無数に存在する外構専門業者(エクステリア業者)の中で、優良と呼ばれる業者は全体の1割程度しかいません。
その他の業者は、安くなければ高くもなく、技術や保障、あるいは提案できるサービスの質がいまいちな会社が多いです。
中には、手抜き工事を行っていたり、材料をケチったりして経費を削減して会社の利益にあてていたりする悪質な業者が混じっています。
そのため、業者選びは慎重に行わないと危険です。
ただ、素人から見ても粗悪な工事をしていることに気付かないように、悪徳業者もそれなりの工事を行っています。
見た目だけでは工事の品質を確かめることはできません。ただ、数年経過したあとはヒビが入るなどの影響が表れてきます。
このような悪徳業者に引っかからないために、これらの業者がよく使う代表的な3つの手口を紹介します。それと同時に対策方法についても述べていきます。
悪徳業者の手の内を知っておくと騙されることはなくなるので、必ず読んでください。
手口その①:モニター商法
エクステリア工事の営業の中で、「モニター商法」と呼ばれる商法があります。
モニターとは、企業が開発した商品やサービスを販売する前に、お客様に試験的に利用してもらい、その商品について意見や感想などを企業に報告する人のことを指します。
次に、モニター商法(モニターしょうほう)とは、「モニターになると商品が安くなる」「モニター料といった名目で収入を得られる」といった勧誘を行なう商法のことです。
実際に外構工事の営業で行われている悪徳なモニター商法は、「モニターになればお得になる」などと言って飛び込み営業をかけます。
このとき、「通常よりも安い値段でエクステリア工事ができる」と思わせて、実際は平均よりも高い金額を請求するパターンが多いです。
ただ、巧妙なトークによって営業をかけてくるため、気付かずに騙されてしまう人が後を絶ちません。
営業をかけられるのは外構について無知の素人なので、エクステリアのプロを装って訪れた人のいうことを鵜呑みにしてしまいます。
例えば、「弊社の取り扱っている高品質なフェンスをモニターとして試験的にご利用いただければ、塀を含めたフェンス取り付け工事を通常価格よりも安くします」などと言われると、耳を傾ける人が出てきます。
そしてさらに、「今は地域限定で、しかもこの地域に1件だけなんです」などといった勧誘を受けると、その一人に自分が選ばれ、「またとないチャンス」と思い、契約してしまいます。
契約書にサインをしてしまうと、その業者と正式に契約を交わしたことになるため、断ることができなくなってしまいます。
営業に訪れたその日に契約を迫られてしまうため、考える時間がありません。
モニター商法で契約した悪徳業者が行うエクステリア工事は、十分な説明や扱う商品についての明細も提示することもなく施工をすませてしまいます。
本当にお徳なのかどうかを確かめる間もなく工事が終わってしまうため、意見する隙がありません。
この場合、いくら「お得」だと思っても、その場で契約書にサインをしてはいけません。モニターに提示している金額の根拠を確認して、他社に比較してみることをお勧めします。
ただし、本当にお得なモニターも存在するので、話を聞いてみる価値はあります。
ただ、その場で契約を迫ってくる業者は怪しいので、断るのが無難です。一般的なモニター募集をしている場合、あくまでもお客様の声を集めるために行うものなので、しつこく迫ってくることはありません。
手口その②:点検商法
次に、悪徳業者が行っている方法の中で、「点検商法(てんけんしょうほう)」と呼ばれるものがあります。
点検商法では、「無料点検」などと称して突然お宅を訪問し、点検作業を行います。
そして、塀や擁壁(コンクリートの壁)など、素人では劣化しているかどうかが分からない部位を狙い、お客様の不安を煽って契約をすすめる方法です。
点検の結果、「機器の故障や劣化などがあった」として危険性を強調し、製品の交換など勧めることが多いです。こうした商法は、またの名を「危険商法」ということがあります。
例えば、突然エクステリア業者の営業が現れ、「無料点検を行っているのですが、お宅のブロック塀はきちんと工事されていないため、いつ倒れてもおかしくありません」「今すぐに直さないと、倒れて誰かに怪我をさせてしまう危険があります」などといい、あなたを不安にさせて契約を迫ってきます。
モニター商法と同じように、きちんとした見積もりや説明もなく、その場で契約を迫られるため、断れない人が多いです。
点検商法の対処法は、点検をさせないことです。仮に点検をしてもらったとしても、その場でエクステリア工事の契約を迫るような業者はもってのほかです。
ただ、点検の結果、本当に危険な状態になっている可能性もあるので、注意が必要です。
そこで、「確認したいことがあるので、後日連絡します」と伝え、一度、他の業者に見てもらいましょう。
点検を無料で行っている業者も多いので、一度確認したほうが無難です。
その③:かたり商法
悪徳商法の中で、一番騙されやすい可能性があるのは、「かたり商法」です。
かたり商法とは、公的な機関名を偽って名乗り、消費者に安心させて必要ない施工を契約させたり、いらない商品を売りつけたりする商法です。
まるで役所から来たような、まぎらわしい言い方と服装で、契約を迫ってきたり商品を売ろうとしたりしてきます。
そのため、大半の方は信じてしまいます。
例えば、水道局のフリをして「○○機関の△△と申します。水道管を新設したので、あなたの家の水道管も新しくする必要があります」「施工をしないと明日には水が使えなくなってしまいます」などと、もっともそうなことを言ってきます。
公的機関だからといって、素直に信じてその場で契約してしまうと危険です。
そもそも、公的機関がいきなり工事をするために訪問してくることはありません。事前に、はがきや電話で通知があるはずです。
対処法は、公的機関を名乗る人に名刺をもらい、身分を確認すると良いです。
名刺を提示できない場合、疑った方が良いです。
そして、このページで述べた他の2つの商法と同じように、その場で契約してはいけません。
もし、工事費用が発生してしまうと言われたら、本当に公的機関が関わっているか調べるようにしましょう。
そうでなければ、気付かないうちに騙されて、無駄なお金をだまし取られてしまいます。
悪徳商法に騙されないためには、「その場で契約しないこと」が大切です。訪問営業の場合、裏付けを取り、それでも工事が必要な場合のみ契約するようにしましょう。