外構(エクステリア)は、建物と一体化して「一つの構造物」とらえることができます。建物の外観だけで、第一印象の7割を占めると言われています。一番最初に飛び込んできた建物の印象が、見た人の心に強い印象を与えます。
建物を取り囲む空間であるエクステリアを魅力的にすることができれば、建物がより一層際立ちます。
外構とは、門、壁、駐車場、などの建物の外にある全ての構造物のことを指します。全てにこだわりをもつことによって、見栄えのある外観をつくりあげることができます。
外構の一つである「門や塀・フェンス」といっても様々なタイプが無数にあります。これらのタイプを理解することで、外構工事の方向性が見えてきます。
門や塀のタイプ
本格的な和風住宅の場合、建物はもちろんのこと、門や塀も同様に「様式」があります。門や塀の例をいくつか挙げていきます。
門:長屋門(ながやもん)
日本の伝統的な門形式の一つです。江戸時代に多く建てられた、実際に人が住むことができる門です。
自分の敷地の周囲に「家巨などのための長屋」を建て住まわせて、その一部に門を開いたことから「長屋門」が始まったとされています。
腕木門(うでぎもん)
腕木門とは、2本の柱に冠木(かぶき)を通した門のことです。また、冠木とは、門や鳥居などで、左右の柱の上部を貫く横木のことを指します。冠木を利用するため、冠木門(かぶきもん)ともいわれています。
分かりやすく表現すると「鳥居に屋根をかけた門」のことです。
塀:築地塀(ついじへい)
泥土をつき固めて作った塀のことを「築地塀」といいます。泥土だけでは強度が出ない為、瓦や板などを間に詰めて補強がされています。
主に寺院などで見かける塀であり、和風住宅を好む人たちの間では絶大な人気を誇っています。
大和塀(やまとべい)
杉やヒノキで仕切りをする塀のことを大和塀といいます。境界を完全に仕切ってしまうのではなく、若干の隙間を残すところが大和塀の「味」です。
純和風住宅の家の塀を見ると、大和塀である場合が多いことに気付きます。
タイプを意識して外構プランを構成する
洋風の建物が主流の現代ですが、上記のような和風住宅の「様式」を考えることもできます。洋風の建物におけるタイプでは、塀部分を考えた時はフェンスを主体にするとか、レンガ積みなどの塀形式にするといったことがポイントになってきます。
囲いである塀が決まれば、門扉をどうするかを考え始めます。外回りの「塀を決める」ことも「門扉を決める」ことも、どちらも外構プランでは重要なテーマの一つです。
門扉を決めるタイプ分けとして、「デザイン性」にポイントを置くと良いでしょう。建物の外観デザインにマッチした門扉を選ぶことは絶対条件です。純和風住宅の門を洋風のクラシカルなタイプの門にしてしまうとかなりの違和感がでてしまうので要注意です。
建物と外構(エクステリア)のデザインの統一性を意識して外構プランを構成すると、あなたの家はとてもかっこいい外観になるでしょう。
筆者:外構職人歴20年・石川公宣