目隠しフェンスは、プライバシーを守りながら庭や外構のデザイン性を高める重要なアイテムですが、地域によっては台風に強いものを選択する必要があります。
この記事では、台風に強い目隠しフェンスの特徴や適切な施工ポイントを詳しく解説します。また、費用相場やメンテナンスのポイントにも触れるので、目隠しフェンス設置の参考にしてください。
目次
1.目隠しフェンスの主な役割

目隠しフェンスの役割は、目線を遮るだけに留まりません。ここでは目隠しフェンスがもつ役割について解説します。
1-1.プライバシーを守る
目隠しフェンスは適切な高さに設置することで、自宅を外部の視線から守り、プライバシーを確保する役割を担います。
目隠しフェンスにもさまざまなデザインがあります。スリットやルーバー型は視線を遮りつつ風通しを保てるタイプで、生活利便性を重視するならおすすめです。一方で全面的に閉じたデザインは視線を完全に遮るものの、圧迫感を与えたり、庭の風通しが悪くなったりすることもあるため、注意して選びましょう。
1-2.防犯性を高める
目隠しフェンスを上手に使うと、防犯性を高めることができます。ただし設置場所に即した高さや角度を検討しなければなりません。
高過ぎるフェンスは目隠しになる一方で、不審者の姿も隠されるため侵入しやすい、というリスクがあります。プライバシーを確保しつつも、周囲からの視線はある程度確保できるデザインや高さを考慮すると良いでしょう。
また格子状や尖った装飾を施したタイプは乗り越えにくいため、防犯性能の高い、おすすめのデザインです。
1-3.外観デザインを美しくする
目隠しフェンスには、住宅外観の美観を高める役割もあります。フェンスの素材や色、デザインの選び方によって、建物や庭全体の印象を引き立てることが可能です。
外観デザインをフェンスによって高めるには、台風対策を意識しつつもデザイン性を損なわない工夫が求められます。例えば、耐久性に優れた素材を選びつつ、スリットやルーバー型など風を通すデザインを採用することで、機能性と美しさを両立できるでしょう。
2.台風に強い目隠しフェンスがおすすめな理由
目隠しフェンスの中でも台風に強いものが推奨されるのには、次のような理由があります。
2-1.自然災害に備えた安全性を確保できる
台風に強い目隠しフェンスは、自然災害の際でも安全性を確保するために重要です。とりわけ台風の影響が大きい地域では、強風での倒壊や部材の飛散を防ぐ設計が求められます。
目隠しフェンスの中には、目隠しという性能を重視する一方で通気性を確保できないものがあり、この場合、強烈な台風で破損する可能性が高く危険です。万一の際、家族や隣家への被害を防ぐためには、あらかじめ台風に強いフェンスを選択する必要があります。
2-2.家族の安心とプライバシーを守れる
台風など自然災害の際も、変わらず家族のプライバシーを守ってくれるのが、台風に強いタイプの目隠しフェンスです。
例えば台風によってフェンスが破損してしまった場合、修理を終えるまでしばらくの間、外部から家の中が見える状態が避けられません。台風に強いフェンスなら災害時でも倒壊や飛散のリスクが少ないため、安全性が高く、外部からの視線を遮る効果も持続します。災害時の不安を軽減しながら、日常のプライバシーをしっかり確保できる選択です。
2-3.経済的な損失を抑えられる
台風に強い目隠しフェンスには、経済的な損失を抑える効果もあります。
台風による影響でフェンスが破損してしまった場合、破損部分の修理や交換、悪ければ一旦すべて取り壊して再建するなど、状況に応じて費用がかかります。
一方で、耐久性の高い素材や設計を採用したフェンスは強風による倒壊や損壊のリスクが低いため、台風後の修繕費用を大幅に削減可能です。また耐久性の高いフェンスはメンテナンスコストがかかりにくいのもメリットといえます。
2-4.デザイン性を損なわず機能性を両立できる
台風対策の中でも、台風に強い目隠しフェンスは、デザイン性と機能性を両立できる点でおすすめです。
とりわけ最新のフェンスは、耐風性を高める工夫が施されつつ、モダンやナチュラルなど多彩なデザインが揃っています。素材の質感もさまざまで、住宅スタイルや庭の雰囲気に合わせて選べるため、景観を損なわずに快適な空間を実現可能です。
堅牢な台風対策は家の雰囲気に合わない、と悩んでいる場合は、ぜひ台風に強いタイプのフェンスを検討してみましょう。
3.置くだけでも大丈夫?台風に強い目隠しフェンスの特徴

フェンスの中には、置くだけで境界の役割を果たすものもありますが、台風への対応となれば置くだけのタイプでは不安が残ります。
では、どのようなフェンスが理想的なのでしょうか。台風に強い目隠しフェンスには以下のような特徴があります。
3-1.耐風圧性の高い素材
台風に強い目隠しフェンスには、耐風圧性の高い素材が使用されます。
例えば、アルミは軽量でサビに強く、風を受け流すデザインと組み合わせることで高い耐久性を発揮します。
一方、ポリカーボネート素材は透明感があり採光性に優れるため、明るさを保ちながら視線を遮ることが可能です。
素材そのものの丈夫さも十分にあります。デザインを工夫することで風をうまく受け流し、風圧や強い雨による破損を防いでくれるでしょう。
3-2.ルーバータイプなど風を通すデザイン
台風に強い目隠しフェンスにするなら、ルーバータイプやスリット入りの風を通すデザインが効果的です。これらの構造は、強風を受け流すことで圧力を軽減し、倒壊や破損のリスクを抑えます。
ルーバー型は視線を遮りつつ通気性を確保できるため、プライバシーを守りながらも風の影響を最小限にできます。
スリット入りフェンスは、シンプルでモダンなデザインが特徴で、住宅の外観とも調和しやすいのが魅力です。いずれも耐風性と美観を両立する選択肢として注目されています。
3-3.施工環境に合った設置方法
台風に強い目隠しフェンスを実現するには、施工環境に合った設置方法で行う必要があります。
フェンスを設置する際は支柱の埋め込み深度を十分に確保し、さらにコンクリートでしっかり固定することで耐風性を向上させます。また、地盤の強度や特性を考慮した基礎工事が重要です。
また、地域特有の風向きや風の強さに応じてフェンスの向きや配置を調整することで、風圧を分散させ倒壊を防ぐ方法もあります。
4.台風に強い目隠しフェンスのタイプ
フェンスの種類は多種多様で、中には目隠しに向かないものもあります。例えばメッシュタイプは、台風には強いものの敷地内部が見える構造になっているため、目隠し効果がほしい場合は避けるべきでしょう。ここでは台風に強いタイプのフェンスを紹介します。
4-1.風を通すルーバーフェンス
ルーバーフェンスは、隙間から風を通すデザインが特徴です。細長い部材を一定方向に並べて、部材の間へ風を逃がすことで、風圧を分散して倒壊のリスクを軽減する構造を持ちます。特に強風地域では、高い安定性と耐久性から台風対策として最適なフェンスの一つとされています。
ルーバーフェンスには縦型と横型のタイプがあり、住宅の外観や用途に応じて柔軟に選べる点が魅力です。また、プライバシーを守りながら風通しを確保できるため、庭や玄関先などの風の通り道や、視線を遮りたい場所におすすめです。
4-2.耐久性の高いアルミフェンス
アルミフェンスは、軽量で錆びにくい特性から、台風に強い目隠しフェンスとして適しているといえます。風圧に耐える強度を持ち、海沿いや湿気の多い地域でも腐食しにくい点が大きなメリットです。
またアルミフェンスにはシンプルでモダンなデザインが多く、住宅のスタイルに合わせやすい柔軟性も魅力といえます。高さや形状をカスタマイズしやすいためさまざまな用途や環境に対応が可能で、美観と機能性を兼ね備えた選択肢といえるでしょう。
4-3.透明感のあるポリカーボネートフェンス
ポリカーボネートフェンスは、高い透明性と強度を兼ね備えた素材です。目隠しフェンスに使用される場合は、光を透過するものの向こう側の見えない半透明のパネルが用いられます。
採光性を保ちながら視線を遮る効果があり、明るさとプライバシーを両立可能です。さらに風圧に耐え、割れにくい特性を持つため、強い台風が訪れる地域でも安心して使用できます。紫外線を防ぐコーティングが施された製品もあり、庭やテラスなど、景観を活かしつつ耐風性を求める場所におすすめです。
4-4.ナチュラルテイストのウッド調フェンス

ウッド調フェンスは、アルミや樹脂製でつくられた木目調デザインのフェンスで、天然木のような見た目を持ちながら耐久性に優れているのが特徴です。風や衝撃に対しても強く、台風がよく訪れる地域でも安心して利用できます。
ナチュラルなデザインを持ちながらも湿気や虫害に強く、さらに腐食の心配がないため、メンテナンスが容易で長寿命なのもメリットです。和風庭園やナチュラルモダンな住宅の外構デザインにおすすめできます。
5.目隠しフェンスの施工ポイントと注意点
台風に強い目隠しフェンスは、フェンスの種類だけでなく施工にも強度を確保するためのポイントがあります。目隠しフェンスを施工する際に確認しておきたいポイントを解説します。
5-1.施工時に重視すべき耐久性のポイント

目隠しフェンスの耐久性を確保するには、基礎工事や支柱の固定が重要です。したがって施工の際は、基礎工事や支柱の固定工事が行われる予定があるかをあらかじめ確認すると良いでしょう。
台風の際、フェンスは風や雨の力をダイレクトに受けるため、災害対応のフェンスは支柱をしっかりと地中に埋め、コンクリートなどで固定しなければなりません。また基礎が弱いと倒壊や傾きが生じやすくなり、安全性が損なわれるだけでなく、修繕コストが発生するリスクも高まります。適切な基礎工事がフェンスの長寿命を支える鍵といえるでしょう。
5-2.見積もり時に確認すべき内容
業者に台風に強いフェンスの見積もりを依頼する時は、使用素材と施工手法をしっかり確認することが重要です。耐風性のあるアルミやポリカーボネートなどの素材が使われているか、また支柱の固定方法や基礎工事の詳細が明示されているかを確認しましょう。
また、保証内容やアフターサービスの範囲についても確認が必要です。製品の耐久性や施工後のメンテナンス体制を理解しておくことで、安心して長く使えるフェンスを選ぶことができます。
6.台風に強い目隠しフェンスの費用相場とメンテナンスのポイント
台風に強い目隠しフェンスの施工にかかる費用は、通常のフェンスにかかる施工費用よりもやや高額になる傾向があります。ただし耐久性やメンテナンスコストを考えれば、決して損失とはいえないケースが多いでしょう。
ここでは、台風に強い目隠しフェンスの費用相場やメンテナンス方法を解説します。
6-1.目隠しフェンスの費用相場

目隠しフェンスの本体価格の相場は、1メートル当たり、アルミフェンスが約8,000~15,000円、ポリカーボネート素材のものが約10,000~20,000円、木目調アルミフェンスで約12,000~25,000円です。
これらの他、どのタイプでも施工費用がかかります。施工の費用相場は、基礎工事が1メートル当たり約5,000~10,000円、支柱設置が1本当たり約3,000~8,000円となります。
施工する幅の広さや、選択する素材、現場の状態によっても費用が変わるので、まずは業者から見積もりを取り、正確な金額を把握しておくと良いでしょう。
6-2.耐久性を維持するためのメンテナンス方法
台風に強い目隠しフェンスの耐久性を維持するには、適切なメンテナンスが欠かせません。
アルミ製フェンスには定期的に錆止め処理を施しましょう。
ポリカーボネートには専用のクリーナーを使用して汚れを除去し、紫外線防止コーティングを定期的に行います。
木目調フェンスは表面の傷をチェックし、必要に応じて保護剤を塗布すると良いでしょう。
とりわけ台風後は、支柱のぐらつきやフェンス面のひび割れ、部材の緩みなどを点検してください。早期修繕でさらなる損傷を防げば、メンテナンスコストを節減できます。
7.信頼できる施工業者を選ぶコツ

台風に強い目隠しフェンスを安全に設置するには、業者選びも重要です。信頼できる施工業者を選ぶには次のようなポイントがあります。
7-1.口コミや施工事例を確認する
信頼できる施工業者を選ぶには、口コミや施工事例の確認が重要です。
まず、インターネットや地域の評判を参考に、実際の利用者の声や評価を調べましょう。また、業者の公式サイトやSNSで過去の施工事例をチェックし、自分の希望するスタイルや技術力があるかを確認します。
ただ施工事例の中に、似た条件やデザインのものがあるとは限りません。類似したものがなくてもデザイン性が高いと感じた場合は、ひとまず見積もりを取ってみるのがおすすめです。
7-2.見積もりを取ってみる
実際に見積もりを取り、内容を詳しく確認することでも、業者の信頼度がわかります。
見積もりでは、使用する素材、施工手法、基礎工事の有無、保証やアフターサービスについての詳細が明記されているかを確認しましょう。あいまいな点があれば問い合わせを行い、納得できる説明をしてくれる業者を選ぶことが重要です。
この時、見積もりや問い合わせへの対応が丁寧で迅速な業者は、信頼度が高い傾向にあります。複数の業者から見積もりを取り比較することで、適正価格やサービス内容も見極めやすくなるでしょう。
8.まとめ
目隠しフェンスを設置する際、台風に強いものを希望するなら、まずは専門業者へ相談してみましょう。
台風に強い目隠しフェンスとひとくちに言っても、多種多様な素材や種類があります。信頼できる業者へ相談できれば、設置場所に合ったタイプやデザインを提案した上で見積もりを出してもらえるため、金額の目安も分かります。
また台風に対応した目隠しフェンスを施工するには、専門的な知識を持った業者による、丁寧な設置作業が必要です。
安全性という観点からも、自分で設置について判断せず、検討の段階で業者に連絡し、気軽に相談してみることをおすすめします。
筆者:外構工事職人歴20年・石川公宣