洋風住宅が増えてきたこともあり、外構に乱張り(らんばり:大きさや形が不揃いな石を不規則に張り合わせた工法)の石張りを採用する方が多くなりました。
石を張るだけでモダンな印象の庭になり、明るい雰囲気を演出できるのが人気の理由です。
ただ、外構工事(エクステリア工事)の中で石張りは高額なため、一部のみに取り入れるケースがほとんどです。
石張りでは、石を一つ一つ職人の手によって並べていくため、非常に手間(人件費)がかかるからです。
特に、乱張りはただ単に張り合わせれば良いというものではありません。
実は、目地の間隔や石の向きなど、細かいルールが定められています。そのため、石を並べるだけでも1日以上かかるのはよくある話です。
また、乱張りは職人の技術力によって仕上がりに大きな差が出ます。
多くの現場で培ってきた技とセンスなしでは、乱張りを見栄え良く施工することは不可能です。
そのため、仕上がりを見れば張り合わせた職人の腕前は一目瞭然です。
ただ素人目線から見ると、ボロボロになっていない限り、どれが良くて何が悪いのか見分けることができません。
しかし、目が肥えてくると、街中で見かける乱張りの出来栄えが良いか悪いかを一瞬で見分けることができるようになります。その違いは、一体どこに表れるのでしょうか。
技術力の差は目地に表れる
使用する石はどの業者も同じなため、腕前の違いは目地に表れます。
張り方のルールを知っていても綺麗に張り合わせるのが難しいため、高度な技術力が必要になります。
乱張りを行うときの基本は、「四つ目地(よつめじ)をつくらないこと」と「通し目地を長くとらないこと」です。
あとは、目地の幅を均等に揃え、同じ大きさの石を隣に並べないことを意識します。
四ツ目時とは、十文字に目地が通ることを指します。
石を張り合わせる際にできる目地は、必ず3方向に目地ができるように施工しなければいけません。要するに、目地が「人」の字の形になるのが基本だということです。
一方、通し目地とは、目地が一直線になることを指します。乱張りは不規則に張り合わせるデザインなので、通し目地が長くあると違和感のある仕上がりになってしまいます。ただ、前述の通り、乱張りは職人の技術力によって仕上がりに大きな差が出てきます。
張り方のルールを分かっていたとしても、それができる職人はごくわずかです。
これが、「仕上がりを見れば張り合わせた職人の腕前を一目瞭然で判断できる」という理由です。
ただし、無意識レベルで四つ目地や通し目地を作らないように張り合わせることができる職人はほんの一握りしか存在しません。
また、たとえ目地作りを完璧にこなせたとしても、目地の幅を均等に揃えることができなければ意味がありません。
見た目が汚くなってしまうため、素人が施工した作品のような仕上がりになります。冒頭で述べた通り、石張り工事は乱張りに限らず工事費用が高額です。
だからといって、低価格で施工できる外構専門業者(エクステリア業者)に依頼してしまうと、みすぼらしい外観になることは間違いありません。
ただ、安価で乱張りを行うにしても、砂利やコンクリートなどの工事に比べて高い金額です。
そのため、残念な仕上がりだとしても請求された金額を支払わなければいけません。
たとえ出来栄えに納得できなかったとしても、手抜き工事を行っていない限り、作り直してもらうことはできないので注意しましょう。「値段が安いから仕方ない」といわれてしまえば、それまでなのです。
そのため、エクステリアに乱張りを採用したいと考えているのであれば、凄腕の職人が在籍している「優良業者」を探しましょう。こうして、誰にでも自慢することができる庭を手に入れてください。