自宅のお庭の手入れを少しでも楽にと思い、お庭をコンクリートへ変えようと考える方もいるでしょう。
しかし、コンクリートにする際、「どのくらいの費用がかかるのか」・「デメリットはあるのか」と心配な点もあります。
この記事では、お庭をコンクリートにする際のメリット・デメリットや必要となる費用、施工を依頼する際に気を付けるべきポイントを解説していきます。
目次
1.お庭をコンクリートにする際のメリット
自宅のお庭をコンクリートにすると、様々なメリットがあります。
ここでは、そのメリットを5つ紹介します。
1-1.雑草処理の必要がない
何も施工されていないお庭の場合、雑草が自然と生えてきます。
そのため、生えてきたらその都度手入れを行う必要があります。
ただし、定期的に雑草の処理を行うのは、手間がかかる挙句、非常に面倒です。
特に、夏場は雑草の成長スピードが早く、手入れを怠ると伸び放題になってしまうので、季節によってはこまめに手入れすることが必須です。
お庭の雑草対策としては、さまざまなやり方が挙げられます。
「雑草を取り除きたい」という希望のみの場合は、除草剤をまく方法があります。
しかし、除草剤を用いる際は、薬害などの問題やペットを飼ってる場合、愛犬が舐めてしまう心配があります。
お庭の雑草対策では、人工芝や砂利を用いることがあります。
ですが、土の上に人工芝や砂利を敷くだけでは、雑草が生えてきてしまい対策としては十分ではありません。
より効果的な雑草対策をするなら、お庭をコンクリートにする方法が最も適しています。
コンクリートにすることで、雑草が生えてくることなく、面倒な雑草処理からも解放されます。
1-2.掃除の手間が省ける
自宅のお庭に人工芝や砂利を敷いた場合、風によってホコリが舞い込んでしまう恐れがあります。
また、小さなお子様がいらっしゃる家庭の庭に砂利を敷いてしまうと、「お子様が転倒したら危険」・「掃除がやりにくい」などのデメリットが挙げられます。
よく使用されている人工芝や砂利ですが、これらは平面ではないため掃除が困難です。
ですが、お庭をコンクリートにすると、平面なので掃除がとても楽になります。
例えば、お庭のコンクリートに落ち葉やゴミがあるときは、ほうきで掃くだけで掃除が済みます。
汚れならブラシでこすったり、高圧洗浄機で、汚れを落とすことができます。
お庭をコンクリートにすることで確実に掃除は楽になります。
1-3.耐久性がある
ほかの材料や素材と比較した場合、コンクリートには耐久性があります。
コンクリートは頑丈で、経年劣化も少ない点がメリットになります。
お庭のコンクリートを長持ちさせるために、湿気をためこまないようにするメンテナンスは必要です。
また、コンクリートにする際は、ある程度の費用や施工期間がかかってしまいます。
ただし、コンクリートのお庭については、きわめて頑丈で長期間の使用ができるので、維持費用を含めて考えても低コストといえます。
1-4.モダンなイメージにできる
一般的にコンクリートは無機質で冷たいイメージが持たれやすいです。
しかし、施工を工夫することでコンクリートを取り入れたシンプルで尚且つモダンなお庭を造ることができます。
たとえば、庭一面をコンクリートのみで覆いつくしてしまうと、どうしても無機質な印象が前面に押し出せれてしまいます。
そこで、コンクリートをベースとして、お庭の一部に芝や玉砂利などの有機質な素材を用いることで、シンプルモダンなイメージの演出が可能です。
ほかにも、必要に応じてライトアップも行えば、より温かみのあるお庭が完成します。
1-5.駐車場にできる
自宅のお庭をコンクリートにすると、駐車スペースとして活用することができます。
ですが、お庭をコンクリートにしなくても、車を止めることはできます。
ただし、土や砂利を使用しているお庭に車を止めると「車内に土ほこりが入る」「雨の日はぬかむる」といった問題があります。
加えて、車が出入りすることによって砂利が散らばってしまうケースも多いので、その都度駐車部分のメンテナンスも必要になります。
一般的な家庭の駐車場でも、コンクリートは広く利用されています。
コンクリートを使ってデザイン性が高い庭に仕上げることも可能なので、庭をコンクリートで施工して駐車場として使うことがオススメです。
2.庭をコンクリートにするデメリット
自宅の庭をコンクリートにすることには、デメリットもあります。
そのため、施工を行う前には、デメリットについても正しく把握しておくことが大切です。
ここからは、庭をコンクリートにするデメリットを5つ紹介します。
2-1.夏は照り返しがきつく感じる
お庭をコンクリートにすると、暑さが厳しい夏は特に照り返しが強くなるというデメリットがあります。
あまりにも高温のときには、「触るとやけどするのではないか」と心配してしまうほど、コンクリート面が熱くなっていることがあります。
お庭のコンクリートが熱くなっているときには水をかけるなどすると、照り返しがやわらぐ場合もあります。
また、庭全面をコンクリートにしてしまうと、余計に蒸し暑いイメージになってしまうため、一部を芝にしたり、庭で家庭菜園を行ったりするなどして緑を取り入れると、涼し気な印象につながります。
2-2.ひび割れしやすい
コンクリートは耐久性に優れた素材です。
しかし、ひび割れを起こしやすい面も持ち合わせています。
コンクリートは熱や温度によって、膨張したり、収縮したりするという特徴があります。
そのため、面積が広ければ広いほど、ひび割れを起こしやすくなるのです。
ひび割れを回避するためには、コンクリートの間に目地を入れたり、水はけを良くするために傾斜を付けたりするなどの工夫をすると効果的です。
2-3.きちんと施工しないと水はけが悪くなる
コンクリートの場合、きちんとした施工を行わないと見た目が悪くなるだけでなく、水はけが悪くなるという問題につながる恐れもあります。
お庭にコンクリートを使用する場合、ある程度の傾斜をつけることで水はけを良くしなければなりません。
傾斜があると、雨水などの水が溜まるのを防ぐことができ、結果としてコンクリートを長持ちさせることができます。
また、傾斜をつけるのであれば、雨水が流れた先の水はけ用のスペースも作っておく必要があります。
正しい施工ができていれば、雨天時にも庭に水たまりができることはないので歩きやすくなり、車の駐車もしやすくなります。
2-4.あとから撤去するのが大変
一度コンクリートを敷いてしまうと、リフォームをするときの撤去作業が大変になります。
コンクリートを撤去する場合、高額な撤去費用がかかるのが一般的です。
たとえば、15平米の駐車場のコンクリートを撤去するときには、コンクリートを処分するだけで3万円程度の費用がかかります。
ほかに、コンクリートをはがす費用や人件費が必要となるため、15平米で8万円程度のコストがかかることになるのです。
15平米は車1台を駐車するスペースに相当するため、庭が広いとその分撤去時の費用も高額になります。
2-5.工夫しないと冷たく無機質なイメージになる
庭にコンクリートを取り入れる場合、工夫をしなければ無機質で冷たいイメージに仕上がってしまう可能性があります。
たとえば、コンクリートのひび割れを防ぐためにも、目地に芝や砂利を取り入れるなどしてデザインを工夫して、模様として楽しむのも効果的です。
ほかに、仕上げを工夫するという方法もあります。
「金ゴテ仕上げ」をすると、コンクリートでありながら、表面がツルツルとした仕上がりになります。
「刷毛引き」は、表面を刷毛で引くことによって、ほうきで掃いたときのようなザラザラした触感となるのです。
コンクリート特有の無機質で冷たいイメージを軽減するために、表面仕上げの種類についても押さえておくと良いです。
3.他の方法との比較
お庭の施工は、コンクリート以外の方法でも可能です。
自宅のお庭の仕上がりで後悔しないために、コンクリート以外の方法について理解します。
ここでは、コンクリート以外の方法を3種類紹介し、それぞれのメリット・デメリットについて見ていきます。
3-1.アスファルト
自宅のお庭をアスファルトで仕上げた場合、手入れがしやすく頑丈であるという点が大きな魅力となります。
アスファルトなら土ほこりが立つ心配もないため、お庭を駐車スペースとして使う場合に適しています。
ただし、一般的な住宅の庭をアスファルトにしてしまうと、無機質なイメージとなる恐れがあります。
また、アスファルト舗装の工事を業者に依頼すると中間マージンが必要となるので、必要以上のコストがかかることもあります。
3-2.砂利
砂利にはさまざまな色や種類があります。
そのため、砂利を取り入れると、自分の好みの庭が作りやすくなるというメリットがあります。
加えて、砂利は値段が安いので、施工費用も安く済む点も特徴のひとつです。
たとえば、庭に落ち葉があるときでも、従来のようにほうきで掃いただけでは落ち葉を取り除くことはできません。
そのため、手でひとつひとつの落ち葉を掃除していくのは、時間も手間もかかります。
また、砂利のうえに自動車が乗るとタイヤの跡がついたり、ハンドル操作によって砂利がけずれて土がむき出しになったりするなどの問題があります。
砂利が敷かれた庭をきれいに保つのは、こまめなメンテナンスが欠かせません。
3-3.レンガやタイル
レンガやタイルを使って庭を造ると、おしゃれな雰囲気になります。
コンクリート平板をタイルのように敷き詰めて使うと、コンクリートのような質感を演出することも可能です。
しかし、レンガ・タイルの場合は、コンクリートと比較すると強度が劣るという特徴があります。
強度のことを考慮すると、庭を駐車場として使うのであれば、レンガやタイルの使用は控えたほうが良い場合があります。
3-4.芝生
庭の施工方法として、芝生も幅広い層から人気を集めています。
芝生で庭を施工するメリットは、見た目が爽やかで夏は涼しいことです。青々とした芝生は目にも心地よく、見る人の心を癒す効果が期待できます。
自然を身近に感じられることも芝生の大きなメリットだといえるでしょう。
また、芝生はコンクリートに比べて日差しの照り返しが少ないため、暑い季節も庭を涼しく保てます。芝生のデメリットは、メンテナンスの手間がかかることです。
芝生は自然に成長するため、見た目をきれいに保つためには定期的に芝刈りを行わなくてはなりません。
特に夏場は草が伸びやすく、1~2週間おきに芝刈りを行う場合もあります。
次に、枯れることがあるのも芝生のデメリットの一つです。芝生には秋から冬にかけて枯れる種類がありますが、全体に茶色くなるので庭の見た目が悪くなります。
コンクリートと比較すると、自然な風合いを重視する場合は芝生が、メンテナンスの容易さを重視する場合はコンクリートが適しているでしょう。
芝生はホームセンターなどでも安く購入できるので、コンクリートに比べると施工費用は抑えられます。
芝生は適切にメンテナンスを行えば半永久的に楽しめますが、人工芝の耐用年数は2~10年程度といわれています。
4.お庭をコンクリートにして後悔するパターン
庭をコンクリートにしてから、「しなければよかった」と後悔する場合もあります。
元通りにするのは手間も費用もかかるため、前もって後悔しがちなケースを把握しておき、無駄なコストを抑えるとよいです。
まず、土がなくなったことで庭が殺風景な印象になり、コンクリートにしたことを後悔するパターンが挙げられます。
庭の自然らしい印象をキープしたい場合は、少しだけ土の部分を残し、花などを植えるとよいです。
スタイリッシュなコンクリートの中に自然な生き生きした雰囲気が加わり、おしゃれさがより引き立つはずです。
次に、雨が降った後でコンクリートが土で汚れ、不潔な感じになると後悔する場合もあります。
雨上がりの泥はねを防ぐためには、土とコンクリートの間に芝生などを挟む方法がおすすめです。
泥はねが防げるだけでなく、緑が加わってデザイン性も高まるでしょう。
続いて、安いところで施工したためにコンクリートの仕上がりが悪いと後悔するケースもあります。
コンクリートの仕上がりは業者の腕に大きく左右されるため、質の悪い業者に依頼すると凸凹が目立って気になることもあるでしょう。
納得いく施工をしてもらうためにも、良質な業者をしっかりと見極めることが大切です。
5.庭をコンクリートにする手順と工期
お庭をコンクリートにする際には、手順と工期を理解しておくことが大切です。
まず、地面に勾配を付けていきます。
勾配を付けることによって、雨水がたまることを防ぐことができます。
次に、20㎝ほど土を掘削して砕石を敷き詰めていきます。
こうすることによって、均一に仕上げることができるだけでなく、地盤沈下も防げるのです。
さらに、砕石を固めていきます。
砕石を固めるとコンクリートにひびが入るのを防ぎ、より頑丈な仕上がりになります。
続いて、型枠を設置して、形状をはっきりとさせます。
この作業が終わったら、ワイヤーメッシュを使用します。
この工程には、強度を上げるという意味があります。
ただし、ワイヤーメッシュの設置は重要な作業であるのにもかかわらず、手抜きをする業者もいるので注意が必要です。
そして、コンクリートを流し込んでいきます。
最後に、コテなどで表面の仕上げを行います。
コンクリートが乾くのにかかる時間は季節によって異なるので、完成までの日数は多少前後します。
しかし、工事にかかる日数はおよそ3日間が平均です。
6.DIYで庭をコンクリートにできる?
DIYで自宅の庭をコンクリートにすることは可能です。
しかし、施工には専門的な知識や技術が必要となるので、DIYは難しいです。
DIYをする場合、失敗するケースもあります。
まず、コンクリートが固まる時間に、成型する作業が追い付かないという問題です。
すると、強度は不十分で、見た目も悪い庭となってしまうのです。
DIYで失敗してしまうと、最終的には専門業者に頼んで解体工事からやり直すことになります。
7.庭をコンクリートにする費用はどれくらい?
業者に依頼して庭をコンクリートにする場合、厚さが60mmなら1平米あたり3,400円程度が相場になります。
厚さが120mmで鉄筋入りになると、1平米あたり5,700程度が相場です。
この費用に加えて、人件費や土地の整形費、車両費用なども必要となるので、19~40万円程度の費用がかかるのが一般的です。
ただし、土地が小さいときには割高になるケースもあるので、その点も加味しておく必要があります。
工事にかかる費用は庭の広さによって異なるので、業者から見積もりをとったうえで決定することをオススメとします。
8.コンクリートの庭をおしゃれにする方法
コンクリートの庭には無機質で冷たいイメージがありますが、工夫次第でおしゃれな雰囲気にすることもできます。
コンクリートの庭をおしゃれにしたい場合、まずは目地のデザインを工夫してみるとよいでしょう。
目地とは、寒暖差などによるコンクリートのひび割れを防ぐために設けられる隙間のことです。コンクリートの地面において目地は特に注目を集めるポイントなので、隙間に別のものを入れたり、曲線のデザインにしたりして庭をおしゃれにしてみてください。
玉砂利や芝、レンガなどで目地を埋めることで、コンクリートの無機質な雰囲気はやわらげることができます。タマリュウなどのおしゃれな植物で飾るのもおすすめの方法ですが、雑草が気になる場合はレンガなどで埋めるとよいでしょう。
その他、ワンポイントのタイルでアクセントを付けたり、コンクリート自体に色を付けたりするのもおしゃれな方法です。また、コストはかかるものの、全面にタイルや石を貼って上品に仕上げる方法もあります。
9.家の周りでコンクリートがよく使われる場所
家の周りでコンクリートが使われやすい場所としては、「庭」「駐車場」「裏口周辺」「玄関までのアプローチ」などが挙げられます。
9-1.庭
庭をコンクリートにすると雑草が生えなくなり、メンテナンスの手間を省くことができます。雨が降っている時も泥が跳ねなくなるため、エクステリアの清潔感を保つには最適です。シンプルなデザインのコンクリートで庭を舗装することで、すっきりとした印象を演出できることもメリットの一つです。
9-2.駐車場
駐車場もコンクリートで舗装されることが多い場所です。コンクリートの駐車場はメンテナンスが簡単で、他の舗装に比べると耐久性が高いためオススメです。
また、車体やタイヤも汚れにくくなり、掃除の手間を省くことができます。通常の無機質なコンクリートだけでなく、豊富なデザインが選べるため、非常に人気があります。
9-3.裏口周辺
裏口周辺をコンクリートにするメリットは、水はけがよくなることや、物置きを設置することができることです。
裏口周辺には「サービスヤード」と呼ばれる家事スペースを設置する場合がありますが、コンクリートにするだけでもさまざまな作業が行いやすくなります。
人目に付かないところで洗濯物を干したり、日曜大工をしたりと、限られたスペースを有効活用することができます。
9-4.玄関までのアプローチ
玄関までのアプローチは「家の顔」ともいえる場所です。コンクリートで舗装することで訪問した人によい印象を与えることができます。
部分的にタイルを設置したり、コンクリートの目地に砂利を充填するなど、ちょっとした工夫次第でよりおしゃれにデザインすることができます。
10.施工事例
工事前、工事後の写真を用いて施工事例をいくつかご紹介していきます。あなたの希望の工事の参考してみてください。
施工事例1.
元々、一台分の駐車場は設置されていましたが、お子様が車を購入するのと、旦那様の趣味での車の購入がかさなり、いっきに2台の車が増えることになりました。
そこで、お庭を切り開いて、駐車場を作りたいとのご相談でした。
施工前
施工後
施工事例2.
元々、1台分駐車場があり、その既存の駐車場の奥にもう1台分の駐車場を作りました。工事の理由は、奥様用にもう1台の増車の為とのことです。
こちらのお庭の土質は、水はけが悪く、雨が降るとぬかるむので、増設した分の駐車場の雨水を庭に流せません。
そこで、駐車場の真ん中に溝をつくり、雨水管に接続して雨水を処理しています。
工事前
工事後
施工事例3.
工事のご依頼主様のご実家です。ご実家のお母さまが年齢を重ねてきたということで、依頼主の娘さんご一家と同居することになりました。
娘さんご一家は、お母さまの通院を手助けするためにお車を所有することになり、ご実家のお庭を切り開き、駐車場を作りたいとのご相談でした。
11.しっかり施工しつつ費用を抑えるコツ
施工はしっかりと行いつつ、費用を押さえたいなら、いくつかのコツを押さえておくことが大切です。
11-1.自社で施工している業者に依頼する
まず、ハウスメーカーなどの大手企業に依頼して工事をする場合、工事にかかった金額の25~40%程度はマージンとして引かれています。
具体的に、100万円工事にかかったとすると、30万円程度はハウスメーカーにお金が回っているのです。
このような理由から、できる限りは自社施工で工事を請け負ってくれる業者へ依頼したほうが、費用を抑えることにつながります。
11-2.優良業者を見極める
次に、失敗を防ぐために、優良業者への依頼が望まれます。
依頼先が優良業者かどうかを見極めるときには、「相談に乗ってくれるか」や「施工の流れをしっかりと説明してくれるか」などの点に着目して選ぶことがポイントです。
また、デメリットについて説明ができる業者は、儲けだけでなく、工事の本質を正しく理解しているといえます。
さらに、品質の高い工事を行ってくれるのはもちろん、適正価格であるかどうかもチェックしておきましょう。
契約する前には口コミを調べ、価格や工事内容に問題がないか調べておくことが大切です。
11-3.相見積もりを取る
優良業者を見極めるための一つの方法として、相見積もりを取ることも大切です。
1社でしか見積もりを取らないと、比較対象がないので価格が適正なのかどうか見極めにくいでしょう。そのため、複数の業者で見積もりを取り、それぞれの結果を見比べる必要があるのです。
ただし、見積価格が最も安い業者を選べばよいというわけではありません。価格が安すぎる業者は、価格に見合った質の低い工事をする可能性があります。
見積もりを取ったときは、価格だけを確かめるのではなく、工事内容などもしっかりと比較してください。
そのうえで、工事にそれだけの費用がかかる理由を明確に説明してくれる優良業者を選ぶようにしましょう。
11-4.複数の舗装方法を併用する
なるべく工事費用を抑えたいのであれば、複数の舗装方法を併用するという方法もあります。
庭の全面をコンクリートで舗装するのではなく、一部をコンクリート、他を砂利にするといった方法もあるということです。
砂利はコストが安く抑えられる舗装手段ですが、コンクリートよりもメンテナンスの手間がかかります。また、砂利が徐々に流出したり、はねて車体を傷つけたりする恐れもあるでしょう。
しかし、全面をコンクリートにするとどうしても費用が高くなります。そこで、タイヤが乗る部分だけをコンクリートにして、残りの部分に砂利を敷くという折衷案が効果的です。
おしゃれな仕上がりにしたい場合は、砂利ではなく芝生などを敷いてもよいでしょう。
11-5.閑散期に依頼する
庭をコンクリートにリフォームする工事では、夏が閑散期、春が繁忙期だといわれています。
閑散期である夏に工事を依頼すれば、交渉次第で施工費用を安く抑えられる可能性があるでしょう。
反対に、繁忙期である春は料金が高くなりやすいので注意してください。
12.庭のコンクリート舗装を業者に依頼するときのポイント
庭のコンクリート舗装を完成させるためには、業者に依頼する事前準備を怠らないことが肝要です。まず、庭のデザインや予算、舗装範囲について決めておく必要があります。
デザインについては、業者にわかりやすく説明できるように、具体的なイメージを固めておく必要があります。ポイントでレンガを入れておしゃれにしたい、直線的な設計でシンプルにしたいなど、自分の希望をはっきりさせておくと業者も設計しやすくなります。認識のすり合わせにも役立つので、施工後のトラブル防止にもつながります。
予算を決めるときは、コンクリート舗装の相場をもとに無理のない価格を設定してください。事前に予算を決めておかないと、打ち合わせの際に夢が膨らんで負担できる金額をオーバーしてしまう場合があります。
舗装範囲を決めるときは、庭の使い方をイメージして動線を考えておくことが重要です。車から玄関、玄関から道路へと移動するときの経路を予想し、日々を過ごしやすくなるような設計をお願いすることをおすすめします。
図面を用意しておくこともポイントの一つです。配管の位置や正確な面積がわかれば、業者は工事の計画を立てやすくなります。見積もりもより正確に出せるようになるので、可能であれば図面は用意してあると良いです。
最後に、忘れがちなポイントとして工事期間中の駐車場を事前に確保しておくことが挙げられます。工事期間に加えてコンクリートの養生期間も考慮する必要があるため、1カ月程度車を駐車できる場所を見つけておく必要があります。
11.庭をコンクリートにするときの注意点
庭をコンクリートにするときは、長くきれいに使うためにもいくつかのポイントに気を付けるようにしましょう。
まず、コンクリート表面の汚れは水とブラシで定期的に洗浄することが大切です。
コンクリートの表面にはどうしても泥などの汚れがつきますが、汚れを放置することで将来的な劣化につながる恐れがあります。
コンクリートの表面が汚れていると感じたときは、水で流し、デッキブラシなどでこすって清潔に保つようにしてください。
また、コンクリートの表面がひび割れている場合は、塗装によるメンテナンスがおすすめです。
塗装することでコンクリートの強度が高まり、表面もきれいに見えるようになるでしょう。
塗装は自分でも可能ですが、滑らかな仕上がりにしたい場合は業者に依頼するのが賢明です。
まとめ
アスファルトや砂利などのほかの手段と比較した場合、コンクリートで庭を造るメリットはたくさんあります。
維持費やメンテナンスのしやすさなどを考えた場合、コンクリートのほうがコストは安いといえるでしょう。
工事を業者に依頼するのであれば、適正価格で丁寧な施工を行ってくれる業者と契約して、後悔のない庭造りを実現しましょう。
筆者:外構職人歴20年・石川公宣