近年、人工芝の品質は飛躍的に向上し、まるで本物と見間違えるほどの自然な風合いと、ふかふかの手触りを実現しています。一度設置すれば、面倒なメンテナンスから解放され、一年を通して美しい緑の庭を満喫できるのが最大の魅力です。
しかし、人工芝の種類は豊富で、どれを選べば良いか迷ってしまう方も少なくありません。せっかく導入するなら、後悔しない「理想の庭」を手に入れたいものです。
この記事では、失敗しない人工芝の選び方から、設置後のメリット・デメリット、お手入れ方法まで、徹底的に解説していきます。あなたの庭が、家族みんなの笑顔あふれる憩いの場となるよう、ぜひ最後までご解読ください。
目次
1.人工芝でお庭が変わる!その魅力とメリット・デメリット
人工芝の魅力とメリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説していきます。
1-1.人工芝導入で得られるメリット
人工芝を導入することで、多くのメリットを受けられます。まず、最も大きな魅力の一つは必要なメンテナンスが少ない点です。天然芝のように頻繁な水やりや肥料やり、厄介な草むしりといった手間が一切不要となります。これにより、これまで芝生の手入れに費やしていた時間と労力を大幅に節約でき、時間を有効活用できます。
また、人工芝は一年中美しいグリーンをキープできます。季節や天候に左右されることなく、常に青々とした庭やベランダを楽しむことができます。枯れる心配や変色することもないので、年間を通して美しい景観を保ちたい方には最適です。
さらに、水やりや肥料が不要なことから、水資源の節約にも貢献できます。化学肥料を使う必要もないため、環境にも優しい選択と言えるでしょう。草むしりも不要になるため、腰をかがめて作業する負担からも解放されます。
1-2.人工芝のデメリットと注意点
人工芝の導入を検討するなら、いくつか知っておきたいデメリットと注意点があります。
まず、天然芝と比較して初期費用が高いことが挙げられます。人工芝本体の価格に加え、下地の整地や専門業者による施工費がかかるため、まとまった費用が必要になります。
次に、設置場所による注意点があります。特に日当たりが悪い場所では、人工芝の乾燥が遅れ、カビやコケが発生しやすくなることがあります。また、水はけが悪いと雨水が滞留し、人工芝の下に水が溜まって不衛生になったり、劣化を早めたりする原因になります。設置を検討している場所の環境を事前にしっかり確認することが重要です。
人工芝は、時間の経過とともに経年劣化による変化が生じます。特に屋外に設置された人工芝は、紫外線や雨風に晒されることで色褪せが進みます。また、人や物の往来が多い場所では、芝葉が倒れて起き上がらなくなるヘタリが生じ、景観を損なうことがあります。耐久性のある製品を選ぶことや、定期的なメンテナンスで寿命を延ばすことが可能です。
2.後悔しない人工芝選びの重要ポイント

後悔しない人工芝選びの重要ポイントとして、「人工芝の質」を見極める、用途に合わせた人工芝の選び方が挙げられます。
2-1.失敗しないための「人工芝の質」を見極める
人工芝の見た目や踏み心地を大きく左右するのが芝丈です。
自然な芝生に近い見た目を求めるなら30mm〜40mmがおすすめです。適度なボリューム感があり、クッション性も確保できます。
ベランダ・バルコニーは室内からの眺めや、限られたスペースでの使用を考慮すると20mm〜30mmがバランスが良いです。短い芝丈は開放感も与えます。
密度は、芝葉がどれだけ密に植えられているかを示します。高密度なほどボリュームがあり、クッション性も高く、より自然な見た目になります。一方、パイルの形状も重要です。
I字型は自然な芝生に近い、柔らかでふんわりとした見た目です。C字型・V字型は芝葉が折れにくく、へたりにくい特徴があります。耐久性を重視する場所におすすめです。
人工芝の耐久性や触り心地は素材によって大きく異なります。
ポリエチレン (PE)は最も一般的で、柔らかく肌触りが良いのが特徴です。紫外線に強く、耐候性も高いため、屋外での使用に適しています。
ポリプロピレン (PP)は比較的安価で、摩擦に強いですが、ポリエチレンに比べて硬めです。クッション材の役割を果たす基布に使われることも多いです。
2-2.用途に合わせた人工芝の選び方
美しい庭でリラックスしたい方には、見た目のリアルさと柔らかさが重要です。芝丈は30mmから40mm程度のものが、天然芝に近いボリューム感と踏み心地を提供します。また、複数の色合いの芝葉が混じっているものや、枯れ草を再現したカールした芝葉が織り交ぜられているものは、より自然な見た目になります。素足で歩くことが多い場合は、肌触りの良い高密度な人工芝を選ぶと、快適に過ごせます。
子どもが安全に遊べるスペースには、クッション性と耐久性を兼ね備えた人工芝を選びましょう。芝丈は35mm以上の厚みがあるものがおすすめです。転倒時の衝撃を吸収し、ケガのリスクを軽減します。また、高密度で抜けにくい加工が施されているものや、UVカット加工がされたものは、遊び盛りの子供たちが走り回ってもへたりにくく、長期間美しい状態を保てます。頻繁な利用にも耐えられる丈夫な素材を選ぶことがポイントです。
ベランダやバルコニーに人工芝を敷きたい場合は、軽量で設置が手軽なものが最適です。ジョイント式やロールタイプで比較的薄手の人工芝がおすすめです。これらのタイプは、DIYで簡単に敷き詰めることができ、賃貸住宅でも原状回復がしやすいというメリットがあります。水はけを考慮した裏地構造になっているかどうかも確認しましょう。限られたスペースでも、手軽に緑を取り入れ、快適なアウトドア空間を演出できます。
3.人工芝設置の徹底解説:DIYと業者依頼どっちがいい?

人工芝設置はDIYと業者依頼どっちがいいか、気になるところです。DIYで人工芝を設置する際の注意点や、業者に依頼するメリットと選び方も押さえておきましょう。
3-1.DIYで人工芝を設置する際の注意点
DIYで人工芝を設置する際は、いくつかの重要なポイントを押さえることで、より美しく長持ちする仕上がりになります。
まず必要な道具の準備です。正確な測量のためにメジャーや水準器、人工芝や防草シートの裁断にはカッター、下地を均一にするための転圧ローラー(またはそれに代わるもの)、そして雑草対策の要となる防草シートは必ず用意しましょう。
次に、仕上がりを左右する下地処理の重要性です。地面の凹凸をなくし、均平にならす作業は非常に重要です。石やゴミを取り除き、しっかりと転圧して締め固めます。水はけが悪いと人工芝の下に水がたまり、カビや劣化の原因になるため、必要に応じて勾配をつけたり、砕石を敷くなどの水はけ対策も検討してください。
防草シートの役割と選び方も忘れてはなりません。防草シートは雑草の発生を抑制し、人工芝の美観を保つために不可欠です。耐久性があり、透水性に優れたものを選びましょう。安価なものだと数年で劣化し、雑草が突き抜けてくる可能性があります。
いよいよ人工芝を敷いていきます。庭の形に合わせて人工芝を裁断し、隙間なく敷き詰めていきます。ジョイント部分は人工芝用のテープなどでしっかりと固定し、つなぎ目が目立たないように丁寧に処理することが大切です。U字ピンなどで地面に固定し、風でめくれたりズレたりしないようにしましょう。
DIYのメリット・デメリットも理解しておきましょう。最大のメリットは業者に依頼するよりもコストを抑えられる点です。しかし、慣れない作業のため時間がかかったり、仕上がりがプロに比べて劣る可能性もあります。特に広い範囲や複雑な形状の場所に設置する場合は、時間と労力を考慮して慎重に判断することをおすすめします。
3-2.業者に依頼するメリットと選び方
人工芝の設置を業者に依頼すると、個人で行うよりも多くのメリットがあります。
専門業者に依頼する最大のメリットは、プロの技術による美しい仕上がりと高い耐久性です。下地処理から丁寧に行うため、水はけが良く、デコボコのない均一な表面を実現できます。これにより、人工芝本来の美しさが最大限に引き出され、長期間にわたって快適に使用できます。
人工芝の設置は、意外と手間がかかる作業です。業者に依頼すれば、下地処理から人工芝の敷設まで、全ての工程を一貫して任せられます。材料の選定や運搬、重労働な作業から解放され、時間と労力を大幅に節約できます。
信頼できる業者は、施工後のアフターフォローも充実しています。万が一の不具合に対する保証や、定期的なメンテナンスのアドバイスなど、長く安心して人工芝を使用するためのサポートが受けられます。
業者を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。まず、豊富な施工実績があるかを確認しましょう。過去の事例を見ることで、技術力やデザインセンスを判断できます。次に、複数の業者から見積もりを取り、費用と内容を比較検討することが重要です。この際、見積もりの内訳が明確かも確認しましょう。また、担当者の対応が丁寧で、疑問点にしっかりと答えてくれるかも信頼できる業者を見極める上で大切です。実際に利用した人の口コミや評判も参考にすると良いでしょう。
人工芝設置の費用は人工芝本体の費用、施工費、下地処理費などが主な内訳となります。人工芝の種類や品質、施工面積、下地の状況によって費用は変動します。相場を把握するためにも、必ず詳細な見積もりを取りましょう。
4.人工芝を長持ちさせるためのメンテナンスとケア

人工芝を長持ちさせるためのメンテナンスとケアとして、日常的な手入れ方法や頑固な汚れやシミの対処法が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
4-1.日常的な手入れ方法
人工芝の美しさを保ち、長く使用するためには、日頃のお手入れが大切です。
まず、落ち葉やゴミの除去はこまめに行いましょう。これらを放置すると、人工芝の間に溜まり、景観を損ねるだけでなく、排水性の低下やカビの発生原因となることがあります。熊手やブロワー、掃除機などを使って、定期的に取り除くようにしてください。
次に、人工芝の上に運ばれてきた砂や土の除去も重要です。これらがパイルの根元に堆積すると、水はけが悪くなったり、摩擦によってパイルが傷む原因になります。ホースで軽く水を流したり、ブラシでかき出したりして取り除きましょう。
最後に、ブラッシングでパイルを起こす作業です。人工芝は踏みつけられることでパイルが寝てしまいがちです。特に人通りの多い場所は、定期的に専用のブラシや目の粗いホウキなどでブラッシングし、パイルを起こしてあげることで、ふわふわとした質感と美しい見た目を保つことができます。これにより、水はけも良くなり、より長持ちさせることができます。
4-2.頑固な汚れやシミの対処法
人工芝を長持ちさせるためには、適切なメンテナンスとケアが欠かせません。特に頑固な汚れやシミはまず、ほとんどの汚れは水洗いで落とせます。ホースで水をかけ、汚れが浮き上がってきたらブラシで軽くこすり洗いしてください。この際、高圧洗浄機は人工芝を傷める可能性があるので避けてください。
水洗いだけでは落ちないシミや軽い油性の汚れには、中性洗剤を使用します。薄めた中性洗剤を染み込ませた布で拭き取るか、直接汚れに少量たらしてブラシで優しくこすり、その後しっかりと水で洗い流してください。洗剤成分が残ると変色や劣化の原因になることがあります。
ペンキや機械油などの油性汚れは、シンナーやベンジンなどの有機溶剤を少量布に含ませて、叩くようにして拭き取ります。ただし、有機溶剤は人工芝の素材によっては変色や溶解を引き起こす可能性があるため、必ず目立たない場所で試してから使用してください。汚れが広範囲にわたる場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
まとめ.

今回は人工芝で理想の庭を手に入れる!後悔しない選び方を徹底解説してきました。
人工芝の基礎知識や手入れ方法、DIYの方法などを押さえておくことで、自宅の庭に人工芝の設置を検討しやすくなります。
自分で人工芝の設置が難しそうであれば、専門業者に見積り相談して、プロの技術で設置してもらいましょう。
人工芝の設置を検討している方は是非、専門業者に見積り相談してみてはいかがでしょうか。
筆者:外構工事職人歴20年・石川公宣