近年では、車を一家に一台ではなく、一人一台所有する人の割合が増えています。
このこともあり、外構工事を行う大半の方が、庭に駐車スペースを設けます。
駐車場を設ける方の中には、大切な自動車を守るためにカーポートを設置する人が多いです。
カーポートがあれば、車を汚れから守るだけでなく、雨の日でも車の乗り降りの際に濡れることが無くなり、日々の生活が快適になります。
ただ、コンクリートは年月と共に風化していくため、雨に打たれる場所は黒ずんでいき、砂利が浮き出てきます。
そのため、カーポートを設置してあるお宅の駐車場を見ると、雨が当たる部分と当たらない場所の差は歴然です。
特に、雨の日には雨樋(「あまどい」または「あまとい」:屋根面を流れる雨水を集めて、地上あるいは下水に導くための装置)を伝って雨水が一点に集まって流れ出ます。
そのため、出口付近は必ず黒ずんでしまいます。
しかし、施工直後のコンクリートの表面は白く綺麗に仕上がっているため、素人の方は数年後のことまで考える方は少ないです。
数年後、右の写真のように雨に打たれている部分と雨樋からの雨水で洗い流された部分をハッキリと認識できるようになります。
実際に、周り近所のお宅の雨樋の出口を注意してみると、写真のようになっている家が多くあることに気付きます。
カーポートによって、雨に打たれる場所と打たれない場所がはっきりするのは仕方がないことです。
しかし、雨樋に少し工夫するだけで、雨水の黒ずんだ跡を出さないようにできます。
実は、多くの方はこの方法を知りません。
雨水が流れる路を作る
外構専門業者のほとんどが、施工完了直後の見栄えばかりを気にします。
そのため、数年後も美しいままの外観を保つ家は少ないです。
これが、雨水をそのまま垂れ流すように雨樋を設置する理由です。
もし、「月日が経過しても、できる限り見栄えのある外観を保つ工事をする」という考えがあれば、お客様の立場になって施工するはずです。
実際、雨樋の設置方法によって、数年後の見栄えに大きな差が表れます。
例えば、雨樋の先をL型パイプで曲げて、排水溝や集水桝(しゅうすいます:水を一時的にためておく場所)に水が流れるようにします。
あるいは、雨樋の出口に砂利などを敷き、コンクリートに直接水が当たらないようにします。
L型パイプで排水溝に水を流す場合、歩行や車の出入りの邪魔にならないように工夫しましょう。
躓いたり、踏んで割れてしまったりする可能性があるからです。
パイプを延長するといっても、数センチから数十センチ程度なので、値段にして1000円もあればできる工事です。
数年後の見栄えを気にするのであれば、職人さんに「雨水の跡が残らないように雨樋を設置してください」とお願いしましょう。
ただし、全体的に設計を変えなければいけない場合、追加料金を請求される可能性があります。
そのため、いきなり工事の変更を催促するのではなく、追加工事ができるかどうかを尋ねてみると良いです。
このように、少し工夫するだけで将来の見栄えは大きく変わります。
エクステリア工事を行う際は、数年後のことも考えながらプランニングするようにしましょう。