日本は台風が非常に多く、いつどんな被害に遭うかわかりません。
大きな台風が直撃しても慌てず冷静に対応するためには、前もって対策を考えておくことが大切です。
本記事では、台風対策のなかでも愛車を雨風や飛来物などから守る方法に焦点を当てて解説します。
駐車スペースやガレージの愛車を台風から守るためにできることを、早速実践していきましょう。
1.自分でできる車の台風対策8選
台風から車を守る方法は複数ありますが、自分でできる方法を8つ解説していきます。
自宅にあるものやホームセンターで購入できるものでできる対策もあるので、台風に備えた行動を事前に考えておきましょう。
1-1.毛布などでフロントガラスをカバーする
飛来物の衝突によるフロントガラスの破損を防ぐため、毛布などでフロントガラスをカバーしましょう。フロントガラスが一度破損すると、交換には10万円前後の費用がかかります。
台風時にはどんなものが飛んでくるか予想も難しく、思わぬ破損、出費につながる可能性があります。毛布でフロントガラスを覆う際は、ロープなどで固定することもマストです。
とくに屋外でカーポートがない場合は、毛布は雨を吸って重くなりやすいです。重みがあってもずれないよう、きちんと四隅を固定しておくことも忘れないようにしましょう。
1-2.輪止めで車を固定する
車に輪止めを設置することで、強風で車が動いたりずれたりしてしまうことを防げます。
輪止めにはさまざまな種類がありますが、台風対策を目的とするなら重みがありしっかり固定できるタイプがおすすめです。
タイヤのサイズによっても種類が異なるので、事前にタイヤのサイズを確認したうえでジャストなサイズを選ぶようにしましょう。
1-3.車本体をボディカバーで覆う
車全体をボディカバーで覆うことで、簡単に車体を雨風から守れます。ボディカバーは台風だけでなく日々の雨や風による汚れ、紫外線による車体の劣化なども防げます。
車に合うサイズのカバーを一つ持っておくと便利なので、用意しておくといいでしょう。ただし、ボディカバーだけでは飛来物からは車を守れなかったり、浸水被害は防げなかったりする可能性もあります。
強風が予想される際は四隅をしっかり固定する、別の台風対策と合わせて対策するなどの方法を検討しましょう。
1-4.窓やドアの隙間をテープで塞ぐ
車全体を覆えるアイテムにボディカバーがありますが、降水量が多かったり風が強かったりするとボディカバーだけでは防ぎきれない可能性もあります。
窓やドアの隙間をテープで塞ぐことで、雨水が車内に浸水することを防げます。サンルーフがある車はその部分から雨水が浸水することもあるので、忘れずに保護しておきましょう。
テープは防水加工されたもの、養生テープなどを選びましょう。窓など車の上部分はもちろん、ドアの足元などもしっかり覆っておくと、雨水だけでなく浸水被害からも車内を守ることが可能です。
1-5.安全な場所へ車を移動させておく
自宅が川や山などに近く、車が大きな被害を被る可能性がある場合は、車を自宅の駐車スペースや駐車場から安全な場所へ移動させておくこともおすすめです。
ハザードマップを確認し、高台にある駐車場を選びましょう。ショッピングモールの立体駐車場などもおすすめです。
安全な場所にある駐車場は台風直前になるといっぱいになったり、台風対策のための使用が禁止されたりすることもあります。
マナーを守り、必要であれば自治体の指示に従って車を移動させましょう。
1-6.着脱できるパーツは外しておく
車に着脱可能なパーツを装着している場合は、台風が来る前に外しておきましょう。
着脱可能なパーツは風の影響を受けやすく、飛んで行ってしまったり車を傷つけたりする可能性があります。
自宅を傷つけたり、近隣の車、住宅を傷つけると思わぬトラブルになるかもしれません。
ウイングやライトなど、後から追加したパーツは前もって外しておくようにしましょう。
1-7.車周辺にものを置きっぱなしにしない
車本体だけでなく、車周辺も台風に備えて対策をしておくことが大切です。駐車スペースに子どもの遊具や自転車、ガーデニング用品などを置いている場合は、屋内に避難させておきましょう。
風に飛ばされて車を傷つけてしまう可能性があります。また、車を出したいときにそれらのものが邪魔をしてスムーズに移動できなくなることもあるでしょう。
軽いものや小さいものは強風の影響を受けやすく、自分の車や自宅だけでなく近隣にも被害を及ぼす可能性があります。
室内に入れておけるものはできるだけ避難させておくことをおすすめします。
1-8.車両保険に加入しておく
台風による車体の被害に備えるために、車両保険に加入しておくことも大切です。
任意で加入できる自動車保険は多数ありますが、なかには人がけがをしたときの保険、事故によって相手の車体や人を傷つけたときの保険などもあります。
車両保険なら、台風などの自然災害で車が破損したときに保険金を受け取れます。
保険の種類にもよりますが、多くの場合は台風によって車が破損した場合は等級がダウンするため保険料をおさえられるというメリットもあります。
台風がよく来る地方に住んでいる、川や海、山の近くに住んでいる方は、車両保険への加入はマストといえるでしょう。
2.台風前に備えておきたい車の防災対策
台風から車を守るための対策を紹介しましたが、次は台風時にできる車の防災対策もチェックしておきましょう。
車を守るだけでなく万が一に備えて防災対策をしておくことで、より万全の状態で台風を迎えられます。
大きな台風が迫っている場合は、以下の対策も取り入れておきましょう。
2-1.ガソリンを満タンにしておく
台風前には、ガソリンは満タンにしておきましょう。台風が来てから避難したり、車を移動させたりしようと思っても、近くのガソリンスタンドが被害を受けていて使えない可能性もあります。
また、多くの人がガソリンを求めることで供給が追いつかず、ガソリンを入れられない可能性もあるでしょう。
台風後もスムーズに車を使えるよう、あらかじめ燃料は満タンにしておくことが大切です。電気自動車の場合は、停電に備えてあらかじめフル充電しておくといいでしょう。
2-2.車が浸水した場合はエンジンをかけない
台風によって車が浸水してしまった場合、エンジンはかけないようにしましょう。
車がボンネットまで浸水している場合、エンジンをかけるとエンジンが故障する可能性があります。また、海水によって浸水した場合、海水は電気を通すため車内の部品がショートしてしまう恐れもあります。
水が引いたあとも車内の部品には水や海水が残っているため、一見大丈夫そうでもエンジンはかけないようにしてください。
事前に車両保険に加入しておく、さらに高台など安全な場所に車を避難させておくことが大切です。
2-3.車に防災アイテムを積んでおく
車に防災アイテムを積んでおくと、車内で避難することが可能です。気温が高いときや低いときに停電してしまった際、自宅のエアコンが使えなくても車内に避難することで快適な気温のなかで過ごせる可能性があります。
ガソリンを満タンにしておくことはもちろん、車内に蓄電式のバッテリーを乗せておくこともおすすめです。ほかにも、移動中に被災してしまった場合に備えて水分や食料なども用意しておくといいでしょう。
近年は災害時に必要なアイテムがまとめられた防災バッグも多数販売されています。どのようなアイテムが必要か考えて、万が一の事態に備えておきましょう。
3.台風後に愛車でやるべきことと注意点
愛車を台風から守る対策をしていても、台風の大きさによっては思わぬ被害を受けてしまう可能性があります。
被災してしまった場合も慌てず、落ち着いて行動することで被害を最小限に抑えることができます。
台風被害に遭ったときにやるべきことと注意点を紹介するので、ぜひ覚えておいてください。
3-1.冠水している場合はエンジンをかけない
上記で解説したとおり、一度浸水、冠水した車のエンジンはかけないようにしましょう。
見た目には損傷が少なそうに見えても、一度でも浸水した場合は注意してください。また、近年人気の電気自動車には、高電圧のバッテリーが搭載されています。
バッテリー部分に触れると感電する恐れもあるため、自分でむやみに修理しようとしないのはもちろん、子どもやペットが触らないよう注意しておくことも大切です。
修理に出す際は、任意で加入している車両保険のロードサービスなどを活用しましょう。
3-2.金属の劣化を防ぐため早めに洗車する
台風の影響で車が雨水や海水で汚れた後は、早めに洗車をしましょう。雨だけでなく下水や泥など、さまざまな汚れを含んだ水は、車の見栄えを悪くするだけでなく金属部分の劣化の原因にもつながります。
とくに海水に含まれる塩分は金属の劣化を早め、車の故障やトラブルを引き起こします。目に見える範囲だけでなく車の内部まで、丁寧に洗車をして汚れを取り除きましょう。
タイヤやホイール、ワイパーなど、手が届く範囲すべてを洗車し、不安な場合は近隣の洗車サービスを利用することもおすすめです。
3-3.車両保険に入っている場合は保険金を請求する
車両保険に加入している場合は、台風の被害の内容に応じて保険金を請求しましょう。
台風による冠水、浸水、さらに飛来物による損害やほかの車との衝突、土砂災害などは、車両保険でカバーできます。
保障内容は加入している保険によってことなりますが、修理費から自己負担分を差し引いたものを請求できるケースが多いです。
必要な書類などをあらかじめ確認しておき、漏れのないようにしておきましょう。
4.台風から車を守れる外構設備3選
ボディカバーや養生シートなどでも愛車の台風対策はできますが、さらに守りを強固なものにしたいのであれば外構設備の見直しも大切です。
台風対策ができる外構設備を3つ紹介するので、自宅の外構に合わせて適切な設備の導入を検討してみてください。
4-1.カーポート
カーポートは、柱と屋根のみを設置して車を雨風から守る外構設備です。壁などで囲まないので省スペースでも設置でき、外構の圧迫感を軽減してくれます。
所持している車の台数に合わせて大きなサイズのものを選ぶことも可能です。簡易的なものは比較的安価ですが、屋根部分が強風で吹き飛んでしまう恐れもあります。
台風がよく接近する地域にお住まいの方は、強度の高いカーポートを選びましょう。また、雪が多い地域では耐雪量も加味して適切なカーポートを選んでください。
4-2.ガレージ
外構に余裕がある方におすすめしたい外構設備がガレージです。
ガレージは周囲三面を壁で囲い、残りをシャッターなどで防げるため、カーポートよりも台風による飛来物や浸水の被害を防ぎやすくなります。
とくに風の影響を受けにくいので自転車や遊具などを避難させておいたり、防災セットの備蓄にも役立ちます。
台風対策以外でも、趣味のスペースや子どもが遊ぶスペースなどに活用できます。
ただしカーポートと違いある程度のスペースが必要で固定資産税にも影響するため、設置の際は本当に必要かをよく検討しましょう。
4-3.ルーバーフェンス
外構の目隠しに外壁を設置している家庭、また今後設置を考えている家庭も多いですよね。
外壁にはさまざまな種類がありますが、台風対策もしたいならルーバータイプのフェンスがおすすめです。
ルーバータイプのフェンスは外部からの目隠しの役割も果たしつつ、風がよくとおる設計になっています。
強風の影響を受けにくく、吹き飛んで車や人、住宅を傷つける可能性が低いです。
ルーバータイプのフェンスは夏でも風通しがよく外構で快適に過ごせるという魅力もあるので、今後外壁の設置や変更の予定がある方はルーバータイプも検討してみましょう。
まとめ.
台風から愛車を守るための対策と、防災対策、台風後にすべきことや注意点について解説しました。
どんなに対策をしていても、台風は思わぬ形で車を傷つける可能性があります。
日々の対策と準備を万全にしておくことで、万が一の被害が起こっても冷静に対応できるでしょう。
今すぐできる対策も多数ありますが、よりしっかり台風対策がしたいのであれば外構設備を見直すこともおすすめです。
台風に備えてしっかりと工事をしてくれる外構業者を選び、必要な設備を取り入れていきましょう。
筆者:外構工事職人歴20年・石川公宣