コンクリートは材料代が高く、これを使用した外構工事(エクステリア工事)は工事費用が高額になってしまいます。そこで、コンクリートを使用しない工事を行うことで、工事費用を抑えることが可能です。
例えば、家の周りを囲む外構工事を擁壁(コンクリートの壁)ではなくブロック塀にしたり、ブロックを低く積んだその上にフェンスを設けたりすれば工事費用を抑えることができます。
手抜き工事以外で外構工事を安くするには、使用する材料を安くするしかありません。そのためには、フェンスやブロックのように、最初から製品になっているものを使用することが一般的とされています。
ただ、純和風住宅の場合、コンクリートやフェンスを使用する工事を行うと見栄えを損ねてしまいます。そこで、自然石を利用した石積みを設けることで、工事費用を削減できます。さらに、石積みには風情があり、自然と調和するため温かみもあります。
外構工事で求められるのは、「建物とマッチした外観」でなければいけません。外構工事を行うことで、建物の存在感や見栄えを引き立ててくれるものが良いとされています。これを満たした外構が石積みです。石積みを設けるメリットを以下にまとめました。
石積みはメリットが無数に存在する
先に述べたように、外構工事に石積みを採用することで工事費用を削減できます。コンクリートの壁と比較すると、工事費用がとても安価です。
例えば、コンクリートの壁と石積みを検討したとき、工事の規模が大きくなれば大きくなるほど金額が大きく開きます。特に、高さが高くなるほど、石積みの方が安く施工できます。また、場合によって値段が半分程度で済む場合もあります。
石積みの良いところは、「天然素材」というところにあります。外構工事で代表されるコンクリート工事やブロック工事、あるいはタイルなどを使用した人工的構造物では味わえない風情があります。
また、和風住宅に限らず、洋風住宅やログハウスのような住宅にも合わせることができます。
工事費用を抑えられると言っても、安っぽい外観になるようなことはありません。石積みは昔ながらの工法なので、値段の割に家全体が立派に見えます。石積みを採用することによって得られるメリットは無数に存在します。
例えば、コンクリートの場合、作りたては表面がツルツルしていてきれいですが、雨や風、太陽光などでコンクリートの表面は風化し、次第にボロボロになってしまいます。一方、自然石の場合それはほど風化しません。それどころか、コケや太陽光によって焼けることで、石積みにしか出すことができない味になります。
また、擁壁の工事を行うためには土地を大きく掘削(地盤を掘り取ること)しなければいけません。そのため、残土(掘り起こして残った土)の処理に多額の費用がかかってしまいます。一方、石積みの場合、掘削をする面積が小さいため、残土をストックする置く場所があれば、土工事の費用を抑えることができます。
このように、石積みを採用するメリットは無数に存在します。もし、予算があまり用意できないとしても、石積みを行えば見栄えのある外観を手に入れることができるでしょう。
石積みはデメリットがほとんど存在しない
石積みを行う際のデメリットは、石を斜めに積み上げていかなければいけないため、敷地が少し狭くなってしまうことです。狭くなるといっても数十センチ程度であり、逆にいえばこの斜めにそびえたつ石が迫力を生み出します。
ただ、石積みを行うのは熟練された職人技がなければいけません。素人や造園屋さんが積む石積みの角には迫力がありません。また、「石屋は角でなく」という言葉があるほどで、腕の見せ所は石積みの角にでます。そのため、石を専門で扱う石屋さんに工事を依頼しなければいけません。
とはいっても、なんのつても無しに石屋さんを探すことは至難の業です。そこで、石屋さんと業務提携を結んでいる外構専門業者(エクステリア業者)を見つけることができれば最高です。
石積み工事はもちろん、このような業者は外構工事全般を行うことができるため、一つ一つの工事を専門業者へ依頼するより工事費用が安くなります。また、外構専門業者であれば、お客さまに合った外構プランを提案してくれるため、予算内であなただけの外構を作り上げることができます。
ただし、お金をかけなければいけないところに出し惜しみをしてはいけません。優良業者であれば、お金をかけるべきポイントを細かく教えてくれます。さらに、上記のように工事費用を抑えつつ見栄えのある外構の造り方を提案してくれます。優良な業者を見つけ、周り近所に見劣りしない外構を手に入れましょう。
筆者:外構職人歴20年・石川公宣