強度があり高級感がある、デザインが豊富など、タイルデッキにはさまざまなメリットがあります。
自宅の庭におしゃれなタイルデッキを設置したいと考えている人も多いと思います。
その際、気になることといえば設置にかかる費用です。この項では、タイルデッキにかかる施工費用の相場や安く抑えるためのポイントについて詳しく解説していきます。
目次
1.タイルデッキの施工費用の相場はどのくらい?
まずはタイルデッキの施工費用の相場を施工内容ごとに解説しています。
1-1.タイルデッキの単体の費用
タイルデッキの施工において必ず行うことといえば、タイルの設置です。
タイルデッキ単体の価格は一般的には、セラミックや磁器といったタイルの種類と品質、タイルの大きさ、タイルの模様や色、質感などによって価格は決まります。
また、設置範囲も重要な要素です。設置範囲が広い場合、当然のことながら使用するタイルの量が多くなるからです。
一般的なタイルデッキ単体の相場価格は、7平方メートル(約4.5畳)で10~14万円ほど、10平方メートル(約6畳)で15~20万円ほど、12平方メートル(約8畳)で18~25万円ほどです。
1-2.屋根を取り付ける場合の費用
デッキを一年中快適に利用したい場合には、デッキに屋根を設置するのがおすすめです。
屋根は直射日光や雨などからデッキを保護してくれます。
とはいえ、タイルデッキの上に屋根を取り付ける場合には、追加費用がかかります。
テラス屋根の価格は約10~20万円、工事費用の相場価格は約5万円です。また、有料ではあるものの、屋根の性能をさらに向上させるオプションを追加することもできます。
たとえば、夏場でも快適に過ごせるように遮熱仕様を追加する場合の相場価格は約1万円です。
豪雪地帯に住んでいる人は、耐積雪仕様の追加を検討することをオススメします。
屋根に耐積雪仕様を追加する場合の相場価格は約5万円です。
1−3.グレーチングを取り付ける場合の費用
通常、タイルデッキは雨水の侵入を防ぐためにリビングの床よりも低い位置に設置されます。
しかし、リビングとタイルデッキを同じ高さにしたい、という人はグレーチングを設置して対策すると良いです。
グレーチングとは、側溝などの上にかぶせてある格子状のふたのことです。
このグレーチングをリビングとデッキの間に設置すれば、雨の日などに外の水が室内に入り込んでしまうことを予防できます。
また、地面からの水分を効果的に排水する目的や、デッキ下の空間を乾燥させて腐敗やカビのリスクを減らすために設置されることも多いです。
グレーチング取り付けの相場価格は、1平方メートルあたり5万円程度です。
1−4.高さを変更する場合の費用
デッキのデザインによっては高さを高くしたり低くしたりしたい場合もあるでしょう。
また、土地が水平ではない場合には、水平にするための下地を整える必要があります。
たとえば、タイルデッキを通常よりも高くする場合には、モルタルを継ぎ足す必要があります。
そのようなタイルデッキの高さ変更に必要な費用の相場価格は、1平方メートル当たり7000~8000円程度です。7平方メートル(約4.5畳)のタイルデッキの高さを変更したい場合には、5万~5万6000円ほどの費用がかかる計算になります。
2.タイルデッキの施工費用をウッドデッキと比較!
タイルデッキとウッドデッキのどちらにするか迷っているという人も多いでしょう。両者にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
タイルデッキのメリットは、耐久性が高く劣化しにくいことです。メンテナンスにも手間がかかりません。
また、さまざまなデザインの色調を楽しめるというメリットもあります。一方、タイルデッキはウッドデッキに比べて夏場の照り返しがきつくなることがあるので注意が必要です。
雨や雪の日には濡れて滑りやすくなることもデメリットです。ウッドデッキよりも音が響きやすいという一面もあります。
ウッドデッキは、温かみのある質感が魅力です。和風から洋風まで、どのような住宅にも合います。
加工しやすいため、曲線のデザインにも簡単に対応できます。施工時間が短いこともうれしいポイントです。タイルデッキの施工には1週間程度かかるのに対し、ウッドデッキは数日で完成します。
ただし、ウッドデッキはメンテナンスに手間がかかることがデメリットです。
また、タイルデッキよりも耐久性の面で劣ります。木材のため、水や汚れに弱いです。特に天然木のウッドデッキは、ささくれやカビ、シロアリなどの発生に注意しなければなりません。
施工費用の観点から見た場合、一般的に、ウッドデッキの方がタイルデッキよりも施工費用が高くつきます。
たとえば、7平方メートル(約4.5畳)の場合、タイルデッキの施工費用相場は10.5~14万円程度ですが、ウッドデッキは21~52.5万円程度です。
10平方メートル(約6畳)のデッキの場合、タイルデッキの施工費用は15~20万円、ウッドデッキは30〜75万円です。
12平方メートル(約8畳)だと、タイルデッキで18~24万円、ウッドデッキで36~90万円が相場価格となります。
ただし、選ぶタイルのグレードによってはタイルデッキの方が高くついてしまうケースもあるので注意しましょう。また、高さを嵩上げした結果、タイルデッキの方がウッドデッキよりも費用が高くなることもあります。これは、嵩上げするためには土台部分を設置しなければならず、その土台の原料となる土の運搬費用が発生するためです。
そのほか、5平方メートル(3畳)以下の小さなデッキの場合、タイルデッキよりもウッドデッキの方が安いこともあります。
3.タイルデッキの設置はDIYできる?
節約のためにタイルデッキの設置をDIYすることを考えている人もいるでしょう。しかし、タイルデッキは、経験のない人がDIYで設置することはむずかしいです。
DIYのメリットとしては、費用を抑えられること、自分の好みに合わせてデザインを自由に決められること、施工後に達成感を得られることなどが挙げられます。タイルはホームセンターに売られているので、自身の好みに合うものを購入しましょう。インターネットで購入することもできます。
タイルデッキの設置は重労働です。60センチ×60センチのタイルでも1枚あたりの重さは約15キロになります。それらをいくつも運んだり切断したりしなければなりません。また、モルタルの練り上げ、ブロックやタイルの切断などの工程では、専用の道具が必要になります。プレートコンパクターやトロ舟、コンクリートミキサー、タイルカッターなどです。それらを用意するだけでもそれなりの費用がかかるでしょう。グラインダー砕石を運ぶためのトラックも用意しなければなりません。
しかも、タイルの下地やタイル貼りといった作業には専門的な技術が必要です。素人だと失敗してしまう可能性も高いでしょう。失敗してしまった場合や撤去する場合には、解体作業をしなければなりません。この解体作業もまた、素人が簡単にできるものではありません。これらのことを考えると、タイルデッキの設置はDIYでもできますが、不慣れな人は専門業者に依頼したほうが確実でしょう。
4.タイルデッキの施工費用を安く抑えるコツ!
タイルデッキの施工を業者に依頼する場合、いくつかのポイントを押さえておくことで施工費用を安くできます。
どのようにすればコストを抑えられるのか、詳しく解説します。
4−1.タイルを自分で購入する
まずおすすめなのは、タイルを自分で購入することです。タイルデッキの施工費用は、材料費と工事費で構成されています。材料費のうち、タイルは最も高価な部材です。そのため、タイルを自分で用意することで、材料費を大きく抑えることができます。
先述したように、タイルはホームセンターやネット通販などで誰でも気軽に購入できます。ただし、業者によっては持ち込みを許可していない場合や、持ち込みだとアフターサービスの対象外になってしまう場合があります。そのため、事前に持ち込みは可能か、持ち込み可能な場合に材料や部材の条件はあるか、アフターサービスの対象外になるかどうかをよく確認しましょう。
また、自分でタイルを用意する場合は、あらかじめ業者に確認して適切な種類やサイズのタイルを用意しましょう。タイルの種類やサイズによって施工方法や必要な下地材が異なるためです。
たとえば、タイルの種類には床用タイル、外装用タイル、モザイクタイルなどがあります。それぞれ特徴や用途が異なるため、設置する場所や環境に合ったタイルを選ばなければなりません。持ち込む際には業者とよく相談し、適切なタイルを選ぶことが重要です。
4−2.リーズナブルなタイルを選ぶ
タイルの品質はデッキの完成に直結します。当然のことながら、品質の良いタイルは価格も高いです。とはいうものの、必ずしも安いタイルの品質が悪いわけではありません。低価格のタイルの中には、色や柄がシンプルであるなど、製造工程を簡略化することで低価格を実現しているものもあるからです。
先述したように、タイルデッキの施工費用の主な要素は材料費と工事費です。そのため、タイルの費用を抑えることは施工費の節約につながります。自分で用意して持ち込む場合はもちろんのこと、業者に依頼する場合にも、タイルの品質だけでなく価格にも注目しましょう。施工を業者に依頼する場合には、業者が用意したタイルの中からどのタイルにするかを選べます。業者によってさまざまなサイズや色、柄のタイルを用意しているので、予算にあったものを選びましょう。
リーズナブルなタイルの選択による材料費のコスト削減効果は、タイルデッキの面積が大きければ大きいほど高くなります。選ぶタイルによっては、数万円の差が出るでしょう。タイル一枚の価格ではなく、トータルの価格で検討することが大切です。
4−3.高さをなくしてフラットにする
デッキの位置を高くして階段やローデッキ(段床)などを設置すれば、よりおしゃれなタイルデッキにできます。しかし、高さを出すためにはコンクリートやブロックなど、タイルを貼る前に高さを出すための土台を設置しなければなりません。その際には、余分な工程や材料が必要になります。特に、幅広のローデッキの設置はコストがかさみます。費用を抑えたいのであれば幅を狭くするか、あるいは階段にしましょう。よりコストを抑えたい場合は高さのないフラットなタイルデッキを検討しましょう。そうすれば、余分な材料費や工事費がそもそも発生しません。
フラットなタイルデッキにもさまざまなメリットがあります。たとえば、タイルデッキがリビングと同じ高さの場合、雨水などが室内に侵入してしまう恐れがあります。そうした事態を防ぐためには、グレーチングを設置しなければなりません。しかし、リビングより高さの低いタイルデッキにすれば、グレーチングは不要です。そのほか、フラットなタイルデッキには庭をより広く見せられる、というメリットもあります。
ただし、高さをフラットにするとリビングとデッキの間に段差ができてしまうため、安全面に注意が必要です。また、高さが低いと雨水や汚れが溜まりやすくなるため、定期的に清掃をする必要があるでしょう。コストと安全性、メンテナンス性を考慮することが大切です。
4−4.オプション工事を実施しない
高さの調節やグレーチングのほかにも、タイルデッキ設置の際には屋根や滑り止めなどのさまざまなオプションを追加できます。しかし、当然のことながら、これらの工事を実施すると余分な費用が発生します。もしもこれらのオプションが不要なのであれば、あえて設置する理由はありません。
たとえば、テラス屋根はそれ自体の価格が10万〜20万円、設置のための工事費に5万円程度かかります。つまり、タイルデッキにテラス屋根を設置すれば15万~25万円の費用が追加で発生するということです。
屋根や滑り止めが本当に必要なのか、それらを設置する代わりに別の方法で問題を解決できないか、よく検討しましょう。費用を安く抑えたいのであれば、必要最小限の設備に留めることが大切です。また、多くの場合、屋根は後付けできます。実際の日当たりや雨のあたり具合を見てから設置するかどうかを決めるのもひとつの方法です。コストと機能性や使い勝手、雰囲気のバランスをよく考慮しましょう。
4−5.外構の専門業者へ依頼する
外構の専門業者へ直接依頼するのも、コストを安く抑える方法のひとつです。なぜなら、ハウスメーカーや工務店は外構・エクステリア工事のプロではないからです。ハウスメーカーや工務店は自社で対応できない工事については、自社と契約している下請け専門業者に工事を依頼します。
その際に発生するのが、仲介手数料です。上乗せされる仲介手数料がいくらなのかは業者によるものの、一般的には20〜30%だといわれています。つまり、ハウスメーカーや工務店の提示した工事費用が30万円であれば、そのうち6万〜9万円は仲介手数料なのです。
しかし、専門業者に直接依頼すればそのような仲介手数料は発生しません。そのため、同じ工事でもかなり安い費用で依頼できます。費用を安く抑えるためには、仲介手数料のような無駄な費用をできるだけかからないようにすることが大切です。また、外構の専門業者はタイルデッキの施工に関する豊富な経験とノウハウを持っています。そのため、要望や予算に合わせて最適な施工プランを提案してくれるでしょう。
5.まとめ
タイルには素材や色、柄などさまざまな種類があります。そのため、デッキのデザインにこだわる人にはタイルデッキがおすすめです。
タイルデッキには耐久性が高くメンテナンスの手間がかからないというメリットもあります。タイルデッキの設置を検討している人は、ぜひこの記事を参考に自宅の庭にタイルデッキを設置して、自分好みのおしゃれな空間を作ってもらえると幸です。
また、工事を依頼する際は外構工事の専門業者へ依頼することをオススメします。依頼される際に中間マージンがかかることはなく、高いスキルとノウハウを持つプロの職人が適正価格で高品質な工事を提供してくれるため、自分が思うような空間を提供してくれるはずです。
お問い合わせや相談、見積もりは無料となっています。気軽に連絡してみましょう。昨今では、Googleの口コミといった実際のお客様の声も見ることができるので是非参考にしてください。
筆者:外構工事職人歴20年 石川公宣