外構工事の中でも駐車場工事は大きなテーマの一つです。
駐車場は人や自転車だけでなく、重量のある車が乗ります。
そのため、しっかりした頑丈なものを作らなくてはすぐに壊れてしまいます。
思い車にも耐えられるように、圧縮強度(圧縮する力)に強いコンクリートを使用した駐車場が増え続けています。
駐車場をコンクリートにすることで、見栄えのある外観を手に入れることができる上に、「高強度」なので長い年月壊れることなくあり続けます。
しかし、気温の変化と共にコンクリートは伸縮をします。
真夏の太陽の直射日光を受けたコンクリートは、触ることすらできないくらい高温になり、大きく膨張します。
一方、真冬の冷たい風にさらされているコンクリートは収縮してしまいます。
また、地震による振動はコンクリート構造物全体を大きく動かします。
もし、ビルが一枚のコンクリートで作られていた場合、各所にひび割れを生じさせてしまいます。
つまり、コンクリートは自然の力で形が変動するため、動きに対応した処置をとっておかなければ崩壊してしまう可能性が高いです。
その、伸縮を助ける役目を果たすのが「伸縮目地」です。
伸縮目地とは、温度変化による膨張や収縮で亀裂の影響を最小限にとどめるために設ける弾力性を持たせた目地のことです。
伸縮目地は上記の力を吸収するためにコンクリート構造物に使用されます。
伸縮目地をコンクリート構造物に用いらなければ、最終的に待ち受けているのは「悲劇」のみです。
そこで、壊れにくいコンクリート構造物のつくり方を以下にまとめました。
コンクリートのひび割れを防ぐ伸縮目地
前述の通り、コンクリートは気温の変化と共に伸縮をします。
そして、伸縮によるひび割れを防ぐために、伸縮目地を設けます。
また、伸縮目地を設けるピッチ(間隔)は3mから4mが目安とされています。
これ以上、目地のピッチを広げてしまうと、外気温の変化でコンクリートは簡単にひび割れてしまいます。
伸縮目地で多用される材料は、「エラスタイト」と呼ばれるものです。
エラスタイトはアスファルト素材で作られていて、擁壁(コンクリートの壁)やブロック積みなどに頻繁に用いられます。
エラスタイトは、あらかじめ板状に整形されているので、使い勝手は生のアスファルトよりも優れています。
外気温によるコンクリートの伸縮は、エラスタイトを設けることで大半をカバーすることが可能です。
また、コンクリートは伸縮するだけでなく、地震によって大きな力が加わり動いてしまう可能性があります。
大きな地震があった場合、伸縮目地を設けないと力の逃げ場がなくなってしまうため、簡単にひびが入ったり、最悪の場合割れてしまったりします。
一方、伸縮目地をきちんと設けていれば、大きな力を分散することが可能なので、形を変えずに品質を保つことができます。
伸縮目地をきちんと設けている駐車場のコンクリートは、外気温による伸縮に耐えることができる上に、地震による大きな振動や車が乗り上げる際にかかる大きな圧力に対しても耐え抜くことができるということです。
また、伸縮目地を設けていたとしても、規定の位置に設けていなければ写真のようにひび割れてしまう可能性が非常に高いです。
駐車場の外構工事(エクステリア工事)は高額な工事です。
「決められた場所に設けない」という理由だけでひび割れてしまってはガッカリしてしまいます。
このようなことにならないために、コンクリート打設の前に伸縮目地が設けられているかどうかを必ず確認するようにしてください。
まとめ
コンクリート打設を行う際に伸縮目地を設けるのは常識ですが、稀に行わない業者がいます。
コンクリートが割れてしまってからでは、時すでに遅しとなってしまいます。
コンクリートは適切な工事を行って初めて、本来の強度を生み出すことができます。
面倒に感じてしまうかもしれませんが、職人さんに伸縮目地のことや強度について質問を行うことで、構造物の品質を望めます。
すぐに壊れてしまうような工事をさせないために、あなたも監督になったつもりで現場を管理しましょう。