外構工事(エクステリア工事)を専門に行っている業者は、星の数ほど存在します。
しかし、「優良業者」と呼ばれる業者は全体の1割程度しかいません。
残りの9割の会社は、「悪徳業者」や「素人同然の工事を行う業者」ばかりです。
私が職人だった頃、自社の利益ばかりを考えて工事を行い、手抜き工事や水増し請求を行っている業者をたくさん見てきました。
ただ、お施主さん(工事依頼主)はエクステリア工事について無知のため、これらの実情を知ることはありません。
このこともあり、無数に存在する業者の中から優良業者を見つけるのは至難の業です。
たとえ大手ハウスメーカーやホームセンターでエクステリア工事を依頼したとしても、安心できません。
下請け業者に丸投げして中間マージン(手数料)を取るため、外構専門業者(エクステリア業者)に直接工事を依頼するよりも割高になってしまうからです。
確かに、大手企業であれば保証はしっかりしています。
しかし、工事を丸投げする下請け業者はエクステリア専門業者ではないため、見栄えの無い庭になってしまう可能性が高いです。
そこで注目されるのは、エクステリア工事を設計・デザインから施工までを行う「完全自社施工の業者」です。
自社で設計した庭を、会社内の職人が施工するため、余分な中間マージンが生じません。
つまり、「完全自社施工の業者に外構工事を依頼すれば、工事費用を安く抑えることができる」ということです。
ただ、エクステリア業者にはそれぞれ得意分野があることを忘れてはいけません。完全自社施工の業者に工事を依頼したとしても、ブロック塀や植栽、あるいはアプローチ(敷地の入り口から玄関までの路)に至るまでのさまざまな工事を完璧に行えるわけではありません。
外構専門業者には得意分野がある
近年では、インターネットの普及により、多くのエクステリア業者が自社のサイトを運営するようになりました。
広告を出さなくてもお客様の目に触れる機会が増えているため、その会社の強みを簡便にアピールできるようになりました。
中でも、安い値段や値引きすることを前面に押し出している業者や、完全自社施工を強みにアピールしているエクステリア業者は多いです。
ただ、外構工事で安い値段や値引きを強調しているということは、「他社よりも低価格で工事を行わないと仕事を取ることができない」ということです。
そのため、工事の契約をしてからの対応や保証に対して、不満の声を漏らす人は増え続けています。
一方、完全自社施工を強みにしている会社の場合、素人目線から見ればメリットばかりを記載されているため、一見すると優良業者に見えます。
しかし、前述の通り、エクステリア業者にはそれぞれ得意分野があることを忘れてはいけません。
単に「外構工事」と言っても、様々な業種の集合体です。
土工事や下地基礎工事、組積工事(石材やレンガなどをモルタルで積み重ねる工事)、左官(コテを使い、建物の壁や床、土塀などを、塗り仕上げる職種)工事、塗装工事、タイル工事、エクステリア金物工事、設備工事、植栽工事などがあります。
要するに、「全ての業種の職人さんが、一つの会社内に雇用されている可能性はほとんどゼロ」ということです。
そのため、完全自社施工ということ自体、外構工事業界ではほぼ有り得ません。私の知る限り、そのような会社を見たことがありません。
たとえ全ての工事を行うことができたとしても、工事の品質が一流ではありません。
餅は餅屋という言葉があるように、それぞれの工事を得意とする専門のエクステリア業者に工事を依頼すれば、出来栄えに歴然の差が表れます。
結局のところ、完全自社施工を強みにしている業者も、「余計な料金が発生することはない」などといい、安さを売りにしていることは間違いありません。
見せ方が違うだけで、大半のエクステリア業者が低価格を武器に工事を受注しているのです。
ただし、外構工事で安さを求めたところで、最終的に損をするのはあなたです。
なぜなら、高額な費用を必要とする庭作りを安い金額で施工したり、値引きしたりするためには、どこかで帳尻を合わせなければ赤字になってしまうからです。
つまり、素人では分からないところで手抜き工事や水増し請求を行っているということです。
ここまでの内容を理解すると、「一体、どのような業者に工事を依頼すればいいの?」という疑問が生まれてきます。
それは、「お客様のことを第一に考えている業者」です。
信頼できる業者とは?
お客様のことを第一に考えている業者とは、工事の品質にこだわりをもち、あなたの要望を第一に叶えようとしてくれるエクステリア業者のことです。
優良業者というのは、技術を安売りすることはありません。
ただし、あなたの予算内でできる限りの工事を提案してくれます。
例えば、あなたの工事予算が200万円だとします。
安さを売りにしている業者の場合、「250万円の工事を200万円で施工します」などと提案してきます。
しかし、50万円もの値引きをするということは、材料費や人件費を削らなければいけないため、手抜き工事を行うほかありません。
その結果、質の悪い庭が出来上がります。
一方、優良業者の場合、200万円の中でできる最良の工事を提案してくれます。ここに手抜き工事は一切なく、あなたがエクステリアに求めていることを予算内にて再現します。
また、良質な仕事をするので、後になって工事のやり直しや破損などがありません。
そのため、余分な費用がかかることはないです。
どちらの業者を選んだとしても、200万円の予算が変動することはありません。
たしかに、高額な工事を低価格でできると思えば魅力的に見えるかもしれません。
しかし、後で損をして後悔するのはあなただということを忘れてはいけません。
このことからも分かるように、業者選びを行う際は、「安さや値段でお客様を集めている会社」を選ぶのは危険です。
そうではなく、工事の品質やお客様のことを第一に考えているエクステリア業者を選ぶようにしましょう。
そうすることで、工事費用を安く済ませることができる上に、良質なエクステリアが出来上がります。