これからお住まいにカーポートを設置したいけれど、そもそもどこにお願いするべきなのか、どういうものがあるのかを知らないのではないでしょうか。
できれば、満足のいくカーポートにしたいはずですから、事前に概要を知っておくべきだと言えます。
目次
1.そもそもカーポートとは?
カーポートとは、お住まいの車を守ってくれる屋根のことを指します。
よく戸建て住宅の庭に、車をおおうような構造物が建てられていることに気付くはずです。
それがカーポートです。
そもそも、なぜお住まいにカーポートが必要なのでしょうか。
1-1.車を雨や雪・紫外線から守ってくれる
カーポートを設置する理由に、車を雨や雪、紫外線から守ってくれることがあげられます。
人もそうですが。24時間365日雨や風、紫外線に打ち続けられていたとしたらどういうことがおきますでしょうか。
きっと、肌は黒く焼け紫外線でシミやシワが大量に発生してしまうというわけです。
当然、車も放置していると劣化していくのは想像にたやすいはずです。
ですから、カーポートがあるだけで厳しい環境から車を守ってくれます。
1-2.車の乗り降りで雨や雪にあたらなくてすむ
正直なところ、雨や雪が降っているときに車の乗り降りは面倒だと言えます。
なぜなら、傘をたたんだ瞬間に雨が頭に打ち付けられるからです。
しかも、ずぶ濡れの傘も車内にもちこまないといけないため、嫌な気持ちになるものです。
カーポートがあるだけで、雨や雪をさえぎってくれるため、車はもちろん人もずぶ濡れになるなんてことがなくなります。
1-3.汚れが発生しない
もしカーポートがない場合、雨が降れば地面が濡れてしまいます。
当然、そこを歩けば靴も車のなかも汚れてしまいます。
カーポートがあれば、設置場所には雨が降らないため靴も車内も汚さなくてすみます。
1-4.鳥の糞から守ってくれる
いざ車に乗ろうとしたときに、鳥の糞がついていて気分が落ちこんでしまった人は多いはずです。
ものがものだけに、手で触れないですし、とてつもない不快感があります。
当然、掃除をする時間も必要ですから急いでいる場合はかなり最悪です。
カーポートがあれば、鳥の糞が車に付着することはありませんので、いつまでも安心して車を利用できます。
2.カーポートにはどんな種類があるの?
カーポートには、いくつかの種類があるため、お住まいにあったものを選ぶべきと言えます。
2-1.片側支持
カーポートでよく利用されているのが、片側支持タイプです。
片側支持タイプはその名の通り、支えが片方だけになっているタイプです。
支えが片方しかないという特徴から、駐車場を広めに活用できるというメリットがあります。
ただし、支えが片方のみなので、大雪などの重みに耐えられない場合があります。
2-2.両側支持
両側支持タイプは、両方に支えがついているカーポートのことを指します。
左右に支えがついているため、安定性がありますが狭いお住まいでは窮屈に感じられる可能性があります。
それ以外でも、お住まいの状況によってカーポートの種類が多岐にわたります。
3.カーポート工事で置ける車の台数は?
基本的にカーポートは簡易的な作りのため、多くても4台まで駐車できると考えておくべきです。
ですが、あくまで最大ですし、基本は1台と思っておくといいでしょう。
車が1台であれば片側支持タイプでも十分ですし、並列駐車の2台以上になると両側支持がおすすめです。
4.カーポートの素材について
カーポートにはいくつかの素材があります。
お住まいやエリアによって素材を選ぶことが重要です。
4-1.スチール
頑丈な素材と言えばスチールではないでしょうか。
スチールは日本では鋼(はがね)と言われているため、知っている人も多いはずです。
スチールはかなり頑丈なうえに安価なため、人気のカーポート素材と言えます。
ですがスチールは錆びやすいため、注意が必要です。
4-2.アルミ
アルミと言えば、1円玉をイメージされる人は多いはずです。
そのアルミもカーポートではよく使われている素材です。
アルミは他の素材よりも軽く錆びにくいですが、費用は少し高めの傾向にあります。
4-3.FRP(繊維強化プラスチック)
ガラス繊維を加工したものがFRP(繊維強化プラスチック)です。
FRPは軽量で錆びないという特徴から、カーポートだけではなく車や航空機などにも使われている優れた素材です。
4-4.ポリカーボネート
ポリカーボネートとは、熱可塑性(ねつかそせい)プラスチックの一種のことを指します。
熱可塑性とは、常温では変化しないが熱を加えると変形し冷ますと固まる素材のことを指します。
ポリカーボネートは、耐熱性や弾力性に優れており加工のしやすから比較的費用も安く設定されています。
5.カーポート工事で注意しなければならないこと
もしカーポート工事を行う場合、いくつかの注意しなければならないことがあります。
5-1.設置場所
まずは設置場所です。
お住まいとカーポートをどれくらいの距離にするのかが重要です。
たとえば、カーポートと建物の距離が近い場合、台風や地震により建物を傷つけてしまう可能性があります。
ですから、万が一のことを考えてカーポートの設置場所を考えておきましょう。
5-2.エリア
お住まいのエリアによっては、まったく雪が降らないところと、積もりすぎて生活に支障をきたしてしまうところがあります。
もし、大雪が降るエリアで片側支持の平坦なカーポートを設置した場合、あっという間に倒壊してしまう可能性があります。
ですから、大雪が降るエリアはカーポートの形を考える必要があります。
5-3.柱の位置
カーポートを工事する際には、柱の位置が重要になってきます。
なぜなら、カーポートの柱と車の乗り降りでドアがあたる、なんてことがあるからです。
車を降りるときも乗るときも、カーポートの柱が邪魔になりストレスを感じてしまいます。
ですから、車のドアの位置とカーポートの柱の位置を把握しておくようにしましょう。
5-4.大きさ
今は車が1台だけかもしれませんが、将来的に何台くらい増えそうでしょうか。
その数も考えておかなければなりません。
もし、将来的に1台から2台になりそうであれば、あらかじめ2台分のカーポートを作っておくべきだと言えます。
6.カーポートとガレージはどう違うの?
お住まいで車を安全に停める方法に、カーポート以外にガレージも存在しています。
では、ガレージとカーポートは何が違うのでしょうか。
まず、ガレージとカーポートは車庫ということには変わりありません。
ですがガレージとは、屋根もあり横と後ろに壁があり前にはシャッターがついている車庫のことを指します。
ガレージはある意味、もうひとつの部屋と考えるべきです。
ガレージはかなり費用が高く、工期もカーポート以上にかかります。
また、カーポートは固定資産税がかかりませんが、ガレージは固定資産税の対象となってしまいます。
つまり、ガレージを設置すれば今後もずっと固定資産税の支払い義務が発生することになります。
7.まとめ
これからカーポートの工事をしたいと考えていても、どういうものがあって何に気をつければいいのかを知らないはずです。
せっかくカーポートを設置するわけですから、まずは概要や素材、注意事項を知っておかれることをおすすめします。
そのうえで、お住まいにあったカーポートを選べば、いつまでも満足度の高いエクステリアが実現します。
筆者:外構職人歴20年・石川公宣