土間コンクリートは手入れが簡単なうえ、強度が高いのが特徴です。そのため、駐車場など、エクステリア外構工事で検討する人も少なくありません。
ただ、基礎である打設工事の費用が高額なのではないかと業者に依頼するかどうか悩んでいるケースもあるのではないでしょうか。
そこで、本記事では土間コンクリートの打設工事にかかる費用の目安と、できるだけ費用を安く抑えるためのポイントを解説していきます。
目次
1.土間コンクリートの打設にかかる費用の内訳
土間コンクリートの打設工事にかかる費用として、「人件費」「重機回送費」「オプション(付帯工事)」といったものが挙げられます。
それぞれについて費用の目安を見てみましょう。人件費として作業員1人当たり1万5000~2万円、依頼する業者が自宅から遠い場合は距離次第で出張費もかかるため、さらに費用が必要になります。
狭いスペースを施工するだけで多い人数が割り当てられている場合は要注意です。何のためにそれだけの人数が必要になるのか、業者に確認しておく必要があります。
打設のために使用する生コンクリートを運ぶミキサー車が必要になるため、重機回送費として1回当たり2~5万円が必要です。
ほかにも、オプションで付帯工事をすることになった場合は、その内容次第で費用がさらにかかります。
優良業者であれば依頼主の希望に沿った作業を行うため、不要なオプションを勧めてくることもありません。
もし勧めてくることがあった場合は、土間コンクリートにするうえで必要な工事内容か、もしくはそうしたほうがメリットがあるケースです。
2.土間コンクリートの単価はどれくらい?
この項では、土間コンクリートにする際にかかる、単価の目安を解説していきます。
2-1.1平方メートル当たりの単価
土間コンクリートの打設にかかる費用は、1平方メートル当たりで、約7000~1万2000円となっています。
こちらは坪単価で示されることもあります。1坪は3.30578平方メートルなので、坪単価にすると約2万3100~3万9600円です。
1平方メートル当たり1万円ほどとした場合、1坪当たり3万3000円ほどになります。
土間コンクリートにする広さによって費用が異なりますが、施工する面積が広いほど単価が安くなるのが一般的です。
2-2.車1台分のスペースの単価
自宅にある駐車スペースを土間コンクリートにする場合、車1台分が3×5(単位はメートル)で費用が計算されることが多いです。
車1台分のスペースは約15平方メートルですが、前後のスペースも含めると約18平方メートルと考えておく必要があります。
土間コンクリートにする費用は、約17~20万円です。
3.土間コンクリートの工程と費用の相場!
こちらでは土間コンクリートの工程、それぞれにかかる費用の目安を解説します。
3-1.鋤とり
鋤(すき)とりは、コンクリートを打設する場所にある余計な土を除去する作業です。土間コンクリートにする際には砕石を敷いたり、コンクリートを流したりといった作業があるため、その厚さ分の土を除去しなければなりません。
鋤とりにかかる費用は、1平方メートル当たりで400~900円ほどです。ただ、施工する範囲が狭いほど単価が高くなるため、その点には注意する必要があります。
鋤とりをする前に打設する位置を正確に把握し、工事するためにはどれくらいの高さが必要か、水平にするためにはどうすればよいのかといった下準備が行わなければなりません。
そういった作業時間も含めると、実際に土を除去するまでには時間がかかる場合もあります。鋤とりをする際には、広範囲であればショベルカーやユンボなどを使用しなければならないでしょう。
一方、狭いスペースのみを土間コンクリートにするのであれば、そういった機械を使用せずにスコップなどを使って手作業で行うことになります。
丁寧に平らになるように土を除去しなければならないことから、この時点で未経験者には難しい作業といえるでしょう。
3-2.残土処分
残土処分とは鋤とりで除去した土を運び出し、処分する作業です。
処分するのが残土のみであれば、1平方メートル当たりの費用は約5000~7000円ですが、コンクリートの欠片なども混ざっている場合は産業廃棄物扱いになるため、注意しましょう。
「JW NET」のホームページには、産業廃棄物の処分について措置命令と罰則が記載されているため、確認しておくようにしましょう。
マニフェストが交付されていなかったり、ルール違反したりすると、施工業者だけではなく、依頼主も何らかの処分を受ける可能性があります。
残土処分できる場所は決められており、現場から処分場までの距離によっても費用が変わる可能性があるでしょう。
もし、悪徳業者に依頼してしまうと、こういった作業において残土処分を処分場ではなく、誰にも見つかりにくい場所に捨てられるケースもあるため、注意が必要です。
そういった違法な行為は、悪徳業者に責任がありますが、場合によっては依頼主にも責任が及ぶ場合があります。可能であれば、契約する前にそういった点も確認しておくと安心です。
3-3.土間下砕石
土間下砕石は土が除去された後、コンクリートを流す前に一定の厚さまで砕石を敷き詰める作業です。
砕石とはその名のとおり、石や岩などを小さく砕いたものを指します。1平方メートル当たり3000円前後が目安ですが、鋤とり同様に、施工範囲が狭いほど単価が高いです。
土間下砕石の厚さは10cm前後である場合が多く、こちらの作業で砕石の量をきちんと必要分使用していなければ、次の作業工程がうまくできません。
コンクリートで固めた後で地盤沈下やひび割れにならないための重要な作業となっているため、費用がもったいないからと砕石量を減らすのはおすすめできません。
3-4.転圧
転圧とはローラーが付いている転圧機械を利用して地盤強化し、安定させる作業です。
この作業がしっかり行われていなければ地盤沈下やコンクリートのひび割れの原因になります。
費用の目安は、1平方メートル当たり900円前後です。転圧作業は一見簡単そうに見えるかもしれませんが、絶妙なテクニックで圧力をかけて行わなければならないため、長年の勘や経験がものをいう作業といえるでしょう。
手抜きをされてしまうと、コンクリートを流しこんだ後に影響することから全工程の中でも重要なポイントといっても過言ではありません。
3-5.生コンクリート
施工するスペースの周囲に養生したうえで、生コンクリートを流しこんで打設する作業です。
生コンクリートを流しこむ費用は1平方メートル当たり1万円ほどが目安ですが、こちらの費用に加えて養生代もかかるのが一般的です。
養生の費用については、あらかじめ見積もりなどで確認しておきましょう。生コンクリートを流しこむ厚さは少なくても7cm程度は必要になるため、施工する場所によっては10cm前後の厚さになるようにしなければなりません。
砕石も同様ですが、見積もりを見た際に費用が極端に安い場合には、流し込むコンクリートの量を少なく見積もっている可能性があります。
「見積もりの段階では安かったのに、最終的には追加購入させられた」といったケースは、業者側が依頼してほしいがゆえに見積もりを安くしていただけといった場合です。
作業費と生コンクリート費が必要になることから、数千円と見積もりに記載されている場合は後で追加になる可能性があります。なぜなら、流し込む生コンクリート分だけでも約4000~6000円の費用がかかるからです。
3-6.型枠設置
施工スペースに合わせて作られたコンパネ製の型枠を設置します。
ただ、この作業は工事内容によって省かれるケースもあるため、前もって作業工程を確認しておくと良いです。
型枠設置作業の費用は、1平方メートル当たりで300円程度です。
3-7.ワイヤーメッシュ
こちらの作業はコンクリートの強度を高める、ひび割れないようにするといった目的で行います。
ワイヤーメッシュ(鉄筋)をする作業は、1平方メートル当たり800円程度です。
ワイヤーメッシュはあらかじめ施工するスペースに合わせて長さなどが調整されているため、計画どおりに作業が行われスムーズに工事が進むでしょう。
3-8.目地入れ
目地入れとは、流しこんだコンクリートに溝を入れる作業です。
目地を入れることで、コンクリートの収縮やふくらみ、ひび割れなどを防止するのが目的となっています。
費用は、1平方メートル当たり600円ほどです。目地を入れる前に、流し込んだコンクリートの表面をコテなどを使用して5回ほどきれいにならします。
きちんとならしていない場合、目地を入れたときの見た目に影響するため、こちらの作業も職人の腕の見せ所です。
施工経験の多い職人が行ったコテ入れは、ならした跡もほとんどわからないほど美しい仕上がりになります。
適当に行われると表面がボコボコになってしまうため、素人が見ても手抜きであるとわかるほどです。
4.土間コンクリートはDIYで費用を抑えられる?
土間コンクリートの打設は一見自己流で出来そうだと思うかもしれませんが、しっかりとした知識や経験がなければ、コンクリート部分にひび割れや収縮などが起きて失敗してしまいます。
作業の流れを見るとわかりますが、残土処分をするには運搬するためのトラックが必要です。たとえば、マニフェストの交付をしていないなどのケースでは、業者に対して1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金という刑事処分が科せられます。
処理方法が適切でなかった場合には都道府県から措置命令がされ、業者がそれに従わなければ5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金といった刑事処分が科せられるのがルールです。
さらに、DIYで失敗した状態で業者に依頼すると、結果的に全行程をやり直すことになり、失敗したものを除去する費用までかかるので注意です。
また、作業工程で転圧機械も必要になりますが、機械を個人でレンタルすると、業者が手配するより高くなることがほとんどです。
費用を節約するつもりがかえって最終的な費用が高つく可能性があるため、専門業者に依頼するほうが安心です。
5.土間コンクリートの費用を安く抑えるには?
土間コンクリートの施工費用をできるだけ抑えるポイント3つについて解説していきます。
土間コンクリートにする際にかかる費用は安くないため、費用を最低限に抑えたいという気持ちになるのは当然です。
ただ、外構工事においては、極端に安すぎる金額は後で追加購入させられ、結果的に「思っていたよりも高かった」という事態につながってしまう可能性があります。
費用は業者によって異なるため、安く抑えるコツをこの記事で学んで活用してください!
5-1.コンクリートにする範囲を狭くする
土間コンクリートにする部分を最低限の範囲にすることで費用を節約できます。ただ、狭すぎる範囲の場合はかえって費用が高くなるケースがあるため、その点は注意が必要です。
たとえば、駐車場であれば、タイヤが通る部分のみを土間コンクリートにするなどです。コンクリート以外のスペースには芝生や砂利を敷くことで、デザインを楽しめます。
コンクリートの代わりに芝生や砂利などで対応できるかどうかはどのような場所を土間コンクリートにしたいのかにもよるため、あらかじめ業者に相談してみるのがよいです。
また、土間コンクリートにする際には基本的に「水勾配」をとります。水勾配とは、施工した部分に水が溜まらないように、あえて勾配をつけて水はけをよくするといった技法です。
そのため、施工前は土だった場所であれば、土間コンクリートにすることで地面がぬかるんでしまうことを防げます。
コンクリートのなかには水を通しやすい透水性タイプがあることから、特に水はけが悪い場所にはそういったコンクリートを使用することも可能です。
ただ、依頼する業者で取り扱っているかどうかは確認してみるほうが無難です。
5-2.複数の業者から見積もりを取る
複数の業者に見積もりを出してもらうことは、相場を知るためにも重要なポイントです。
また、ほかの業者の見積もり額を提示すれば価格競争が起こり、費用が安くなる可能性があります。ただ、費用の安さのみに注目するのではなく、ほかの点も考慮し、総合的に見て業者を選んで下さい。
費用面だけではなく、問い合わせや相談中など、実際に依頼する前の段階からやりとりしなければなりません。そのため、価格面の比較だけではなく、業者の接客態度といった相性面も確認しておきたいところです。
土間コンクリートの施工をどの程度の範囲で行うのかにもよりますが、広い範囲をするつもりなのであれば、さらに慎重に業者選びをしたほうがよいです。
土間コンクリートに限らずですが、何かを業者に依頼する際に探す手間が面倒になってしまい、つい最初に目に入った業者に依頼するといったケースも少なくありません。ただ、最終的な仕上がりも費用面も業者次第であるのは確実です。
5-3.外構専門の優良業者に依頼をする
土間コンクリートの施工は専門業者以外に依頼することも可能ですが、その場合、仲介手数料や紹介料など、本来であれば不要な費用が発生します。
直接専門業者に依頼すれば、それらの費用はかかりません。また、優良業者に依頼すれば、土間コンクリートの仕上がり自体の品質が高いことも期待できます。
逆に、悪質な業者に依頼すると、業者側のミスでひび割れなどの問題が起きても対応してもらえず、費用が高つくので注意が必要です。
外構専門業者、そのなかでも優良な業者は見積もり段階で異なります。具体的には、優良業者は依頼主が見ただけでわかりやすいように、記載方法にも工夫していることが多いです。
悪徳業者の見積もり場合は、費用の名目も作業内容が最低限の言葉で記載されていたり、複数の工程をまとめて記載されて分かりにくかったりといった問題が起こるケースもあります。
こういった記載方法の場合、作業に入ってから部材の追加購入や追加工事をしなければならず、見積もり金額より高くなることもあります。
6.横浜市の土間コンクリート打設なら石川デザイン企画!
外構工事専門業者のひとつとして、株式会社石川デザイン企画が挙げられます。外構専門業者であるため、仲介手数料や紹介料などの中間マージンがかからない点が魅力です。適正価格、しかも高品質な工事を行っている企業であり、カタログを使用して依頼主の希望に沿った提案をいたします。
また、見積もり書についても作業工程ごとに細かく費用を記載している為わかりやすく、もし金額や作業内容に納得できなかった場合はプラン内容の変更や金額面での調整など、依頼主の目線になって考案いたします。
プランの提案の際にはメリットだけではなく、デメリットもきちんと説明してくれるため、後でイメージと違っていたという事態になることを防ぐことができます。
無料見積もりや問い合わせなどをした後、現地で立ち合い調査を行い、土間コンクリートについて職人目線で質問に回答したり、説明したりできる点も好評となっている点です。
立ち合い調査をした後で意見が変わり、依頼を中止したいとなった場合でも契約を無理強いされるといったこともありません。
そのため、まずは土間コンクリートにできるのか、費用はどの程度になるのかなど知りたい内容を問い合わせするだけでもよいため、その点も安心して相談できます。
まとめ.
土間コンクリートにすることで足や車などが汚れなくなったり、水たまりができやすい場所の水はけがよくなったりといったメリットがあります。
ただ、費用面では業者によるというのが一般的となっているため、複数の業者に見積もりを依頼して費用の比較をすることをお勧めします。
特に、残土処分はルールに従って行わなければならない作業となっていることから、きちんとルールを守る業者を見つけましょう。
筆者:外構工事職人歴20年・石川公宣