私たちが生活している中で、道路や公園、あるいは建物の外構(エクステリア)で写真のようにブロックが互い違いに並べられている光景を見たことはありませんか?
このように、ブロックを互い違いに並べられてものを「インターロッキング」といいます。
またの名を「ILブロック」ともいいます。
インターロッキングはデザイン性が豊かで、並べていくだけでオシャレな外観を手に入れることができます。
また、コンクリートのように完全に固めてしまわないので、ブロックが動いてしまってもすぐに手直しができるというメリットがあります。
ただ、並べるだけなら誰でもできるのですが、インターロッキングを「動かないように」並べるのはとても難しいといわれています。
インターロッキングの下地には砂と砕石が敷いてあり、これらの「下地処理」をしっかり行うことが実は一番大切です。
きれいに並べられたインターロッキングが見栄えがあるからといって、並べる作業だけに集中しても意味がありません。
インターロッキングを並べる際は、下地をしっかり「転圧(締め固める作業)」しながら並べていく必要があります。
なお、下地処理をしっかり行えばインターロッキングは動く可能性が低くなります。
また、下地処理ができるかできないかで職人さんの腕がきまります。
インターロッキングだけでなく、下地処理はどの工事においても大切な作業工程のひとつです。
職人さんにはしっかりと行ってもらわなければいけません。下地処理の重要性を以下にまとめました。
構造物の出来栄えは下地処理で決まる
まず、素人さんの考えだと、「仕上がりがきれいなもの」が職人さんの行う「良い仕事」だと思っている方も少なくありません。
しかし、きれいに仕上げることは職人さんとして当然の義務であり、これができなければ一人前になることができません。
さらに仕事ができる職人さんは「壊れないものを作ることができる人」です。
例えば、インターロッキングの上に車が乗り上げる場合は、下地の砕石を多めに敷いたり砂の下地にコンクリートを打設したりしてその場に応じた工事を行います。
仕事ができる職人さんは、10年先、20年先も壊れずにずっと同じ外観を保つ良いものを作ります。
数年後を見越して工事を行ってくれる職人さんこそ仕事ができる職人さんといえます。
一方、仕事ができないとされる職人さんはお施主さん(工事依頼主)に引き渡すときに、「きれいな仕上がりなら問題ない」と考えます。
この場合、さすがに一週間や二週間で壊れることはありませんが、「工事をきれいに行えばよい」とだけ思っている職人さんが行う工事は、半年または一年ほどでボロボロになってしまいます。
仕事ができない職人さんと、仕事ができる職人さんの最大の違いは「お施主さんの気持ち」を考えることができるかできないかの差です。
お施主さんの気持ちとは、お施主さんの立場になって「いつまでも壊れないものを作って欲しい」という気持ちを工事に反映できるかどうかです。
下地処理は機械を使ってしっかり行う
右の写真の機械は「転圧プレート」と呼ばれるものです。
接する地面に振動を与えながら土を締め固めて前に進んでいきます。
砕石や砂を敷く下の地盤は、もともとあるものなので自然に締固められています。
しかし、職人さんが手作業で敷く砕石や砂は、しっかりと転圧を行わなければいけません。
例えば、雪で表現すると分かりやすいです。積もったばかりの雪はふかふかで、人が乗ると足跡の形に雪が沈みます。
それが繰り返されていくと、雪は締め固まってかちかちになります。
同様に、砕石や砂も単に敷くだけではふかふかの状態です。
ふかふか状態の下地の上へブロックを並べると砕石や砂は簡単に沈んでしまうので、ブロックはすぐにがたがたになってしまいます。
これが、半年や一年ほどでブロックが動いてしまう最大の理由です。
人間の力だけでは締固めを十分に行うことができないので、機械を使用してしっかりと転圧を行います。
転圧をしっかりと行わないため、インターロッキングやブロック積みが動いてがたがたになってしまうような手抜き工事を行っている業者は星の数ほどいます。
転圧をしっかりと行わない理由は「十分な工事予算」がないため、工事を素早く終わらせなければいけないということが挙げられます。
ただ、腕の良い職人さんであっても、本当は良い仕事を行いたくても「予算の都合によっては手抜き工事をせざるを得ない」ということを頭の中に入れておいてください。
外構工事を行う際は、十分な工事予算を用意しておくことが望ましいです。
いつまでも見栄えのある外構工事を施工してもらうために、職人さんが行っている作業一つ一つに目を光らせれば必ず良いものができるでしょう。