外構工事で失敗しないためには、正しい業者選びをすることが大切です。
そこで、業者選びで役立つのが「相見積もり(または、あいみつ)」です。
あいみつとは、複数の会社に見積もりをとることです。そうすることで、その中から一番あなたに適している業者を選ぶことができます。
ただ、「値段が安い」という理由だけで外構専門業者(エクステリア業者)を決めてしまうと、業者の思うつぼです。
たしかに、エクステリア工事は高額なので、「低価格で施工したい」と考える方は多いです。
しかし、庭作りは人の手で作り上げるものなので、どうしても人件費がかさみます。また、使用する材料にこだわりをもてば、その分だけ工事費用に上乗せされるため、必然的に金額は高くなります。
そのため、安さを売りにしている業者や大幅な値引きを行う会社は避けた方が無難です。
工事費用を削減するためには、手抜き工事または粗悪な材料を使用するほかないからです。
そこで、このページでは、相見積もりを取る際に重要なポイントを紹介します。
これを学ぶことで、あなたのことを第一に考えてくれる優良業者で、しかも、一番安い金額で工事を引き受けてくれる会社を見つけることができるようになります。
大まかな予算を決めておく
低価格で外構工事を引き受ける業者の中には、仕事のスピードを上げて人件費を削減して金額を安くしている業者もいます。
ただ、相見積もりで大切なのは、「予算を決めて、予算内で一番良い提案をしてくる業者を選ぶ」ことです。
予算といっても、大半の方は外構工事の購買経験がないないため、明確な予算を決めることができません。
そこで、「このくらいなら出せる」という大まかな金額を提示すると良いです。
予算を伝えることで、あなたが理想としている庭作りに対して、行える工事と諦めなければいけないことが分かります。
そのため、当サイトを利用してくださるお客様には、大まかな予算を設定していただいています。そうすることで、業者ごとに提案できるプランを比べることができる上に、納得した上で予算の見直しができるからです。このことを料理に例えると分かりやすいです。
例えば、あなたが料理屋を営んでいるとします。そこへ、「おいしいマグロを安い値段で提供してほしい」と言われたらどうでしょうか? 大トロのような高価な部位を低価格で出すには限界があるため、中トロ以下の赤身などを出すはずです。
しかし、さらにお客様が「大トロを低価格で安価で食べたい」と言ってきたらどうでしょうか。この場合、質の悪い大トロを提供しなければ、料理屋は赤字になってしまいます。エクステリア工事も同じように、高額な工事を無理やり安くするためには、工事の質が必然的に落ちてしまうことを覚えておきましょう。
一方、「1000円以内でマグロを楽しめる料理を提供してほしい」と言われたらどうでしょう? 予算が明確なため、提供できる料理の種類や素材が見えてきます。もし、1000円以上の料理を楽しみたいと言われた場合、お客様の要望と共に予算を見直すこともできます。
これを外構工事に置き換えると、以下のようになります。
一般的に、駐車場の工事に対する予算が100万円だと、カーポート(車を雨風から守ってくれる屋根のこと)まで取り付けることはできません。しかし、あと50万円プラスすれば、カーポート付きで見栄えのあるエクステリアを作ることができます。
このような決め方であれば、費用を確認しながら庭作りの予算を見直すことができます。
もし、カーポート抜きで工事費用が100万円かかる駐車場工事にも関わらず、「カーポート付きで一面コンクリートの駐車場を100万円で作って欲しい」という頼み方で相見積もりを依頼してしまうと、悪徳業者に出会う確率が高くなります。
前述の通り、手抜き工事または粗悪な材料を使用するほかないからです。着工前から50万円の赤字があると分かっていて仕事を取るということは、工事内のどこかで帳尻を合わせようとしている証拠です。工事の品質を確保しながら金額を安くするためには、ときには妥協も必要です。
要するに、「予算を決めて譲れない内容だけを採用すれば、高品質な工事を最安値で施工できる」ということです。
ただ、「予算を決めてしまうと、値引きしてもらうことができないのでは?」と考える方がいます。そうではなく、「このくらいの値段であれば出せる」という大まかな金額を提示して、その予算内で行える工事を選ぶことが大切です。
あなたとじっくり話し合ったうえで算出された工事金額は、品質を損ねずに提供できるエクステリア工事にかかる費用の最安値です。多少の値引きは期待できるかもしれませんが、工事の金額が出てからさらなる値引き交渉を繰り返すと、何度も話し合った意味がなくなり、エクステリア業者の努力が水の泡になります。
優良業者は仕事に対する情熱が高いため、技術の安売りはせず、値引き交渉されることを嫌います。
ただし、エクステリア工事に100万円しか用意できないとしても、その予算内で最高の庭作りをしてくれます。業者選びを値段ではなく、提案できる工事内容に目を向けることが大切です。そうすれば、工事の値段で業者を選ばなくても、一番安い金額で工事を引き受けてくれる優良業者を見つけることができるようになります
そうでなければ、エクステリア業者が提案するプランに従うほかなく、結果的に高額な工事を契約してしまうことになります。
エクステリア工事を依頼する前に相見積もりを行う場合、大まかな予算と行いたい工事内容を決めておきましょう。そして、その予算内でよりあなたの理想に近い提案をしてくれる業者を選ぶようにしましょう。
筆者:外構工事職人歴20年 石川公宣