
1-1.メッシュ門扉の価格の相場
出典:三協立山株式会社
メッシュ門扉とは、上記のような製品のことをいいます。メッシュ門扉は、門扉の中でも圧倒的に安い金額で施工できる門扉です。
ただし、玄関のようなお客様をお迎えする家の入口には、デザイン面などの点であまり使用はされていません。
主に家の裏側などの勝手口や、あまり目立たない所などに使用するケースが一般的です。相場は以下の通りです。
- 片開き(1枚扉)のメッシュ門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 6 9 . 0 0 0 円~¥ 7 5 . 0 0 0 円
- 両開き(2枚扉)のメッシュ門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 9 3 . 0 0 0 円~¥ 1 0 0 . 0 0 0 円が一般的です。
1-2.アルミ格子門扉の価格の相場
出典:三協立山株式会社
この形状の門扉は、アルミの門扉のなかでも、比較的、安く設置できる門扉です。
格子状の形をしているため、風通しが良く、窮屈感(きゅうくつかん)がありません。それゆえ、比較的に狭い敷地での防犯対策に適しています。
ただし、門扉自体が目隠しには成らないため、プラバシーの保守は望めません。
格子門扉の相場は以下の通りです。
- 片開き(1枚扉)のアルミ格子門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 7 0 . 0 0 0 円~¥ 7 5 . 0 0 0 円
- 両開き(2枚扉)のアルミ格子門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 9 6 . 0 0 0 円~¥ 1 0 5 . 0 0 0 円となります。
1-3.アルミ形状門扉の価格の相場(目隠し門扉)
出典:三協立山株式会社
このタイプは、門扉の中でも最も種類が豊富で、存在間、高級感もあります。
価格帯も比較的安い物から、圧倒的に高価な物まであります。
また、色によっても価格に大きな差があり、木調の色の門扉の方が、アルミ色の門扉よりも高価になりやすいです。
防犯対策やデザインの種類も豊富なので、オシャレで、理想に近い外構工事を行うには、なくてはならない門扉といえます。
相場は以下の通りです。
- 片開き(1枚扉)のアルミ門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 1 0 0 . 0 0 0 円~¥ 1 8 0 . 0 0 0 円
- 両開き(2枚扉)のアルミ門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 1 5 0 . 0 0 0円~¥ 2 5 0 . 0 0 0 円と考えてください。
次に、高級感や、暖か味のある木調色の門扉です。
出典:三協立山株式会社
- 片開き(1枚扉)の木調色門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 1 2 0 . 0 0 0 円~¥ 1 5 0 . 0 0 0 円
- 両開き(2枚扉)の木調色門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 1 4 0 . 0 0 0 円~¥ 2 0 0 . 0 0 0 円が相場といったところです。
1-4.鋳物の門扉の価格の相場
出典:三協立山株式会社
鋳物(いもの)とは、金型にアルミニウムを流し込み成形した金属のことを指します。
鋳物の門扉には、アルミニウムがぎっしり詰まっているため、重量感や風合いがあり、独特なデザインが魅力です。
したがって、門扉の付近にフェンスを設けるときなどは、鋳物のフェンスを使用することをおすすめします。
フェンスも鋳物にすることにより、統一感があり、いっそう風合いが増すからです。
鋳物門扉の相場は以下の通りです。
- 片開き(1枚扉)の鋳物門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 1 0 0 . 0 0 0 円~¥ 1 5 0 . 0 0 0 円
- 両開き(2枚扉)の鋳物門扉の材料を含む工事価格の相場=1カ所あたり¥ 1 2 0 . 0 0 0 円~¥ 2 0 0 . 0 0 0 円になります。
2.門扉工事における工事価格の求め方(外構)
外構の門扉を設ける際に、施工業者に工事を依頼しなければなりません。
しかし、施工業者から提出された見積もり金額が、適正価格なのかの判断ができる方は少ないです。
ほとんどの方が、人生でそう何度も行うことではないからでしょう。
ただ、判断が出来ないからと言って、すべてを施工業者の言いなりになるのは、とても危険です。
施工業者の中には、素人相手をいいことに、スピード重視の手抜き工事や、相場よりも圧倒的に高い金額で、工事を請け負う悪質業者がいるからです。
ただし、あなた自身が、工事価格の求め方を学ぶことで、適正価格が算出することが可能になります。
それに加え、心ない悪質業者に工事を依頼することを防ぐのにも繋がります。
2-1.エクステリアカタログを用いて門扉を決定する
外構工事で、門扉を選ぶ際に、デザインや質感なども気になるところです。
しかし、1番最初にやらなければならない事があります。
それは、門扉を設置する場所を決めることと、施工する門扉の高さや、幅を決めなければなりません。
なぜなら、デザイン面などを重視して、設置する門扉を決めたとしても、実際に設置する場所に、寸法的に合わなく、再び門扉を選び直すという、2度手間になるからです。
これでは、なかなか先には進めません。
実は、エクステリアのカタログに記載されている、ほとんどの門扉は規格品が多く、あらかじめ寸法が決まっています。
しかし、一般の人では、カタログに記載されている規格寸法を見ても、なかなか理解しづらいのが現実です。
そこでこの項では、エクステリアカタログに記載されている規格寸法を、下記の図をもとに、設置する門扉の全幅の求め方を説明します。
たとえば、1枚800mm(80cm)の2枚扉の場合、このときのWは、800mmを指します。したがって、「 2 × 800mm + 60mm = 1660mm 」が門扉のそれぞれの柱間の寸法となります。
多数の寸法が、記載されていますが、図の赤枠が指す2W + 60が、最も重要な寸法です。
上記の図は、エクステリアカタログに記載されている門扉の価格表になります。こちらを説明していきます。
まず、寸法(W×H)とありますが、Wは門扉の扉の幅になり、Hは高さを意味していると考えてください。
ここでの呼称の0816とは、「08が80cmで門扉の扉の幅」になり、「16が160cmで高さ」を指します。これをもとに、取り付けたい門扉の価格を知ることが出来ます。
2-2.施工する門扉の工事価格を求める
エクステリアカタログを用いて、設置する門扉が決まった後は、その門扉の定価(メーカー小売り希望価格)が記載されています。
そもそも、外構工事業界では、エクステリア商品を施工業者が定価で、お客様に商品を提供(販売)するのは、一般的ではありません。
はっきり言って定価で商品を提供するのは、悪質業者と考えてください。
なぜなら、エクステリア商品の定価金額にたいして、ある程度の割引が可能なのです。
たとえば、新車を購入する際にカーディーラーに行くとします。やはり車(新車)にも定価(メーカー小売り希望価格)が提示されています。
しかし、裕福な人以外は、値段交渉をして少しでも安く購入しようとするのが一般的です。
まさに、それと同じことが、エクステリア商品に対しても可能なのです。
エクステリア商品には、定価金額から、「どのくらい値引きできるか」の相場があります。その相場とは、商品によって異なりますが、定価価格の15%~25%の割引き相場が一般的でしょう。
たとえば、10万円の商品の割引率が20%の場合、8万円で購入できることになります。
割引金額の計算式:定価10万円の20% = 100.000 × 0.2 = 割引金額¥20.000円になり、定価金額の10万円から、この2万円をマイナスすれば、購入金額が求められます。
購入金額の計算式:定価金額¥100.000 ー 割引金額¥20.000 = 購入金額¥80.000円ということになります。
20%の割引で、定価金額10万円なら8万円で購入でき、定価金額50万円の場合40万円で購入できることになります。
この差額は、外構工事を設ける上でかなり大きな金額の違いがあるため、施工業者と割引価格の交渉を必ず行ってください。
3.門扉工事におけるトラブルとメンテナンス
外構工事において、施工業者との補償期間を、必ず打ち合わせが必要となります。
外構工事の保証期間は2年間が一般的であるものの、施工業者との契約時に補償期間の取り決めが、成されてないケースが8割以上を占めているからです。。
それゆえ、門扉の開け閉めの調子が悪く施工した業者に連絡をしても、なかなか施工業者が来ないことはよくある話です。
また、施工業者が来たとしても、「手直しなのに工事料金の請求を受けた」などの声をよく耳にします。
これは、契約時の契約書に保証期間などの取り決めが成されていないがために、業者との間にトラブルが発生するのです。
3-1門扉の開閉が出来なくなる。
門扉によく起きるトラブルとしては、扉と柱とを接続する吊元の金具(ヒンジ)の調整の不備が大半を占めます
具体的には、締め付けが甘く、施工後、半年程度で扉の開け閉めが、ぎこちなくなり、最終的には門扉の開閉ができなくなるといった具合です。
また、門扉の柱を、固定するときに使用するコンクリートの強度不足もあります。
中には、コンクリートの量を減らすなどの手抜き工事が原因で、門扉の柱が傾くことで起きるトラブル(門扉の開閉ができなくなる)が、門扉の欠陥工事の主流となっています。
3-2門扉のメンテナンス
外構工事で使用される門扉の材質は、アルミニウムが一般的です。
しかし、たとえアルミ製品とはいっても、最低限の手入れもしなければ、扉の色あせや、光沢のくもりなどが発生します。
また、「扉の開閉がぎこちない」などの症状も発生します。
そこで、弊社(石川デザイン企画)では、門扉の工事でお世話になったお客様に門扉のお手入れをご説明させていただいております。
油の写真
そのお手入れ方法とは、3か月に1度、もしくは、1か月に1度の間隔で、上記の写真のような、油を注すことをお勧めしています。
門扉の柱と扉を接続してある吊元の金具(ヒンジ)に油を注すしたり、扉には、直接油を散布し、乾拭きタオルで丁寧に拭きあげたりします。
これにより、光沢を保ち、汚れの付着やサビを防ぐとともに、扉の開閉を、スムーズにする効果があります。
外構で使用される門扉は、高額な商品がほとんどです。
それゆえ、そう簡単には交換できません。交換するには、施工業者へ依頼し工事代金を支払う事になることを忘れてはいけません。
やはり、日頃のお手入れが、長持ちをさせる秘訣となります。ぜひ、試してみてください。
4.門扉工事の正しい施工内容
外構工事で門扉を設けるためには、施工業者に工事を依頼するはずです。
しかし、施工業者だからといって安心できません。
すべての外構業者が、きちんと適切な工事をするとは限らないからです。
現に、門扉が閉まらない、門扉が傾いたなど、さまざまな問題が発生しています。それは、すべて手抜き工事による欠陥工事が原因といっても過言ではありません。
ただ、一般の人では、適切な工事の内容が解かりません。
そこでこの項では門扉工事の正しい施工内容をご紹介します。
これを、学ぶことで、悪質業者による手抜き工事を未然に防ぐことができます。
4-1.門扉工事(掘削)
※掘削写真準備中
外構門扉を設ける際に、最初に行う作業の工程は「掘削(くっさく)」となります。
ここで言う掘削とは、シャベルなどの道具を使用して、門扉の柱を固定する箇所の土を取り除く作業のことを指します。
この工程が適切に行わなければ、質の良い門扉工事は、望めません。
4-2基礎:採石と転圧
※採石転圧写真
掘削完了後、門扉の柱を固定する穴の下面に採石を敷き、専用の道具(タンパー:転圧機)を用いて、強固な路盤の下地を形成していきます。
しかし、弊社(石川デザイン企画)施工業者の立場から他社の門扉工事での採石転圧作業を見ると、8割程しか成されてないのが現実です。
つまり、しっかりと基礎を作っていないということです。
この理由としては、門扉工事で使用される採石の量は、ごく少量です。そのため、建材やなどで購入する際に、少量割り増しが発生するからです。
少量割り増しとは、1度で購入する量が少ないため、購入金額が、割り増しになることを指します。
その結果、施工業者は普段よりも高い金額で採石を購入することになります。それゆえ、悪質業者は採石転圧作業にたいして、手抜き工事をして少しでも利益を上げようとするのです。
もう一つの理由は、ただ単に「採石転圧作業をしなくても、大丈夫」という悪質業者の浅はかな考えと、この作業にたいしての労力を惜しむなどがあります。
はっきり言って、ただの手抜き工事です。
この採石転圧作業で手抜き工事をされた場合、門扉の柱が傾いたり、扉の開閉が出来なくなったりするのです。
最悪の場合、門扉の鍵が閉まらなくなることもあります。
4-3.門扉工事(コンクリートの流し込み)
※写真準備中
外構門扉を設けるにあたり、1番重要なのは、門扉の柱をコンクリートで、根巻きする工程です。
根巻とは、門扉の柱をコンクリートで固め、しっかりと固定する作業工程になります。
この作業も、上記に記載のある採石転圧作業と同様、重要な作業工程となります。
この作業工程に手抜き工事が成された場合、門扉の扉の開閉が出来なかったり、門扉が傾いたりすると考えてください。
柱をコンクリートで根巻する作業での手抜き工事とは、コンクリートを作る際に、材料を減らして強度の不十分な物を使用することが多いです。
また、コンクリート自体を適切な工事の量よりも減らして施工する施工業者も多く存在します。
そもそもコンクリートとは、砂とセメント、砂利、水を練り合わせたものを指します。
しかし、コンクリートの強度を大きく左右する、この砂利が含まれていない手抜き工事が頻繁に行われているのが現実です。
当然のことながら、材料が足りなければ規定通りの強度や品質を保つことはできません。
これには注意が必要であるため施工業者との使用する材料などの確認の打ち合わせを必ずしてください。
4-4.門扉の扉を取り付ける
門扉の工事を行う上での最終段階が、コンクリートを用いて固定した門扉の柱に、門扉の扉を取り付ける作業となります。
この作業工程では、取り付ける扉の高さや、扉の水平などに気を配りながらの微調整が主な作業となります。
したがって、この微調整の作業の良し悪しにより、門扉の開閉や錠の閉まり具合に大きな影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
それゆえ、門扉工事が完了した際は、施工業者が帰る前に、何度も扉の開閉や門扉の錠がスムーズに動くかの確認をしましょう。
施工直後に発見できれば、言い逃れができなくなるため、対処してもらえるからです。
まとめ.
ここまで、門扉工事の相場や工事の金額の積算の方法、正しい工事の施工内容を解説してきました。
どの工事にたいしても言えることですが、施工業者が工事依頼を受けた時点で、あくまでも商売となります。
そのため、工事にたいしての利益を追求しない業者は、存在しないのです。
また施主が、適正価格での、適切な工事を望むにも当たり前な話です。
しかし、一部の心無い悪質な施工業者が存在しているのも現実です。
だからといってすべての業者がそうとも限りません。必ず、工事にたいして、自分の家の事のように親身になり、情熱を持った優良業者も存在しているのも確かです。
そのような、気持ちのある施工業者に出会い、あなたの理想通りの素敵な外構工事を完成させてください。
本気であなたのことを第一に考えてくれる優良業者に出会えることができれば、適正価格で高品質な外構工事を実現できることでしょう。