これから玄関アプローチと駐車場を作りたい、または変更したいとお考えの人は非常に多いのではないでしょうか。
玄関ポーチと言っても、タイル貼りや石張りなど、さまざま形や施工方法があります。
つまり多種多様というわけです。
しかし、玄関アプローチも駐車場も個人でどうにかできるものではありませんので、難しいところです。
そこで今回は、理想の玄関アプローチと駐車場にするためには何が必要なのかを解説していきます。
目次
1.玄関アプローチとは?
そもそも、玄関アプローチとはどういう場所を指すのでしょうか。
玄関アプローチとは、道路からの敷地への入口から玄関までをつなぐ道のことを指します。
玄関アプローチがあれば、外出時に気持ちを切り替え帰宅時には心休まる場所として多くの人に利用されています。
また、訪問者に対しても玄関アプローチがあるのかないのかで家の印象が大きく変わります。
玄関アプローチのデザインは無限大にあるため、個性豊かに表現できます。
2.駐車場とは?
駐車場とはその名の通り、車を停めるスペースのことを指します。
基本的に車を所有すれば、かならず駐車場に停めなければなりません。
その場合、お住まいの近くの月極駐車場と契約するか、自宅の駐車場に停めるのかの2通りがあります。
賃貸マンションなどにお住まいであれば、駐車場を借りなければなりませんが、戸建て住宅にお住まいの場合は広さによって駐車場を敷地内に作ることができます。
3.玄関アプローチにはこんな役割がある
玄関アプローチと言えば、なんとなくエクステリアをオシャレにしてくれる、というイメージをもたれているはずです。
たしかに間違いではありませんが、それ以外にも役割があります。
3-1.プライバシーを守ってくれる
基本的に日本の土地は狭いため、玄関の扉を開けたらすぐに道路が見えてくるお家が多いです。
よって、プライバシーが気になるというわけです。
プライバシーの保守を行うのには、アプローチを含めたプラン作りが必要不可欠です。
玄関アプローチを少し工夫することで、プライバシーを守ってくれます。
3-2.バリアフリー設計で快適
家族が若いうちは、少しの段差も気にならないかもしれません。
しかし、年齢を重ねるごとにその少しの段差がしんどくなるものです。
そこで、玄関アプローチをスロープ化することで、足が悪くなったり車椅子になったりしてもスムーズに出入りできます。
また、手摺を設置する等の工事を行うことで、安心かつ安全に通路を歩くことが出来ます。
3-3.駐車場まで雨にぬれない構造にできる
玄関アプローチと駐車場とは繋がっているケースが多いため、かなり重要な要素と言えます。
たとえば、雨が降った日に車の乗り降りはとても大変なものです。
傘をさしつつも車の扉を開け、傘を閉じる瞬間はかなり雨にぬれてしまいます。
また、荷物がある場合は余計に雨にぬれてしまい、非常に不便さを感じてしまうというわけです。
そんなときに玄関アプローチと駐車場をつなぐ通路に屋根があれば、一切ぬれることなく車の乗り降りが可能です。
4.玄関アプローチにはいくつかの素材がある
玄関アプローチと言っても、用途や使い勝手によって、さまざまなプランを検討することができます。
玄関アプローチのプラン作りにおいて大切なのは、メンテナンスが必要なのか、不必要なのかを考えながら素材を選ばなくては、工事の失敗の原因となります。
したがって、工事が完了してから数年後を視野に入れて、素材の選定をすることをお勧めします。
使用部材のメリットとデメリットを良く調べあげてからプランをつくってください。
また、玄関アプローチには、いくつかの素材があるため、お住まいと相性の良いものを選ぶべきと言えます。
この項では、玄関アプローチの主な部材を解説していきます。
4-1.レンガ
洋風のエクステリアにピッタリな素材と言えば、レンガではないでしょうか。
レンガは茶色系の色が多いため、草木などの緑ととても相性が良いという特徴があります。
レンガのデメリットは、施工後に白華減現象がまれに起こることがあります。
白華が起きるとレンガのもともとの色とは関係なく真白になったり、白い粉を噴いたりして、見栄えの悪いものになってしまいます。
4-2.タイル
ベージュやグレーを主体としたのがタイルです。
もっともスタンダードなアプローチと言えます。
タイルは玄関アプローチと相性が良く、デザインや形も多岐にわたるためたったひとつの玄関ができあがります。
デメリットは、雨風にあたるので、色が徐々に汚れてくすんできます。
水や洗剤を使って洗っても、なかなか落ちません。
そんな時には、トイレの洗剤でサンポールという商品があります。
すごく弱めのさんが入っているのでタイルを酸で洗うことが出来ます。
サンポールを散布して、たわしなどでこすると、汚れが劇的に落ちていきます。
このときに気を付けなければいけないのが、よく水で洗剤を流しきることです。
なぜなら、少しでも洗剤が残っていると、洗剤自体が酸の為、玄関とドアや金属箇所がさびる危険性があります。
よく洗い流せば、問題ありません。
4-3.枕木
枕木とは、鉄道の線路の下で均等に置いてある角材のことを指します。
枕木も、玄関アプローチで大いに活用できます。
角材を均等に置き、その間にレンガや砂利などを組み合わせればかなりオシャレな玄関アプローチに変化します。
デメリットは、木材な為、10年から15年で腐ってくる物が多いので、腐ったら再度、工事を行わななければなりません。
腐った枕木をそのままにしておくとシロアリがわく原因になります。
最近では、コンクリートを加工して作った擬木の枕木が販売されています。
擬木の枕木は、絶対に腐らないのでお勧めです。
4-4.洗い出し
砂利を並べて固める方法が洗い出しです。
そのままの砂利ですと、足で踏めばジャリジャリとなり、不安定さがありますが洗い出し仕上げにすることで、地面がしっかり固定されます。
安心して歩くことが出来ます
しかも、砂利特有の色合いが表現できるため人気の玄関アプローチと言えます。
4-5.人工芝
人工芝であればロール型などがあるため、簡単に設置できます。
また、形状的に自由にカットできるため、細かい場所にでも採用できるというメリットがあります。
デメリットは、冬でも青々している為、人工芝感があることと、施工する環境と使用する人工芝により異なりますが、8年から10年で芝が抜け落ちたり、剥げてきたりします。
寿命が来たら再度、工事が必要になります
4-6.コンクリート
シンプルに、コンクリートで玄関アプローチにしてしまう方法があります。
コンクリートであれば、駐車場にも使えるため統一感がだせます。
また、コンクリートは安価ですから、費用面でも大きなメリットがあります。
デメリットは、コンクリート自体にデザイン性があまりないので、冷たい感じのイメージになりがちです。
その冷たさを、良しとする方もいらっしゃいます。
5.駐車場作りで気をつけるべきこと
玄関アプローチが良くても、駐車場の使い勝手が悪いと話になりません。
アプローチを気にしてプランを考える方は多いですが、アプローチに気を取られがちになり駐車場が後回しになるプラン作りになる傾向があります。
駐車場というと、ただ車がとまればいいと思いがちです。
そのようなプラン作りでは、後々後悔することになります。
そこで、後々後悔しない為にも、駐車場作りで何に気をつけるべきかをことを解説していきます。
5-1.玄関アプローチとともに広さを考えよう
玄関アプローチも駐車場も、ある程度の広さを要します。
とくに駐車場は、車1台分のスペースだけではなく、ドアを開けたり人が乗り降りするスペースのことも考える必要がある。
幅が狭すぎると、車の乗り降りがとても大変になってしまうため、工事したことを後悔してしまうでしょう。
なので、駐車場を作る際には広さに余裕をもつようにするべきと言えます。
5-2.玄関アプローチとの導線を考えよう
玄関アプローチから駐車場まで、何の障害物もなく移動できればかなり楽ではないでしょうか。
また、玄関アプローチから駐車場まで屋根を設置することで、雨や紫外線から身を守りつつ車の乗り降りができます。
とくに雨天時の車の乗り降りは不便さを感じるため、カーポート等の屋根を設置して快適に過ごされてみてはいかがでしょうか。
それに加えて、夜の足元の安全確保も重要になります。
照明を用いて、夜でも足元が見やすく安全に歩けるプランつくりが必要不可欠です。
5-3.防犯面を考えよう
日本はとても安全な国ですが、それでも車の窃盗や車上荒らし、イタズラなどが頻繁に発生します。
とくに、価値の高い車の場合は、セキュリティを強固にしていたとしても、わずかの間に車ごと盗まれてしまいます。
そのため、可能な限り防犯面を重視した駐車場を考えるようにしましょう。
5-4.駐車場のデザインを考えよう
駐車場には、いくつかのデザインで施工できます。
たとえば、砂利やアスファルト、コンクリートなどが該当します。
砂利は安価で大きな音がするため防犯には優れていますが、メンテナンスが大変というデメリットがあります。
アスファルトも安価ではありますが、黒色と言う特徴から熱がこもりやすく劣化が早いためメンテナンスが多い傾向にあります。
駐車場でもっとも多く利用されているのがコンクリートです。
コンクリートはかなり丈夫なため、頻繁にメンテナンスをする必要はありません。
また、色は白系ということもありアスファルトのように熱がこもりづらく、見た目にも良いというメリットがあります。
ただし、アスファルトや砂利と比較すると少し費用は高めというデメリットがあります。
5-5.車の停めかたを考えよう
お住まいの敷地によっては、車の停めかたを気にしなければなりません。
基本的には、直角駐車や縦列駐車、並列駐車などのどれかを採用するべきと言えます。
家の間取りを重視したいのであれば縦列駐車、車の出し入れ重視なら直角駐車、敷地を有効活用したいのであれば並列駐車をおすすめします。
6.まとめ
玄関アプローチも駐車場もお住まいのエクステリアを彩る、大切な場所だと言えます。
それぞれに、たくさんの種類もあれば素材も豊富なため、どこにもないオリジナルの玄関アプローチと駐車場を作ってみてはいかがでしょうか。
玄関アプローチと駐車場を専門にしている業者にお願いをすれば、理想的なエクステリアが完成することでしょう。
筆者:外構工事職人歴20年 石川公宣