せっかくマイホームに庭があるのに、あまり活用できていなかったり使い勝手が悪かったりという悩みはないでしょうか。
そのようなときは、庭のリフォームをすると解決できる場合があります。といっても、実際に踏み切るには費用や具体的な内容を知ることが必要です。
この記事では、庭のリフォームでまず考えておきたいことを紹介し、主なリフォームの方法や費用相場、気をつけておきたいポイントなどを解説していきます。
目次
1.庭リフォームをする前に考えたいことは?
庭リフォームを検討するときに大切なことは、どこをリフォームするかということではありません。「どのように庭で過ごしたいか」をイメージすることです。
例えば、ガーデニングなど趣味を楽しむのもいいでしょう。庭にテーブルを置いてくつろいだり眺めたりするのも素敵な過ごし方です。子どもを遊ばせるという使い方もあります。このように、どう使いたいかを考えてテーマを決めると、庭に必要なものが自然に見えてきます。
庭のリフォームといってもさまざまで、こだわればこだわるほど費用は高くなるものです。始めてから失敗したと後悔しないためには、事前に予算を考えておきましょう。そして、何をしたいのか優先順位をつけておくことも忘れてはいけません。そうすれば、予算オーバーになったとしても、何を削ればいいかすぐに回答を出せます。
庭をリフォームした後は、メンテナンスが必要です。例えば、天然芝を貼ったときは定期的に芝刈りや水やりをしなければなりません。しかし、人工芝や砂利ならば少ない手間で済みます。庭リフォームに踏み切る前に、自分がメンテナンスにどれぐらい時間を費やせるかイメージしておくことも大切です。
2.庭リフォームの主な種類6選と費用相場
庭リフォームといっても、その種類は多岐にわたります。そこで、ここでは庭リフォームの主な種類6選を紹介し、それぞれの費用相場についても解説していきます。
2-1.庭の整地
庭の整地とは、整備がされていない状態の庭の地面をきれいに整えるリフォームのことです。何も手をつけていない状態の庭は、雑草の他に小石や木の根などさまざまなものが雑然としています。このような状態では、使い勝手がよく見栄えがする庭は作れません。まず雑草や小石など不要なものを取り除き、その後土を平らな状態にならして庭の土台を作っていきます。
それから、芝生の貼り付けを行ったりコンクリートを使って外構工事をしたり、カーポートを設置したりと好みに応じたリフォームを行います。庭をどのように作っていくかは、住む人の自由です。もちろん、整地の施工内容やかかる費用は目的によって変化します。庭の整地にかかる費用相場は、1平方メートルあたり2000円からを目安にしておくといいでしょう。
庭リフォームをどのようにする場合でも、まず整地は必要です。特に広い庭となると、自分ではなかなかできるものではありません。庭リフォームを考えるときは、まず整地を考えておく必要があります。
2-2.砂利敷き詰め

砂利敷き詰めとは、整地された庭の全体に砂利を敷き詰めていくリフォームのことです。一口で砂利といっても、実際にはいくつかの種類があります。そして、どの種類を選ぶかで庭の表情も変わります。例えば、玉砂利であれば和風庭になりますし、化粧砂利を使えば洋風の雰囲気のある庭にすることが可能です。
砂利は、見た目を楽しむだけではありません。歩くと音がするため、砂利敷き詰めは防犯対策にも効果を発揮してくれます。見た目も考えながら防犯対策をしたい人に向いているのが、砂利敷き詰めです。他には、雑草対策にもなります。まず防草シートを敷き、その上から砂利を敷き詰めていくだけという簡単な方法です。ただ砂利を敷くだけでは雑草は生えてきますが、一手間加えるだけで簡単に雑草対策ができます。砂利敷き詰めにかかる費用相場は、1平方メートルあたり3000円からになります。
2-3.芝生貼り
芝生貼りとは、整地を行った庭全体に芝生を貼り付けるリフォームのことをいいます。全面を芝生で覆うと、見た目がすっきりしますし、洗練された雰囲気になる点がメリットです。芝生貼りの場合は、天然芝と人工芝の2種類があります。天然芝は価格が比較的安く、肌触りがよいので寝転ぶのにも適しています。天然の場合は芝の根がしっかり地面に根付くため、雨が降ったときに土が流れにくいというメリットもあります。デメリットになるのは、芝刈りや虫の駆除といった手間がかかることでしょう。
対して、人工芝のほうはメンテナンスの手間がかかりません。天然のように伸びることもないため、刈り込むこともなく青い芝生を常に楽しめます。施工後の手間がかからない分、天然芝よりも施工費用が高くなります。芝生貼りにかかる費用相場は、天然芝なら1平方メートルあたり5000円から、人工芝の場合は1平方メートルあたり6500円から可能です。
2-4.ウッドデッキ
ウッドデッキは、木製のテラスを庭に設置するリフォームをいいます。ウッドデッキは子どもやペットの遊び場にもなりますし、趣味の場所として使うこともでき、活用法はさまざまです。ウッドデッキがあると、外観としてもオシャレな雰囲気になります。
ウッドデッキの素材は2種類あり、天然木と人工木のいずれかを選んで行います。それぞれに特徴が異なるため、違いを理解しておくといいでしょう。天然木は、長年使っていくことで色や風合いが変化し、独特の魅力が出てきます。ただし、色褪せたり汚れたりしたときのメンテンナンスが必要ですし、シロアリ対策は必須です。人工木のほうは、劣化や白アリなどの害虫に耐性があるため手入れが楽です。たとえ汚れても掃除がしやすいというメリットがある反面、紫外線には弱いというデメリットも持っています。
ウッドデッキにかかる費用は、天然木なら40万円からが相場です。人工木なら30万円からといったところでしょう。実際には、デッキのサイズやオプション、施工条件などで費用は変わってきます。
2-5.サンルーム
サンルームは、全面がガラス張りでできている部屋で、日光を取り込むことができます。そのサンルームを設置するのも庭リフォームの一つです。サンルームは、別名ガーデンルームとも呼ばれています。サンルームの主な使い方は、子どもの遊び場や物干し、趣味の部屋といったところでしょう。日当たりのよい場所にサンルームを設置すれば、洗濯物の乾きがよくなります。屋外に洗濯物を干すこともなく、雨の日でも安心です。
子どもやペットの遊び場として利用すれば、冬も日差しが入って暖かく使えます。鉢植えなどを置くスペースに使うのにも適しています。一般的にそれほど広くはありませんが、予備的な空間としてあれば便利に使えます。サンルームは、さまざまなメーカーからいろいろな製品が販売されており、安いタイプでも20万円は見ておくといいでしょう。サンルームにかかる費用は、内装の仕上げと広さ、換気扇などのオプションをつけるかどうかで大きく変わってきます。平均としては80万円~150万円程度が相場です。ただし、凝った作りになると200万円~300万円かかるケースも見られます。
2-6.目隠しフェンス
目隠しフェンスは、その名の通りプライベート空間を見せないように目隠しするためのフェンスです。外からの視線を遮るだけでなく、家の外にある見たくないものも遮断してくれます。例えば、道路に置かれたゴミ箱などがその一つです。目隠しフェンスの設置場所を工夫するだけで、手軽にプライバシーを守ることができます。
目隠しフェンスの種類はいろいろ出ており、木製やアルミ製などさまざまです。デザインも多種多用で、家のデザインや好みに合ったタイプを自由に選べます。例えば、板をびっしりと並べたものであれば、外部からの視線を完全にブロックできます。板の間隔を適度に空けたものなら、開放的な雰囲気になるでしょう。ブロックと組み合わせたものなどもあります。
予算や好みにもよりますが、目隠しフェンスのみの設置はあまり一般的ではありません。目隠しフェンスを設置するついでにシンボルツリーを植える人もいますし、シンボルツリーをライトアップするという凝ったリフォームをする人もいます。目隠しフェンスの費用相場は、20万円から可能です。デザインや高さ、設置する距離などさまざまな条件で金額には違いが出ます。
3.予算が50万円~100万円以上ならどんな庭リフォームが可能?
実際にいくらまで庭リフォームにかけるかは、個人差が出ます。庭リフォームのボリュームゾーンは50万円以上ですが、具体的にはどのようなことができるのでしょうか。その目安を知っておくと庭リフォームをイメージしやすくなります。そこで、ここでは庭リフォームの予算が「50万円~100万円」の場合と「100万円以上」ではそれぞれどういったことが可能になるのか解説していきます。
3-1.50万円~100万円の場合
50万円~100万円の予算があるなら、長年放置して荒れてしまった庭の整理ができます。例えば、枝が伸びでうっそうとした庭木の整理などが可能です。砂利を取り除いたり雑草を抜いたりと、小規模な庭全体の造作を行えます。実際の広さにもよりますが、庭のデザインにこだわることも無理な話ではありません。庭木をすっきりさせ、ウッドデッキやサンルームを設置するのも相談する余地はあります。
目隠しフェンスについても、設置できる可能性は出てきます。よほど大きな規模でなければ、十分なものを設置できるでしょう。特に、人通りの多い通りに面した家なら、目隠しフェンスがあるだけで快適性が上がります。屋内はもちろん、庭に出たときも外部の目線を気にせずに済むため、のんびりできます。この予算でも十分快適な庭にできますが、豪華さや機能性を求めすぎないことが重要です。グレードを上げていけば、すぐ予算オーバーになります。庭木の手入れが行き届かず雑然としているなど、庭の悩みやストレスを解消したいなら、50万円~100万円は適切な予算といえます。
3-2.100万円以上の場合
100万円を超える予算があれば、庭はもちろん、門扉やアプローチといったエクステリア部分にまで及ぶリフォームが可能です。建物のデザインと合わせたトータル的なリフォームができ、雰囲気のある家づくりを実現できるでしょう。コンクリート打設やウッドデッキ、さらに目隠しフェンスといった規模の大きな計画も検討できます。「本当はここまでやりたかった」「予算がないからランクを下げよう」という妥協をすることなく、希望に合ったリフォームが可能になります。
コンセプトを考え、テーマに沿った複雑な造園も無理な話ではありません。和のイメージを追求した日本庭園などもできます。庭の広さが十分なら、遊び心のある庭造りを実現してみましょう。例えば、子どもが遊べるオリジナルのツリーハウスを製作するのも一つのアイデアです。リゾート地にあるようなプライベートガーデンを作るのもいいでしょう。予算を100万円以上取れば、こうした庭リフォームも難しくはありません。
4.庭をリフォームする際に気をつけたいポイント
庭リフォームの際に大切なのは事前のプラン作りです。しかし、それだけではよい庭リフォームは実現できません。実際にリフォームを行ってくれる業者選びがもっとも重要です。口コミや実績などを参考にするには、インターネットで探すのが手軽でしょう。たしかにインターネットで検索するのも悪くはありません。しかし、地元の造園会社をあたって信頼できそうなところを探すほうがよい場合もあります。近くであれば、メンテナンスや困ったときも相談しやすくなります。
気になる会社を複数見つけたら、希望のプランでそれぞれ見積もりをとってみましょう。実際にコンタクトを取ってみるとその会社の雰囲気がわかり、相性を確認できます。庭リフォームを依頼するにも相性は大切です。中には、庭リフォームをDIYで実現したいという人もいるでしょう。人工芝や砂利を敷く程度の内容なら、個人でも比較的簡単にできます。時間があるなら、挑戦してみる価値は十分といえます。
ただし、素人ができることは限界があります。例えば、大型のカーポートやデザイン性の高いウッドデッキ、サンルームなどを設置するとなるとそうはいきません。基礎からきちんと設置しないと危険ですし、プロに任せたほうが安心です。知識や技術の問題だけではないため、注意する必要があります。電気工事を行うときは資格が必要です。自分でできそうだと思っても、素人がDIYで行ってはいけません。
5.まとめ
お庭を上手にリフォームをすることで、生活が快適になります。庭のことで悩んでいたら、この記事を参考にしてまず庭をイメージしてみることです。
庭のリフォームはやり直しが難しいため、プランを練ったうえで信頼できる業者に依頼することが大切になってきます。
昨今では、口コミやレビューを参考に業者選びをする方が増えています。実際に施工依頼をした方の生の声を見ることができるのでお勧めです。
筆者:外構工事職人歴20年・石川公宣