外構における玄関アプローチとは、住まいの第一印象を決定づけるいわば「住まいの顔」です。
居住者だけでなく外部からの来客時など必ず目にする部分であるため、好みや仕上がりにはこだわりたいですよね。
このページでは、「外構の玄関アプローチ」について解説しています。
- 外構のアプローチってどの部分?
- アプローチをおしゃれに魅せるテクニック
- アプローチで使用する素材について
など「玄関アプローチの基本から作り方のコツ」までを丸ごとご紹介しています。
これからお家を建てる予定の方、外構工事をご検討の方はぜひ参考にしていただければ幸いです。
目次
外構のアプローチとはどの部分?
外構アプローチとは、道路や門から玄関の扉までをつなぐ「通路」の部分を指します。
外構アプローチには、主に以下の部分が含まれます。
- 門扉
- 門柱
- 表札
- ポスト
- 照明
- 植栽 など
外とプライベートな空間の境目に位置し、来客などを「住まいへ誘導する役割」も担う重要な部分です。
ちなみに、玄関扉周辺は「玄関ポーチ」と呼ばれ玄関アプローチとは異なります。
アプローチをおしゃれに魅せるテクニック3つ
外構アプローチは、家に訪れた人が最初に目にする「住まいの顔」とも言えます。
家の周りの第一印象を決める重要な部分のため、機能性や安全面だけでなく住む人のこだわりやデザイン性も取り入れていきたいところ。
大がかりな工事の手間や高額な費用をかけなくても、ちょっとしたテクニックでおしゃれなアプローチに魅せることができます。
そこで、アプローチをおしゃれに魅せる3つのテクニックをご紹介します。
- ①曲線で奥行きを出す
- ②家の外観と雰囲気を合わせる
- ③生活感をなくす
①曲線で奥行きを出す
アプローチを設置する際は、直線よりも曲線にする方がおしゃれな雰囲気を演出できます。
曲線のアプローチにすることで奥行きが出て、広くゆったりした空間を感じさせることも可能。
また、玄関扉を開けた際に家の中が丸見えになるのを防げるため、防犯対策やプライバシーを守ることにもなります。
ただし、あまりに複雑な造りにしてしまうと死角が生まれ、不審者などが隠れやすい空間ができてしまうため要注意!
プライバシーを守るための対策はしつつ、ある程度の見通しの良さがいいアプローチを計画するのがポイントです。
②家の外観と雰囲気を合わせる
家の外観とアプローチの雰囲気を合わせるだけでも、おしゃれにまとまった雰囲気にできます。
例えば、建物と外構全体の色味を揃えるのはとても効果的です。
あまり多くの色を使いすぎると、ごちゃごちゃとまとまりのない印象を与えてしまいます。
しかし、建物と外構全体の色味を揃えることですっきりとまとまった雰囲気に仕上がります。
また、家の外観と外構のデザインを統一することも大切です。
それぞれのデザインがおしゃれでも、統一されていないとちぐはぐな見た目になってしまう可能性があります。
外構のデザインを決める際は、全体的な統一感やバランスを見ながら決めていくことがポイントです。
③生活感をなくす
外構をおしゃれに魅せるためには、生活感をなくすのもポイントです。
室外機や倉庫などは生活には欠かせないものですが、生活感を感じさせるアイテムでもあります。
おしゃれな外構を計画していても、生活感のあるアイテムが丸見えでは浮いてしまう可能性も。
そこで、
- カバーをかけて隠す
- ペンキで色を塗り替えて目立たなくする
などの工夫を取り入れるのがおすすめ。
生活感のあるアイテムを「目立たなくする」「隠す」だけで、スッキリと洗練された雰囲気を作り出すことができます。
アプローチに使われる素材を知ろう
ここでは、玄関アプローチに使用する素材について解説していきます。
アプローチの計画を立てる際は、見た目のおしゃれさだけでなく安全性や機能性も意識して考える必要があります。
使われる素材の特徴を知って、理想のアプローチを計画する際の参考にしてください。
- 敷石
- レンガ
- 枕木
- タイル
- コンクリート
- インターロッキング
- 砂利
- 洗い出し
- 芝生
- 植栽・花壇
敷石
敷石とは、地面に平たい石を敷き詰めていくこと。
おしゃれな見た目になるのはもちろん、土のままよりも手入れがしやすく雑草対策にもなります。
雨の日には色が変わってしまったり、濡れると滑りやすくなる石もありますが、石の表面を加工すれば安全性を高めることも可能。
敷石を作る場合には
- 御影石
- 石灰岩
- 砂岩
- 大理石
を主に使用しますが、選ぶ石の大きさや種類によって洋風にも和風にもマッチするのがメリットです。
レンガ
洋風のお家の外構にピッタリなのが、レンガを使用したアプローチです。
時間が経つにつれて風合いが増すため、建物ともなじんでレトロな雰囲気を味わえます。
レンガの敷き詰め方次第で様々な模様やデザインが作れるため、おしゃれ度も高いのがメリットです。
また機能面でもメリットは多く、
- 水はけがよく滑りにくい
- 耐熱性があり寒い日の凍結を防ぐ
- 遮音性にも優れており騒音対策にもなる
といった点が挙げられます。
枕木
枕木とは本来、線路の下に敷いてある木の素材のことです。
線路の下に一定間隔で並んだ木材をイメージすると、分かりやすいのではないでしょうか。
ナチュラルテイストなお家や北欧風・カフェ風のお家にピッタリで、植栽や花壇とも相性抜群です。
屋外で木材を使用するには腐食が心配になりますが、
- コンクリート製の枕木
- 樹脂製の枕木
- 腐食剤で加工してある枕木
などであれば、雨風にさらされても腐食の心配は少なくなります。
タイル
タイルは色や大きさ・種類が豊富で、建物の外観や好みに合わせて使いやすいのが特徴です。
色味や大きさを揃えれば統一感が出るため、シンプルなお家にマッチします。
反対に、複数色のタイルを使えば変化が楽しめ、仕上がりが個性的なアプローチに。
タイルは汚れも落としやすく、メンテナンスしやすいのもメリットです。
しかし、タイルの質感によっては雨の日に滑りやすくなるリスクがあるため、屋外で使用する際は安全面に考慮してタイルの質感を選ぶといいでしょう。
コンクリート
アプローチにコンクリートを使用するメリットは、いくつかあります。
■アプローチをコンクリートにするメリット
- 約15年と耐久性が高い
- 他の素材よりも価格が安い
- 施工がしやすいためデザインの幅が広い
さらに、コンクリートは耐火性にも優れているため、火災などが起きた際に周囲へ火が燃え広がるのも防いでくれます。
コンクリートのアプローチは、基本的にはシンプルな仕上がり。
しかし施工の自由度も高いため、ちょっとした加工でオリジナルな仕上がりにもなります。
インターロッキング
インターロッキングとは、コンクリートやセメントを使用せずブロックをかみ合わせるように敷き詰める舗装方法のことです。
ブロックの敷き方や大きさを変えることで幅広いデザインに仕上げることができ、どんなお家にも合わせやすいのが特徴。
ブロックの種類によっては雨が降っても滑りにくく、水はけがいいのもメリットです。
ただし、ブロックのすき間(目地)から雑草や苔が生えやすいため、お手入れに少々手間がかかる可能性があります。
また、インターロッキングは職人の手作業によって舗装を行うため、コンクリート舗装よりも費用がかさむ点にも注意が必要です。
砂利
アプローチには、砂利を使用するのもおすすめです。
砂利を使用するメリットとしては、導入費用がかなり抑えられることが挙げられます。
また、雑草に日光が当たりにくくなるため雑草対策になるほか、砂利の上を歩く際に音がすることから防犯にも役立ちます。
防犯に使いたい場合には、「防犯砂利」という特に音が鳴りやすいものを使うのがおススメです。
砂利自体にも幅広い大きさ・色がありますが、飛び石やタイルなどと組み合わせることでおしゃれな雰囲気に仕上げることも可能です。
洗い出し
洗い出しとは、コンクリートやモルタルに砂利やガラスなどを混ぜ、凹凸のある仕上がりにする方法です。
洗い出しは伝統的な左官工法のひとつで、限られた職人だけが行える難易度の高い工法と言われています。
難しい工法だけあって、非常に美しく職人技が光る仕上がりとなります。
雨で滑りにくく汚れも目立ちにくいため、駐車場の舗装などにおすすめです。
芝生
芝生は植栽や花壇ともなじみやすく、ナチュラルでさわやかな印象を与えてくれます。
小さなお子さんがいるお家でしたら、転んでも怪我をしにくいため安全面からもおすすめです。
芝を敷く作業自体はそんなに難しくないため、DIYすることができるのもメリット。
デメリットとしては、こまめなメンテナンスが必要なこと・冬場は草の鮮やかさがなくなってしまうことが挙げられます。
しかし、レンガや枕木と合わせると自然でおしゃれな雰囲気に仕上げることができ、洋風にも和風にもマッチするでしょう。
植栽・花壇
植栽とは、敷地内に木や植物などを植えることを指します。
「シンプルな外構にはしたいけど仕上がりが殺風景すぎる」と感じる場合には、植栽で木を1本植えてみるだけでも雰囲気はガラッと変わります。
視覚的な広さを演出できるだけでなく、外部からの目隠しの役割を担うことも。
花壇などと組み合わせると季節感を感じることができ、味わいのある外構に仕上げることができるでしょう。
費用を安く抑えるためのDIYには要注意!
外構はDIYできる部分も多く、DIYすれば業者に頼むよりも費用を抑えて仕上げることができます。
■比較的簡単なアプローチのDIY
- 枕木や飛び石の設置
- 砂利を敷く
- 芝生を敷く
- 花壇に花を植える など
しかし初心者の方にとって、外構をDIYする難易度は決して低くはありません。
素材選びや設置の仕方がなかなか難しく、これらを間違うと木材が腐ったり設置した部分が壊れたりする可能性も十分あります。
DIYすれば自分好みにできる・費用を大幅に抑えられる点が魅力的ですが、時間も手間もかかるためDIY初心者の方や仕上がりの綺麗さを重視する方は、プロの業者に頼むのがおすすめです。
まとめ
玄関アプローチは、外部からプライベート空間への境目にあたる部分。
住まいの第一印象を決める重要な部分でもあるため、家主の好みやこだわりをふんだんに盛り込みたいものです。
ただし、見た目の良さやデザイン性だけでなく、生活しやすいような機能性・安全面についてもしっかり考える必要があります。
このページを参考に、ぜひあなたにとってとっておきの玄関アプローチを考えてみてください。
筆者:外構工事職人歴20年 石川公宣