庭付きの家に住んでいると、どうしても庭の雑草が気になるのではないでしょうか。
雑草が生えているだけで、ガーデニングも庭全体の見栄えも損なわれてしまいます。
しかし、どうにか処理しようと思っても草むしりはかなりの重労働です。それに、きちんと根元から抜かないとすぐに生えてきてしまいます。
効果的な雑草対策がないか頭を悩ませている人もたくさんいることでしょう。
そこで、この記事では、外構工事の効果的な雑草対策をご紹介します。正しく効果のある雑草対策を行えば庭の見栄えも格段に良くなります。
目次
1.塩が雑草対策に効果があるって本当?
簡単にできる雑草対策として、塩を撒くことが効果的だといわれています。
結論からいうと、たしかに塩には雑草を枯らす効果があります。しかし、庭の雑草対策としてはおすすめすることはできません。
おすすめできない理由はいくつかあるので、順番に説明していきます。
まず、塩が植物を枯らす力はかなり強いものです。雑草は確実に処分することができますが、その後、ほかの花や植木も育たなくなってしまいます。
なぜなら、塩は土壌で分解されないため半永久的にその場に残量してしまうからです。塩害という言葉があるように、土壌の塩分による植物被害は深刻なものです。
また、土壌に残った塩分が雨水で周囲に流れ出すこともあります。そうなると、雑草対策をしたかった場所だけでなく、周辺の畑や水田、地下水などに被害が及ぶ可能性もあります。
そして、雨水で流れた先で鉄筋コンクリートにダメージを与える可能性もあります。塩は鉄を錆びさせる効果があるため、鉄筋が腐食してコンクリートが剥がれるなどして、建物の基礎が弱くなってしまうことも考えらるほか、地中の配管にも影響を及ぼす可能性もあります。
2.防草対策の種類
ひとえに、防草対策と言っても、さまざまな工事方法があります。
どの工事方法で施工してもメリットばかりとは限りません。
工事を始める前に、あなた自身が、防草対策の知識を学ぶことにより、より効果的な防草対策が可能になります。
そこでこの項では、防草対策の工事の種類と、その工事のデメリットを解説していきます。
2-1.砂利を敷く
雑草対策としてだけでなく、防犯対策としても効果を期待できるのが砂利を敷くという方法があります。
なぜなら、砂利を厚めに敷くことで、地面に届く日光を遮断することができます。
雑草が育つのには水と日光が必要不可欠ですが、その日光を遮断することで雑草が生えてくることを防ぎます。そして、敷き詰められた砂利は、その上を歩くと音が鳴るため防犯対策としても効果的です。
しかし、デメリットもあります。
それは、日光を遮るほど厚めに砂利を敷くためにはそれなりの量が必要となるため、手間とコストが掛かるという点が挙げられます。
また、時間が経過すると何度も踏まれた砂利は次第に地面に埋もれてしまいます。そうなると、土面が顔を出してくることになり、雑草も生えてきてしまうでしょう。
そのため、砂利が少なくなったら足していくことが必要になります。
そうならないためにも、砂利を敷く場所に、あらかじめ防草シートを敷くことを、お勧めします。
2-2.レンガやタイルを敷く
日光を遮る方法としては、砂利のほかにもレンガやタイルを敷くという方法があります。
雑草が生えなくなることはもちろん、何よりも見た目が美しいというのが最大のメリットです。
きちんと手を掛けているという雰囲気の庭に仕上がるため、レンガやタイル敷きが雑草対策だとは思われないことでしょう。
デメリットとしては、レンガとレンガの目地から雑草が生えてくる場合があります。
雑草が生えてきたときは、草むしりしたあとに目地を埋めてしまえば問題ありません。
レンガ敷きにしてすぐに雑草が生えてくるわけではないので、その都度の対応で十分でしょう。
また、レンガやタイルを敷き詰めることができるのは平らな場所に限られます。ほかの対策法と組み合わせるなどして工夫してみましょう。
2-3.防草シートを使う
防草シートは日光を遮断し水を通す機能を持っているため、高い防草効果を期待できるのがメリットです。
しかし、一面に敷くとあまり見た目は良くありません。しかも、紫外線などによって徐々にシートが劣化して破れてしまうため、メンテナンスが必要となるなどのデメリットがあります。
防草シートをできるだけ長持ちさせたいのであれば、シートを敷く前にきちんとした雑草の処理が大切です。
まず、防草シートを敷きたい部分の雑草は根からしっかり抜いてしまいましょう。根が残っていると、シートのわずかな隙間から芽を出すかもしれません。
雑草の再生を防ぐためにも防草シートをできるだけ長持ちさせるためにも、シートと地面の隙間を作らないことも大切です。
ピンやテープでしっかり固定するのも1つの手です。
より効果を発揮するには防草シートの上に砂利を敷くことで、二重の防草対策と行えます。
2-4.固まる土を使う(真砂土)
水を掛けるだけでカチカチに固まる土があるため雑草対策にも有効です。
固まる土は土とセメントを混ぜたもので、土の質感を出しながら雑草が生えてくるのを抑えられます。
土の質感が残っているので庭になじみやすく、見た目もきれいに仕上がります。
また、表面が平らになるため、落ち葉の掃除がしやすいというのもメリットのひとつです。
デメリットとしては、あまり強度が強くないことが挙げられます。施工後、年数が経つと部分的な凹みやひび割れが発生する可能性があります。
また、固まる土は水を通すようにできていますが、大雨だと水はけが追いつかないため水たまりができるリスクがあります。
水たまりができてしまうような湿った場所や日陰だと苔が生えてくる場合もあるかもしれません。
そういったデメリットから、毎日歩く通路に使用するのはおすすめできません。
2-5.ウッドチップを敷く
庭を美しく見せる雑草対策としては、ウッドチップが挙げられます。
砂利やレンガ、タイルを敷くのと同様に、日光を遮断できるため雑草が生えてくるのを抑えられます。
そのうえウッドチップは自然素材なので庭になじみやすく、おしゃれな印象に仕上がるため人気の雑草対策です。自然と土に還るエコ素材ということもメリットのひとつだと言えるでしょう。
ただし、自然素材だからこそのデメリットもあります。
日当たりの悪いジメジメした場所にウッドチップを敷くと、虫が発生する可能性が高くなります。また、雨の影響で劣化しやすい素材でもあります。
木材からできているウッドチップは雨がしみ込みやすいので、虫対策も考えて日当たりの良いすぐに乾くような場所に敷くのが良いでしょう。
2-6.人工芝を敷く
手間のかからない雑草対策としては、日光を遮るため防草効果がある人工芝がおすすめです。芝生の庭に憧れる人は多いことでしょう。
しかし、天然芝の場合は水やりや芝刈り、草むしりといった手間が掛かってしまいます。
人工芝はそういった手入れが一切不要な点が大きな魅力です。
天然芝に近い見た目の人工芝も多く、天然芝より人工芝を選択する人も少なくありません。
デメリットとしては、庭一面に人工芝を敷き詰めようと思うとそれなりのコストが掛かることが挙げられます。
また、砂利やウッドチップを敷く場合は減った分を補充するだけで済みますが、人工芝の場合は全体的に交換する必要性があります。交換時期の目安は10年ほどです。
2-7.除草剤を散布する
雑草対策としてポピュラーなのが除草剤を散布する方法です。
ホームセンターなどで除草剤を購入すれば手軽に雑草対策を行えます。事前準備の必要はなく、これまでに紹介したどの方法よりも手軽にできる雑草対策ですが、もちろんデメリットもあります。
除草剤は薬品なので、ペットや子どものいる家庭では使用を控えたほうが良いでしょう。
気を付けて見ていても思わぬところで除草剤に触れたり口にしたりするかもしれません。
安全性を考慮した除草剤もあるので目的に合わせて選ぶことが大切です。
生えている雑草を処理したいのか雑草が生えてこないようにしたいのかによって、選ぶ除草剤も変わってきます。
効果や状況に応じて使い分けるようにしましょう。
3.キレイで効果的な雑草対策!5つのポイント
いくつかの雑草対策をご紹介しましたが、より効果的な雑草対策のために押さえておきたいポイントを説明します。
庭の見栄えを良くするためにも、正しい雑草対策を行うためのポイントを理解しておきましょう。
3-1.長期的な視点で庭の使い方を考える
まず、どういった庭造りをしたいのかを長期的な視点で考えるようにしましょう。
たとえば、固まる土を使用して固めた部分を後から花壇にしたいと思っても、掘り返したり土を入れたりと大変な手間が掛かってしまいます。
庭の使い方はその時々によって違ってきます。
ペットや子どもが庭で遊ぶ場合や、ガーデニングを楽しみたい場合では、根本的な庭造りも変わってきます。
そのため、後々変更するかもしれない可能性を考慮しながら、庭の使い方を長期的な視点で捉えて考えるようにしましょう。
その長期的な視点を基にして雑草対策を行うことが重要です。あとから花壇に作り替える予定がある場合は、除草剤や防草シートで雑草対策を行うだけにするなど、先を見据えた雑草対策を選択しましょう。
3-2.1つの方法だけでなく組み合わせて考える
雑草対策にはいくつかの方法がありましたが、庭のすべてを1つの方法で雑草対策すると単調な素っ気ない印象になってしまいます。
見栄えをよくするためには、「花壇を作りたい」「イスを置きたい」といった希望をピックアップして、複数の方法と素材を組み合わせることがおすすめです。
通路の部分はレンガ敷きにしてその両脇は人工芝、花壇の土の上にはウッドチップを敷くといったように、見た目のバランスや用途に合わせて組み合わせを考えてみましょう。
また、雑草対策自体も組み合わせると、より効果を発揮します。
人工芝や砂利、ウッドチップを敷く下に防草シートを敷いておくと、しっかり日光を遮断できるので、より確実に雑草が生えてくるのを抑えられます。
それぞれの雑草対策の前に、除草剤でしっかりとした雑草の処理も有効です。
3-3.耐久性の高い素材を選ぶ
雑草対策を行う際は、その範囲の広さからどうしても費用がかさんでしまいます。
できるだけコストを抑えたいと思うところですが、価格優先で素材を選ぶのはおすすめできません。
価格優先で耐久性が低い素材を選んでしまうと、長い目で見たときに却って割高になってしまう可能性があるからです。雑草対策はその場限りのものではありません。
そこで、長く防草効果を発揮してもらうためには素材自体の耐久性が重要です。耐久性が低いことで早い時期に交換しないといけなくなってしまっては、最初に費用を抑えた意味がありません。
最初は費用がかさんでしまうように思えても、耐久性の高い素材を選ぶと最終的には費用を抑えられます。
3-4.排水性を考える
ご紹介した雑草対策は、どれも水を通すため多少の雨なら問題ありません。
しかし、大雨が続いたり集中豪雨に見舞われたりすると限界があります。雨水がたまることでせっかく行った雑草対策が傷みやすくなる場合もあるでしょう。
そのため、庭造りの段階で排水性を考慮しておくことが重要です。具体的には、自然と雨水が流れるように勾配をつけたり、雨水がしっかり流れるように排水路を設けたりするといった対策を行いましょう。
庭の水はけが悪いと、玄関が泥だらけになったり苔が生えたりしてしまいます。
そうなると、庭の見栄えが良くないだけではなく、滑りやすくなるなど生活面にも影響が出てしまいます。
雑草対策を行ったせいで水はけの悪い庭にならないように、事前に排水性について考えておきましょう。
3-5.掃除のしやすさを考える
庭には花や植木など自然が溢れています。そして、自然は季節によって移ろいます。
花や葉が落ちたり、伸びすぎた木の枝を切ったりする場合もあるでしょう。
常に一定ではない庭の状況を考えると、雑草対策を行う際には掃除のしやすさについて考慮しておく必要があります。
たとえば、砂利やウッドチップを敷き詰めると落ち葉の掃除がとても大変です。落葉樹が植えてある付近には別の雑草対策を行ったほうが良いでしょう。
桜などの花びらが散る植物も掃除が大変です。桜の花びらは落ち葉よりも広範囲に散らばるため、人が歩く通路となる部分はレンガ敷きにするなど工夫しましょう。
植えたい植物や用途に合わせた雑草対策が大切です。
4.雑草対策にはどれぐらいの費用がかかるの?
それぞれの雑草対策にはどれくらいの費用が掛かるのでしょうか。
いくつかの雑草対策方法について、平方メートルあたりのおおよその金額を算出してみましょう。
まず、どの雑草対策も素材の費用が掛かります。レンガやタイル、防草シートの場合は重ねないので、面積分を埋められるだけの幅と長さで考えます。
1平方メートルに敷くのであれば、幅が1メートルで長さが50センチの防草シートなら2枚必要です。防草シートは1枚当たり約300円~500円です。1平方メートルで1,000円程度を目安にしましょう。
厚みのある物や耐久性に優れたシートでは、1枚2,000円するものもあります。
レンガやタイルは敷き詰める枚数によって価格は変動します。きっちり敷き詰めて50枚必要な場合、レンガで約1万円、タイルで約5,000円が相場になります。
配送時に割れたり欠けたりすることもあるので、必要枚数よりも多めに手配しておくようにしましょう。
砂利やウッドチップを敷き詰める場合は、幅と長さに加えて厚みを考える必要があります。どれくらいの厚みで敷き詰めるのかによって必要量も変わってきます。砂利は1平方メートルで約1,500円、ウッドチップは約3,000円が相場価格です。
素材はどれもピンからキリまであります。庭に合わせた色味の素材を選ぶと高額になることもあるでしょう。予算を考えたうえで、どの素材にするか検討しましょう。
また、工事をプロに依頼する場合には、素材の費用だけではなく工事費用も掛かります。大掛かりな整地が必要になることもあるので、全体では50万円ほどの予算を考えておくと良いでしょう。
まとめ
防草対策と言っても、いろいろな施工方法があるのを、理解していただけたと思います。
その費用も、数万円から数十万円と、さまざまです。
しかし、いくら費用をかけても、その目的に合った、理想の庭作りを含めた防草対策が出来なければ意味がありません。
そこで、ある程度の規模の工事の場合は、やはりプロに相談するのも1つの手段です。
ただ、どのような工事でも必ずデメリットが存在します。
そのデメットをわかりやすく、説明してくれる業者に工事を依頼するのをおすすめします。
なぜなら、デメリットを公表するということは、確かな知識があり、お客様の立場になって工事を考えていることの表れだからです。
調子の良い業者は、よいことしか言いません。お客様の立場で考えておらず、仕事を取ることを最優先で考えています。そのような業者には、責任感はありません。
このような業者は、トラブルになる可能性があるため、注意が必要です。
このページで学んだことを参考にして、より良い理想の庭作りを進めていただければ幸いです。