近年では、車は一家に一台ではなく、一人につき一台所有するものになりました。
そのこともあり、外構工事(エクステリア工事)を行う方の多くは、駐車場を設けるようになりました。
しかし、駐車場工事は土工事(土を削り取ったり締め固めたりする工事)を行う必要があるため、高額な工事費用がかかります。
それだけでなく、駐車場一面をコンクリートにする場合、コンクリートは材料が高額なので、必然的に工事の金額は高くなってしまいます。
ただし、多くの方は「工事費用を安くすませたい」と考えているため、高額な外構専門業者(エクステリア業者)は工事を受注できません。手抜き工事をせずにお客様を獲得するには、工事の品質を落とさずに満足度の高いエクステリアを提案しなければいけないのです。
そもそも、工事へ要望をあれもこれもと盛り込んでしまうと、必ず予算オーバーしてしまいます。
この場合、どのようにすれば費用を抑えられるか理解しておく必要があります。一番簡単なのは、「工事の優先順位」を決めることです。
目次
1.工事の優先順位を決めて、工事費用を抑える
あなたが望んでいる理想や要望を優先して順位を付けます。そうすることで、見積もりが予算を超えたとき、なにを我慢して省かなくてはいけないのかが明確になります。
エクステリアの中で最も優先させるのは、お隣さんとの境界部分や門まわりですが、次に駐車場があります。駐車場の設備を整えなければ、道路を汚してしまうからです。それどころか、雨の日は足元が悪いため、転倒してしまう恐れもあります。
ただ、前述の通り、駐車場工事は高額なので、予算内で作るためにはある程度の妥協が必要です。
そこで、駐車場工事の費用を抑えるコツを紹介します。これを学ぶことで、少ない予算の中で敷地全体の工事が行えるようになります。
1-1.予算内で行える工事を先行する
駐車場は土のままだと、道路を泥で汚してしまうため、何かしらの手を打たなければいけません。そのままにしてしまうと、外観を乱してしまうだけでなく、近隣住民からの苦情に繋がります。
そこで、どうしても予算が足りない場合、駐車場のコンクリートを諦め、ひとまず砂利敷き(砂利を敷き均すこと)だけでも行っておくと良いです。砂利を敷いておけば道路に泥を引っ張ることがなくなるだけでなく、下地に防草シート(草が生えるのを防止するシート)を敷くため、草取りを行う必要もなくなります。
ただ、車が乗るたびに轍(わだち:タイヤの跡がつくこと)ができてしまうため、こまめに平らにする必要があります。また、少しずつ砂利が道路へ出ていくため、気付かない間に砂利は減ってしまいます。
1-1-1.全ての工事を一度に終わらせようとしてはいけない
この場合、いずれお金に余裕ができたら駐車場をコンクリートにすることを考えましょう。ここで大切なのは、敷地全体のエクステリア工事を行うことであり、駐車場工事を完璧に行うことではありません。そうすることで、他の設備にお金をまわすことができるので、駐車場工事にかかる費用を安く抑えることができます。
ただし、全体の工事の見積もりが終わり、「駐車場に使用する予算が残っている」のであれば、タイヤが乗る部分だけでもコンクリートにしておく方が無難です。土工事の範囲や使用する材料が少なくてすむため、工事費用を安くできます。
1-1-2.施工する範囲を減らすことで工事費用を削減する
コンクリート以外の場所は、芝生にしたり砂利敷きにしたりすれば、コンクリートのみの素朴な外観に彩を与えることができます。また、土が露出している部分をなくすることで、雨の日の汚れや、転倒の危険性も排除できます。
もし、あなたの家族が所有している車が一台だけの場合、以下の図のような駐車場にすると良いです。
車一台分を縦列駐車式の駐車場にすることで、敷地内の無駄なスペースを最小限に抑えることができます。
駐車場工事は車一台分のみでよいため、2台分に比べると半分の費用で施工できます。さらに、カーポート(車を雨風から守る屋根や壁)を設ければ、車が無い時でもメインガーデン(主に使用する庭)の目隠しになります。
また、買い物やお出かけをする際、どこからでもアクセスできる場所に駐車場を設けることで、使い勝手の良い庭になります。
ただ、駐車場を一台分しか作らないため、お客様が来た時に車を止めるスペースがありません。この場合、路上駐車をするわけにはいかないので、あらかじめ近くに駐車場があるかどうかを確認しておきましょう。
もし、駐車場がなければ、最低でも2台止められる駐車場を作るようにしましょう。
ただし、駐車場を設ける場所は、大半が建物の正面に位置します。そのため、「門まわりや駐車場だけはお金をかけたい」という方は多いです。その場合、安い素材の活用をお勧めします。
2.高価な材料ばかりではなく、低価格でも質の良い素材を活用する
外構工事の費用の中で、施工費(人件費)はどうしても削ることができません。そのため、値段を抑えるためには、材料や設置する商品を安くしてもらう方法を採用する必要があります。
エクステリア業者によっては、値段の高いメーカーの商品と同様の品質や機能をもつ商品を低価格で扱っている場合があります。
2-1.値段ではなく、質で材料を選ぶ
実際に、無名だけど質は良い製品を扱っている外構専門業者はたくさんいます。
エクステリア工事に使用する材料や商品は、数万円~数百万円以上もするものが多いため、材料費を抑えることができれば数十万円も工事費用を安くすることができます。
2-1-1.安すぎる製品には注意する
ただし、単に安ければ良いというわけではありません。むやみやたらに安い製品は、外国製のものが多く、すぐに壊れてしまう可能性があるからです。
外構工事の費用が極端に会社の場合、そのほとんどが粗悪な材料を使用したり手抜き工事をしたりしているため、安さのみを追求するのはやめておいたほうが無難です。
扱っている商品については、エクステリア工事を依頼する担当者に相談してみましょう。
2-1-2.人目に触れない場所はなるべくお金をかけない
また、正面のフェンスや門扉はアルミ製で見栄えのあるものを使用したいところですが、わざわざ境界までオシャレにする必要はありません。隣家との境界に使用するフェンスやブロックなどは、低価格なものを使用するのも一つの手段です。
要は、見栄えの問題なので、我慢できるところは我慢することが大切ということです。全てにこだわりを持つことも良いですが、そのためには十分な予算が必要だということを忘れてはいけません。
2-2.こだわりたい場合、ローンを活用する
もし、「こだわりのある外構工事を行いたい」という気持ちが押さえきれない場合、ローンの活用も視野に入れておきましょう。
予算に余裕ができれば、行える工事の内容や使用する材料の質を向上させることができます。
ただ、ローンについては、エクステリア業者ごとに扱っているモノが異なるため、あらかじめ確認して、金利などを見てから決めるようにしましょう。
最も確実:複数の業者から見積りを取って比較する
一番確実なのは、複数の外構専門業者に「相見積り」を取ることです。
指定した金額の中で、あなたが思い描く理想の庭の実現を親身になって考えてくれる優良業者に出会えるチャンスでもあるため、ぜひ活用していきましょう。
このとき、依頼先は住宅メーカーやホームセンター以外がおすすめです。工事費用の20~30%も中間マージンがあるからです。
たとえば、100万円の工事の場合は20~30万円が手数料ということです。
また、「安い」と持って契約したとしても、工事のやり直しや追加工事などが発生してしまい、結果的に通常の料金よりも高くなってしまう確率が高いです。
そのため、信頼できる外構業者を知らない場合、注意が必要です。
「素人」をいいことに、見えないところで手抜き工事をする悪徳業者がたくさんいるからです。
安いと思って工事をしたら手抜きで、後から修正費用がかかってしまうと通常の倍以上の価格になることもあります。
これでは本末転倒ですよね。
外構工事は優良業者と出会えるかどうかで結果が決まるといっても過言ではないため、業者選びは慎重に行うようにしましょう。
逆を言えば、優良業者に出会えれば予算内で費用を抑えて理想のお庭を実現してくれるので、業者選びは妥協しないように徹底してください。
まとめ
いかがだったでしょうか。ここまで工事費用を抑えるコツを解説してきました。
外構工事は、駐車場工事だけに限らず高額な費用が必要です。しかし、少しずつ妥協したり工夫したりすることで、敷地全体の工事を行うことは可能です。
デザインや目先のプランだけにこだわらずに、予算に合わせたプランニングを心がけましょう。