外構工事で一番苦労することは「業者選び」です。
ただ、業者選びが終わったからと言って安心してはいけません。
外構工事を行う業者が決まると、業者に工事を任せきりにしてしまう人がいます。
しかし、良質な工事を期待するのであれば、その業者さんと一緒に工事を進めていくことが大切です。
例えば、工事を行って初めて気づくことや、設計通りに工事を行うことができない場合があります。
このとき、お施主さん(工事依頼主)とのやり取りがないと、勝手に工事を進められてしまう可能性があります。
業者としては、「こうせざるを得なかった」ということでも、お施主さんに確認をとる必要があります。
しかし、無数にいる職人さんの中には、自分の判断で工事を進めてしまう人がいます。
そこで、職人さんに、こまめに話かけたり一緒に休憩をしたりしましょう。
このような信頼関係が出来ていると、問題が発生した時に必ず話題が出てきます。
中には、外構工事が着工する日から工事が終わる日まで職人さんと挨拶すらしないお施主さん(工事依頼主)がいます。
同じ敷地内で過ごしているのに、コミュニケーションの中でも一番大切な挨拶すら交わさないということは良くありません。
そこで、職人さんと積極的に交流することをお勧めします。
また、職人さんとの交流に限らず、工事を依頼した業者とこまめに連絡を取り合うことをお勧めします。
小さなことでも構わないので、気づいたことや気になることがあればすぐに連絡をするようにしましょう。
業者とこまめに連絡をとらなければ損をする
前述の通り、業者さんと一緒に工事を勧めていくことが大切です。
工事を始めてみないと分からないことが非常にたくさんあるからです。
工事の進行状況を毎日確認して、工事の品質向上に繋げていきましょう。
工事を行っていくうちに「〇〇の工事にした方が見栄えがあり、工事費用を安く抑えることができます」という提案があるかもしれません。
例えば、素人さんの場合、「擁壁(コンクリートの壁)工事が高強度で耐久性に優れている」と知っていたらこれを設けたいと思うはずです。
しかし、それが純和風住宅の場合、建物の外観とミスマッチになってしまいます。
先に述べたように、擁壁は高強度で耐久性に優れています。
ただ、人工的に作られたものなので、風情や温かみというものが全くありません。
また、コンクリートを使用した外構工事費用は高額です。
そこで、自然石を利用した石垣を設けることで、風情豊で自然に調和した温かみのある外観を作り出すことができます。
さらに、擁壁工事に比べ工事費用が安価です。
外構工事は、建物と印象を崩さずに引き立ててくれるものでなければいけません。
建物に合わない外観だと分からずに、高額な工事を押し付けられては金銭面で大きく損をしてしまいます。
工事を行う前や、工事を行っている最中も業者や職人さんに最善の策はないか相談してみましょう。
業者は高額な工事を勧めてくる
私が職人だった頃、純和風住宅の外構工事を施工した時に、建物の周りをコンクリートだらけにしているお宅がありました。
コンクリートを使用しているので、工事費用は高額ですが、殺風景で味気ない外構でした。
このとき、お施主さんとの交流はほとんどありませんでした。
もし、お施主さんとお話をすることができたら、工事費用を抑えつつ、さらに見栄えのある外観を提案することができたかもしれません。
ただ、業者はお客様にできるだけ高額な工事を行って欲しいと考えます。
そこで、お客様のことを考えない業者は「高額な擁壁工事をしたい」と頼まれたら、たとえ外観を乱してしまう工事でも、他の提案をせずに高額な工事を行います。
まとめ
このようなことを避けるために、外構の基礎知識を付けたり、当サイトを熟読したりすることが大切です。
外構工事はブロックを積み上げるような小さな工事でも、数十万円以上かかるほど高額です。
満足のいく外構工事とは、外観に見合った金額を支払うことです。
望んでいない工事や、外観を乱してしまうような工事をして欲しいとは誰も思わないはずです。
外構工事で損をしないために、こまめにやり取りを行うようにしてください。
小さな気付きから、工事費用を大幅に削減できる可能性があります。
筆者:外構工事職人歴20年 石川公宣