外構工事の一般的な費用目安はどのぐらい?10工事項目別に詳しく解説

家を新築またはリフォームするとき、住宅の内装や外装に力を注ぎがちですが、同じぐらい外構工事も重要です。

しかし、外構工事にどのぐらいの費用がかかるのか、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、外構工事の概要をはじめ、外構工事の一般的な費用目安、さらに10工事項目別に費用の目安などを解説していきます。

目次

1.そもそも外構工事とは?

一口に外構工事といっても、定義は広く種類はさまざまです。ただし、一般的には「フェンス・塀」「門扉」「玄関アプローチ」「ガレージ・カーポート」「テラス・ウッドデッキ」などの外構の工事のことを意味します。とはいえ、これらを全て設置することはありません。

というのも、土地の大きさはもちろんのこと、自家用車を所有しているかどうかによっても、設置する外構は変わってくるからです。たとえば、人によっては「自家用車を持っていないので、ガレージ・カーポートは不要。その分、テラス・ウッドデッキは大きくしたい」ということもあります。

また、外構についても、「オープン外構」「クローズド外構」「セミクローズド外構」の3タイプに分類されます。オープン外構とは開放的なのが特徴で、門や塀で家を囲いません。開放的な家にしたい場合は、門や塀を取り付けるための工事を行う必要はないのです。

一方、クローズド外構はプライバシー重視のため、門や塀でしっかりと家を囲います。なかには、「全て門や塀で囲む必要はないけど、お風呂場の前だけは塀で囲みたい」という人もいるでしょう。このような人の場合はセミクローズド外構がおすすめです。この外構は両者の中間に位置し、プライバシーを重視したい場所にのみ、塀やフェンスを設置します。費用相場は外構の種類によって違い、安い順にオープン外構、セミクローズド外構、クローズド外構となっています。

2.外構工事の一般的な費用目安はどのぐらい?

外構工事の費用は、住宅本体費用の約10%が目安です。一方、リフォームの費用は100万円程度が相場です。とはいえ、外構工事の費用は、家や工事の規模、装飾の種類、個人のこだわりなどによって左右されます。

たとえば、同じぐらいの家の規模であったとしても、個人のこだわりが強ければ、大きく変わる可能性があります。

そのため、一概に「費用はいくら」ということはできません。前出の費用の目安はあくまでも参考にとどめ、外構に欲しい機能や希望通りのデザインにした場合にどのぐらいかかるのかを見積もり、計画を立てるようにしましょう。

3.外構工事の費用目安を10工事項目に分けてチェック

外構工事を計画するためには、より正確に費用目安を把握しておくことが大切です。そのためには、工事項目別の費用目安を理解しておきましょう。

ただし、外構工事の箇所は非常に多岐にわたります。そこで、次から代表的な10箇所を取り上げて、かかる費用を解説していきましょう。

3-1.フェンス・塀

「外から家のなかを見られたくない」「隣家との境界線を明確にしたい」といった場合、フェンスや塀の外構工事が必要となります。

しかし、フェンスと塀では、かかる外構工事の費用が異なります。まず、フェンスで家を囲う場合の費用相場は40万円~60万円程度です。

費用に幅があるのは、アルミ、樹脂、木材といった材質によって費用が変わるからです。次に、塀で家を囲う場合の費用相場は50万円~100万円程度になります。

家の規模によって、材料費や工賃が変わってくるため、費用には幅があります。塀はフェンスよりも高額ですが、よりいっそうプライバシー保護や防犯性を高めることが可能です。

3-2.門扉

鋳物門扉門扉は、家の印象を左右する顔となります。個人のこだわりが一番出やすい場所です。門扉を工事する際は、まず、デザインにこだわります。

また、出入りする際によく使用する場所のため、使い勝手の良さも重要になります。さらに、外からの侵入を防ぐため、防犯性が高いことも大切です。一口に門扉といっても、片開き、両開き、内開き、外開きなどに分類されます。また、鍵のタイプもさまざまです。

そのため、機能や素材によっても費用は大きく変わりますが、相場は15万円~30万円程度と考えておくとよいでしょう。ただし、門扉だけを工事するケースはあまりありません。一緒に、門塀・ポスト・表札などを工事するケースがほとんどです。

3-3.玄関アプローチ

樹脂舗装 (2)門の周りから玄関にかけての通路のことを、玄関アプローチといいます。外出の際、毎日通る場所なので、デザイン面だけでなく安全面も重視しなくてはなりません。

玄関アプローチの工事には、「砂利を敷く」「コンクリートで舗装する」「石材を使って石畳風にする」といった方法があります。加えて、アプローチに沿うように植物を植えるケースもあります。

玄関アプローチにかかる費用は1平米あたりの値段で計算することがほとんどです。平均では20万円~30万円程度かかると考えておくとよいでしょう。

3-4.ガレージ・カーポート

④土留めブロック自家用車を所有している人の場合、家にガレージ・カーポートが必要になります。かかる費用は、どのようなガレージ・カーポートにするかによって変わってきます。

一番安く済むのが、シンプルに駐車場をコンクリート塗装する方法です。この方法であれば、20万円程度の費用で済みます。カーポートを設置する場合は20万円~30万円程度、ガレージを設置する場合は100万円程度かかります。

ただし、これらの費用の見積もりは、あくまでも車1台分のスペースの場合です。車の台数が増えれば増えるほど、それに比例して費用は上がります。また、積雪や豪雨が多い地域の場合、耐久性の高いガレージ・カーポートにする必要があります。さらに、費用が上がるでしょう。

3-5.庭

和を取り入れる庭にかかる工事費用は、広さやこだわり度によって左右されます。「庭に芝生を敷く」といったシンプルな工事の場合、10万円程度で可能です。

ただし、庭にデッキをはじめ、庭石やシンボルツリーなど新しく設備を置く場合は、50万円~100万円かかると見ておきましょう。

一方、庭全体をリフォームして造り変える場合、費用は100万円以上かかることがほとんどです。庭の予算は住宅の建築費用の約1割といわれています。庭の工事またはリフォームはこだわり始めると切りがありません。この目安を覚えておいて、必要以上に費用がかからないように気をつけましょう。

3-6.サンルーム

サンルームの魅力は、室内に太陽の光をたっぷりと取り込めることです。サンルームがあると、家にいながらにして日光浴を楽しむことができます。

さらに、雨の日でも洗濯物を干すことができるため、便利です。こうした魅力から、サンルームを設置したいと考える人は多くいます。サンルームの設置費用を安く抑えるためには、ユニット型になっているタイプを選ぶようにしましょう。費用の相場は30万円〜40万円程度で、通常の部屋の増築ほど、費用はかかりません。

サンルームを設置する際に気をつけてほしいのが、「サンルーム=部屋」として扱われることです。部屋の増築は固定資産税の対象となってしまいます。さらに、建ぺい率を基にした保険に入っているときも要注意です。部屋が増えると、建ぺい率も増えます。保険の契約上決まっている建ぺい率を超えてしまった場合、何かあったとしても保険が出ないこともあるのです。サンルームを設置する際は、加入している保険の建ぺい率を確認して、工事するようにしましょう。

3-7.ベランダ・バルコニー

ベランダやバルコニーは「洗濯物を干す」「ガーデニングを楽しむ」といった際に必要です。日常生活において使用することが多い場所のため、安全性には十分に注意する必要があります。というのも、外にある設備のため、雨風にさらされることが多く、劣化しやすいからです。設置した後も、定期的にメンテナンスする必要があります。

ベランダやバルコニーを新規に設置する、または全交換する場合、かかる費用の相場は40万円程度です。部分的な工事であれば、「防水加工の補修をする」「タイルを敷き詰める」「屋根を取り付ける」など、各工事につき10万円~20万円程度かかります。

部分的な工事であっても、工事する箇所が多ければ、全交換したほうが安くなる場合があります。どちらがより安く費用を抑えることができるのか、検討してから工事を行うようにしましょう。

3-8.テラス・ウッドデッキ

テラス・ウッドデッキは、リビングと庭の中間的な空間です。かかる費用は、テラス・ウッドデッキの床にどのような材質を使うか、屋根をつけるかどうかによって変わってきます。

安く抑えたい場合は床材にタイルを使うことです。床材に使う際に高くついてしまうのが、木材です。ただし、見た目がよく、木のぬくもりを感じられることから人気があります。

屋根単体の費用相場は、一般的なものであれば10万円程度で済むでしょう。ただし、より質の高いものにこだわる場合、2~3倍の20万円~30万円程度かかってしまいます。床と屋根の全体を設置する場合の費用相場は40万円~50万円程度です。とはいえ、どのメーカーのものを使用するのか、広さはどのぐらいなのかによって、費用は大きく変わります。

3-9.植裁

「門の周りにシンボルツリーがほしい」という人も多いでしょう。シンボルツリーとして植栽を行うと、家の雰囲気が良くなります。

加えて、門周りの植栽はフェンスの代わりにもなります。外部の視線から守ってくれるため、プライバシーを確保する意味でも役に立つでしょう。庭に植栽するケースも多くあります。

何を植栽するかは人によってそれぞれです。「花壇でハーブを育てる」「ミカンの木を庭に植える」といった場合、見て楽しむだけでなく、食べて楽しむことができ、人気です。植栽にかかる費用の相場は施工面積をはじめ、樹木の数や木の種類によってさまざまです。だいたいの目安として、10万円~20万円程度かかると考えておくとよいでしょう。

3-10.照明

家を明るく照らし、夜間の安全や防犯にも役立てるためには、照明の外構工事が必要になります。一口に照明といっても、さまざまな種類があります。人気なのが、利便性が高いLEDです。センサーで自動的に点灯するため、照明にかかる電気代を安く抑えることができるでしょう。また、長期間、照明の取り換えをしなくても済むため、手間もかかりません。玄関や塀周りに取り付ける標準的な照明の場合、費用相場は20万円程度です。「標準タイプよりも多くの機能をつける」「照明の設置数を増やす」場合、費用は上がっていきます。

4.外構工事をDIYでするのは有り?

外構工事の費用を安く抑えたいと考える人のなかには「DIYをすれば、安くなるのでは?」と考える人もいます。

しかし、果たして素人がDIYで外構工事をするのは可能でしょうか。たとえば、「砂利を敷く」「防草シートを張る」「アプローチのレンガを塗装する」といったことであれば、素人でもある程度は対応することが可能です。

また、これらのDIYで使用する材料も、100円ショップやホームセンターなどで調達することができます。材料費も大きく節約することができるでしょう。ただし、DIY初心者の場合、かなり時間がかかってしまいます。

さらに、必ずしもうまくいくとは限りません。想像していたものとかけ離れたものができあがってしまったということにもなりかねません。そうなると、外構工事をやり直すことになります。結局はプロの外構工事業者に頼むことになり、費用はかさんでしまいます。さらに、最悪の場合、家や庭を傷つける可能性もあるかもしれません。

外構工事をDIYで行うとしても、「土間のコンクリート打ち」や「フェンスの設置」などは避けたほうがよいでしょう。というのも、DIYで行うには難易度が非常に高く、失敗する可能性があるからです。これらの外構工事は、プロの外構工事業者に依頼することをおすすめします。

また、個人のこだわりが強く、家本体の雰囲気とぴったりと合ったオシャレな外構デザインを希望する場合、DIYでやるよりもプロの外構工事業者に任せる方がよいでしょう。とはいえ、費用はなるべく安く抑えたいものです。そのためにも、しっかりと外構工事業者に相談をし、見積もりを出してもらいます。そして、節約できるところは節約して、こだわりたいところには予算をかけて、納得のいく外構工事を行うようにしましょう。

まとめ

外構工事の費用相場を事前にある程度把握しておくことで、適切な価格で外構工事を依頼することが可能です。

部分的にDIYを行い、費用を抑えることもできますが、DIYに慣れていなければ大きな失敗をしてしまう可能性もあります。

無理をせず、適正価格で高品質な工事ができる専門業者への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。外構工事のノウハウや実績も豊富のため、納得のいくまで相談することができるでしょう。

ただし、専門業者の中にも手抜き工事を行う悪徳業者も紛れ込んでいます。被害にあわない為にも慎重に業者選びを行う必要があります。

昨今ではGoogleの口コミといったお客様の声をダイレクトに掲載されているツールがあるので是非参考にしてみてください。

筆者:外構工事職人歴20年 石川公宣

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