建物の外構(エクステリア)を注意深く見ていると、コンクリートやブロック、あるいは天然石を用いて作ったものがあり、どれも個性豊かで見栄えのある外観を演出してくれます。
駐車場のアプローチ(敷地の入り口から玄関までの路)一つにしても、資材の組み合わせ次第で無限のデザインを生み出すことが可能です。
最近では、洋風の住宅が主流になりつつあります。また、建物の洋風化にしたがい、外構も洋風化が進んでいます。建物にマッチした外構を設けることで、建物の印象はガラッと変わります。
また、周り近所とは一味違う外構工事(エクステリア工事)を行えば、個性を活かしつつこだわりのある外観を手に入れることができます。
例えば、駐車場一つにしてもデザインは十人十色です。コンクリート打ちっぱなしにしたり石を貼ったりしてもよいのですが、「インターロッキングブロック」も大変人気です。
インターロッキングブロックは、なによりオシャレです。そのインターロッキングブロックを用いた外構工事のメリットデメリットをまとめました。
インターロッキングのデメリット
インターロッキングブロックの「インターロッキング」とは、「かみ合わせる」という意味があります。また、インターロッキングブロックを略して、、「ILブロック」と表現されることもあります。ブロックを一つ一つ職人の手で並べなければいけないため、コンクリート舗装よりも割高です。
最大のデメリットは、「手入れが大変なこと」です。下地が砂なので、ブロックの間の目地から草が生えてきます。そのたびに除草をしなければいけません。
また、インターロッキングブロックを貼るには、「下地作り」が命といわれています。ブロックは完全に固定されていないため、この下地作りを怠るとすぐに動いてしまいます。
ただし、下地作りに関しては、適当な締固め(密実にする行為)を行えば心配はいりません。
なお、「動かないインターロッキングブロックを貼ることができれば、それだけでご飯を食べていける」と言われているほどインターロッキングブロックを貼る作業は難しいと言われています。
つまり、「腕の良い職人が工事を施工しない限り、一生涯美しい外観を演出するインターロッキングブロックを貼ることは望めない」ということです。
ただ、「全ての工事にデメリットが存在する」ので、マイナス面だけではありません。インターロッキングは一般住宅だけでなく、公園やプール、さまざまな公共施設で採用されるほどのメリットがたくさんあります。
インターロッキングのメリット
コンクリート舗装とインターロッキングブロックでは、見た目が違うのはもちろん、機能性も異なります。施工方法は、まず下地に砂を敷き、その上にブロックを互いにかみ合うような形状にして舗装していきます。
普通のレンガ舗装と違い、ブロック同士のかみ合いによって荷重を互いに伝えるため、支持力(支える力)が大きく、コンクリート舗装にはない柔軟性があるとされています。
そして、コンクリート舗装よりも薄く、一部が破損してもその部分だけ修正することが可能です。
インターロッキングブロックには、透水性のものやゴムでクッション性のあるもの、あるいは緑化対応のものなど種類が多く、シーンに応じて選べることもメリットの一つです。
最近では、色落ちのしないものが使用されるようになってきたので、一生涯見栄えのある外構になります。
インターロッキングブロックは張るだけで「オシャレな外構」になることは間違いありません。周りの建物の外構と大きな差をつけたいのであれば、インターロッキングはかなりお勧めです。
また、一部だけインターロッキングブロックにすることも可能です。色鮮やかなインターロッキングをアクセントに入れることで、手入れにかかる労力は大幅に削減され、ブロックやレンガといった外構の見栄えをさらに引き立たせるスパイスになります。
インターロッキングを上手に取り入れて、周りの住宅に差をつけましょう。
筆者:外構職人歴20年・石川公宣