理想に近い外構工事を行うには、専門の外構施工業者に工事を依頼しなければなりません。
もっと言えば、外構工事の出来栄えは「業者選びで決まると言っても過言ではありません。
ただ、ひとえに外構業者といっても、優良業者を探し出すのは、至難の業なのです。
なぜなら、外構業者の大半は目に見える部分は、綺麗に仕上げます。
しかし、目に見えない部分(地中に埋まる部分など)は、お粗末な工事を行う施工業者が多いのが現実です。
「目に見えない部分」こそ、外構工事の強度と完成度を左右すると言っても過言ではありません。
たとえば、中古の自動車を購入するとします。
車のボディーは、傷もなくツヤがあり綺麗だとします。
ところが、肝心なエンジンがサビ付いていたら、この車は、長持ちするはずもなく、近いうちの壊れる恐れがあるのは、解るはずです。
外構工事もこれと同じことが言えます。
見た目は綺麗でも、見えない部分が、きちんと工事されてなければ、長持ちはおろか、駐車場のひび割れやブロック塀が傾くことになります。
何事も、「基礎」が重要ということです。支えとなる基礎を施工するのは業者であるため、業者選びが重要と考えてください。
高額な工事代金を支払った後に、破損や事故が起きては本末転倒です。
そこで、このページでは、優良外構業者の判断基準を公開します。
これを学ぶことで、手抜き工事をする悪質業者に工事を依頼することなく、完璧に近い工事を行う優良業者に出会えます。
目次
1.見積書を分析する
外構工事を依頼すると、施工業者から、その工事に対しての見積書が提出されてきます。
この見積書は、書式や工事項目の記載の仕方、単価などは、外構業者によって異なります。
つまり、何社かの見積もりを取ったとき、金額はもちろんのこと、同一の見積書は絶対に存在しません。
人間で例えると、指の指紋と同じことが言えます。
それゆえ、見積書は、その会社独自の物なので、見積書をみるだけで各会社の性質もわかるのです。
この項では、見積書の見方に関して、詳しく見ていきましょう。
1-1見積書に大幅な値引きが記載されている
施工業者からの見積書の最終項目を見たとき、頼んでもないのに、大幅な値引きが記載されている事があります。
これには、気を付けなければなりません。
なぜなら、お客様にお得感を出して、仕事を取ろうと必死なのが見えみるからです。
弊社が見てきた他社の見積書の中で、一番印象的だったのは、見積書金額120万円で値引き-30万円の最終見積もり金額が90万円でした。
なぜ、「30万円も値引きができるのか」これは、値引きをしているわけでは、ありません。
一つ一つの単価を相場以上に高く設定して、最後に値引きをすることにより、お客様の購買意欲をあおっているだけなのです。
ここで単純に、「安い!」と思ってしまう人は多いですが、危険な思考であると言えます。
そもそも、優良業者の場合は、値引きをしたとしても、お気持ち程度の雀の涙ほどが限界です。
なぜなら、最初の見積書を作成する際、必要最低限の適正価格で見積もりをしているからです。
仮に、お客様のご予算との、つり合いが取れない場合などは、値引きではなく、予算内での施工可能なプランの変更になり、お客様の理想に近づいた提案をしてくれます。
優良業者は、きちんとした仕事をするため、リピータや口コミなどで、仕事には困らないので必要以上の安売りをする必要がないのです。
それゆえ、ひたすら安さを売りにしてくる外構業者には、注意が必要です。
1-2見積書に専門用語が多く記載されている
業者からの見積書を見たときに、一般の人には、理解しづらい専門用語をよく目にします。
この専門用語が多ければ多いほど悪質業者の可能性が高いのです。
お見積書の本来の役割は、提出先の方が、何に、どのように、どの位の金額が必要なのかを、理解してもらう為に、作成し提出するものです。
しかし、業者同士のやり取りならまだしも、一般の方への見積書に専門用語を、当たり前のように記載してくる業者が存在しています。
これには、注意が必要です。
一般の方は、専門用語を知りません。普段から利用するものではないため、当たり前ですよね。
それにもかかわらず、記載してくるということは、この工事にたいしての理解を、きちんとお客様にしていただきたいと思っていないのが明白です。
このような業者に工事を依頼しても、お客様の理解を求めていないことがわかります。
そのため、施工業者のペースで工事が進み、意見をしたとしても、聞き入れてもらえず、トラブルになるのです。
また、考え方を変えると「一般の方向けの工事に慣れていない」とも言えます。
たとえ業者対業者の工事が、どれだけ慣れていたとしても、一般の方向けの工事には、通用しないのです。
お客様の使い勝手などは、さほど考えずに工期と予算が間に合うように工事を進めて行きます。
しかし、一般の方向けの工事で、重要なのは、住まわれるお客様の理想や要望を細部まで聞き入れ形にすることと、期待に応えることが出来なければ優良業者とは、言えません。
一般住宅の外構工事は、「作ること」がゴールではなく、「お客様の理想を予算内で叶えること」が目的だからです。
したがって、見積書が、一般の人でも、きちんと理解できる内容にまとめてあることが重要であると考えてください。
または、理解できるような細かな説明が、口答で、なされていることが、絶対条件です。
これを実行しているのが、優良業者と言えます。
2.注意が必要な外構業者とは?
外構工事をおこなう際に、どこの業者の工事を依頼すればいいのか悩む方が多いです。
タウンページやインターネット検索、知り合いからの紹介など、さまざまな方法があります。
しかし、工事を依頼した業者の良し悪しは、工事が完成しない限り解りません。
仮に悪質業者に工事を依頼してしまった場合、後悔しても手遅れなのです。
そのため、慎重に分析をしながら施工業者を選ばなければなりません。ここでミスを犯してしまうと、手抜き工事をされるのが落ちです。
そこでこの項では、最も危険な施工業者の特徴を公開します。
これを学ぶことにより、悪質業者の判断材料を知ることができます。
2-1.飛び込み営業(ご近所商法)
「飛び込み営業」とは、業者が1軒1軒、突然訪問して商品などの営業をすることを差します。
外構工事でも、この飛び込み営業を行っている施工業者が存在します。
営業の方法で、最も契約効率が悪いのは、飛び込み営業です
契約効率が悪い分、1件の契約で過剰なまでの利益を上げようとするのは当然ですよね。その結果、相場よりも、かなり高めの金額を提示してきます。
布団や健康食品、外壁塗装工事などを、訪問販売している業界では、契約金額の30パーセンが、営業マンの取り分となる会社も存在するほどです。
したがって、飛び込み営業ほど、高い契約はないのです。
外構工事の飛び込み営業の仕方は、「ご近所で工事をしていますので、ご一緒に工事されますと安いですよ」が一般的です。
そもそも、「なぜ、その施工会社は、飛び込み営業をしているのか?」について考えてみてください。
答えは、簡単です。
仕事が、無いからです。
適正価格で、きちんとした工事をしていないため、口コミや、紹介などを勝ち取れないだけです。
そのような業者に工事を依頼すると、手抜き工事により、トラブルになる可能性が高くなります。
2-2.契約を急ぐ外構業者
外構の打ち合わせが細かいところまで、確定していない時点で、契約をうながす外構業者はとても危険です。
たとえば、「今月中での、ご成約の場合に限り、10パーセント値引きします」のうたい文句は、よく耳にします。
弊社も外構業者ですが、なぜ今月中に契約をすると割り引けるのかの理解に苦しみます。
考えられる理由としては、「無理やりにでも売り上げを上げたい」といったところでしょうか。
そもそも、いついつまでに契約をしたからと言って安くはできません。使用する材料や人件費は変わらないからです。
つまり、元々の見積もり金額を高く設定し、値引きを餌にお得感を出して、早めの契約に持ち込んでいるのです。
では、なぜ早めの契約に持ち込むのか?
それは、営業担当者の月の売り上げ確保のためになります。
営業マンには、会社から与えられたノルマがあります。そのノルマを達成しなければ、色々なペナルティーが課せられるのです。
仮に、そのような施工業者に工事を依頼した際に、お客様の立場になってプラン作りをしたり、親身に相談を聞いたりするとは、とうてい考えられません。
2-3.御用聞きの営業マンは危険
御用聞き(ごようきき)の営業マンとは?
ただ単に、お客様が提案されたプランや要望を、そのままの形で取り入れ、図面を作成して見積書を提出する営業のことです。
一見、良い営業にとらえられますが、これは単なる無能です。
なぜなら、一般の方のプランや要望は、あくまでも素人の意見になります。
素人の意見を、そのまま形にすることになり、見た目は綺麗でも、強度や使い勝手が悪くなることが多いです。
つまり、御用聞きの営業マンは、外構の知識や経験が乏しいため、プロの意見を述べることが出来ません。
それゆえ、素人が営業に来ているのと変わらないのです。
簡単に言うと、「使えない営業マン」になります。
本来、外構の営業マンの役割とは、お客様の理想や要望を聞き入れつつ、プロの意見や経験を取り入れ、強度や使い勝手を取り入れた、より良いプラン作りをすることです。
これこそが、優良業者です。
打ち合わせをしている際に、お客様に意味のある提案を述べられない営業マンは、後々トラブルの原因になるため、避けなければなりません。
3.優良業者と判断する要素
外構工事での「優良業者」とは、お客様の立場になって考えてくれる会社のことを指します。
使い勝手はもちろんのこと、理想の外構を適正価格で品質の高い工事を行う、施工業者のことです。
これは、きれい事に聞こえますが、情熱を持って、仕事に取り組んでいる外構業者が、少なからず、存在しています。
ただ、多数ある外構業者の中で、この業者が優良業者と判断することは、難しいのも現実です。
当然のことながら、品質の高い外構工事を行うには、優良業者に工事を依頼することが、必要不可欠なのです。
この項では、プロの視点から、「優良業者」と呼べる会社の条件を紹介します。
3-1.メリットとデメリットの説明がある
外構工事のプランニング(設計または企画)を進めていく過程で、使用する材料や施工方法において、メリット(良い面)とデメリット(悪い面)が、必ずあります。
しかし、ほとんどの外構業者が、メリットばかり、説明しているのが一般的です。
もし、外構工事が完了して、数か月後にデメリットが発生してしまったら、お客様は、愕然(がくぜん)とすることでしょう。
しかし、事前にデメリットの説明をきちんと受けていれば、それほど気にならなくなるものです。
たとえば、どのようなデメリットがあるのか、以下に代表的なものを解説していきます。
- レンガの白華(白くなる):施工する場所や環境による現象でカタログに記載されています。
- 明るい色の石材がにごった色になる:雨や汚れによる現象です。
- 駐車場コンクリートにヘアークラックが入る(髪の毛ほどの太さのひび割れ):コンクリートの性質上のことで、問題はない。
これは、あくまでもデメリットの参考例、一部になります。
優良業者の場合は、しっかりと、その工事にたいしての、メリットとデメリットを伝えます。
そして、お客様に理解していただき、後々のトラブルを起こさないように慎重に打ち合わせをするのが常識です。
なぜなら、何か事が起こった後で、デメリットの説明をしたとしても、都合の良い言い訳に聞こえるため、お客様との信用が無くなるからです。
後出しジャンケンで勝利したとしても、反感を買うだけですよね。
それゆえ、信用を第一に考え、お客様の立場になって工事を完了してるからこそ、優良業者として成り立っているのです。
3-2.工事に使用する材料の詳細書類を用意してくれる。
弊社(石川デザイン企画)に、お問い合わせをくださるお客様の中には、お問い合わせ前まで、打ち合わせを進めていた業者が、使用するフェンスやレンガなどの材料にたいして、詳細が解らないとのご相談を頂くことがあります。
たしかに、見積書には使用部材の名前が記載されています。
しかし、お客様は、外構業者ではないので、名前だけでは理解出来ないのは、当たり前な話ですよね。
そもそも打ち合わせとは、一般の人でも理解できることが第一優先になります。
理解できない打ち合わせを、何回しても時間の無駄になります。
つまり、意味がないのです。
使用部材にたいしても同じことが言えます。
一部の心無い外構業者は、「使用部材の説明などしても一般の人には、理解できない」などと勘違いをしています。
そのような悪質業者に、工事を依頼したとしても、お客様の立場になり工事に情熱を持って接することはありえません。
優良業者の場合は、理解しづらい事柄にたいして、資料を作成して、一般の人が理解しやすく意味のある打ち合わせを心がけます。
理解も得ずに、工事を完了しても、トラブルになる可能性が高くなるからです。
また、理解を得た上での工事の方が、お客様自身が工事完了時のイメージができるので、完工した際に「理想通り」との、感動が生まれます。
その感動こそが信用になるのです。
つまり、信用が得られるからこそ優良業者なのです。
そのため、詳細を伝えてくれないような業者なは十分に注意してください。
3-3.営業担当者が以前に外構の職人をしていた人が望ましい
外構業者の営業担当者は、営業のみで、実際に工事をしたことのない人が一般的です。
たしかに、外構専門の会社にとっては、数字には強いので、利益を上げたいがために、営業の専門職を重宝します。
つまり、営業の第一優先は、仕事を取り、会社に利益をもたらすことが、根本的な仕事なのです。
裏を返せば、外構の本格的な知識を持ち合わせていない営業が、多いのも現実ということです。
しかし、工事を依頼する側の立場から考えてみると、どうでしょうか?
実際に工事を行うのは、外構の職人になります。
それゆえ、見栄え重視になりがちな外構工事ですが、最も重要な品質の良い工事をおこなうには、職人の経験や知識が、必要不可欠になります。
まれに、外構の職人を以前していて、お客様の信用を勝ち取り、職人をまとめる立場になった営業が存在します。
このような人に工事を依頼することが出来れば、工事全体の強度を含めた、使い勝手の良い、品質の高い外構工事が行えます。
このことから、現場を理解している営業の方に話を聞いてもらえるかどうかを判断するようにしましょう。
まとめ
外構工事は、限られた予算の中で、品質の高い工事を行わなければなりません。
外構業者を見極めるにあたり、重要視されるポイントは、営業マンにあると言っても過言ではありません。
また、営業マンには、その会社の体質や取り組む姿勢が、ありのままに映し出されます。そのため、外構施工会社の良し悪しの判断基準になります。
ここまで解説してきた内容を用いて、施工会社の分析をしていただければ幸いです。
すべての、外構業者が悪質業者ではありません。少なからず、優良業者も存在しているのも確かです。
仕事に情熱を持ち、熟練の技と知識を兼ね備えた優良業者に工事を依頼して、理想通りで、より良いお庭を完成させてください。