外構工事(エクステリア工事)を行う方の中で、庭の一部を砂利敷きにする方はたくさんいます。見栄えが良い上に、コンクリートなどに比べて施工費用が安価だからです。
また、砂利の下には「防草シート」と呼ばれるものが敷かれているため、土のままに比べると雑草が生えづらくなります。そのため、草取りを行う頻度が少なくなり、庭の手入れが楽になります。
防草シートを敷くことによって、雑草の光合成を防止することができます。
また、土と砂利が混ざらないようにできるため、たとえ雑草の種を含んだ土が入っていても防草シートを貫いて芽を出すことはありません。
ただし、防草シートを敷いたからといって、絶対に雑草が生えないわけではありません。
しかし、多くの方は「防草シートを敷けば、雑草が生えてこないのでは?」と勘違いしています。
雑草は、駐車場のコンクリートのちょっとした隙間や道路の割れ目などから芽を出すほど丈夫な植物です。そのため、たとえ防草シートを何重に重ねたとしても、雑草が育たない庭を作り上げることはできません。
雑草の生えない庭造りはできないことを理解する
前述の通り、防草シートの役割は雑草の光合成を防止することに加え、土と砂利が混ざらないようにすることです。
ただ、土やホコリは毎日のように風などによって運ばれてきます。そのため、確実に砂利の隙間に蓄積していきます。
また、庭は外にあるため、動物が庭で糞をする可能性は十分に考えられます。その中に雑草の種が含まれていることは多く、溜まった土に入れば芽を出し始めます。
ここまでの内容を理解すれば、防草シートを敷いても完全に雑草の発芽を防止できないことが分かります。
また、普段から頻繁に歩く場所の場合、防草シートは少しずつ擦れていきます。そのため、年月の経過と共に穴が開き、そこから雑草が生えてくることも考えられます。
実際に、「数年前に防草シートを敷いたにも関わらず、最近になって雑草が生えてくるようになってきた」というお問い合わせを頻繁にいただきます。
このことからも分かるように、完全なるメンテナンスフリーを実現することは不可能です。
予算に応じた工事を行う
そのため、雑草に頭を悩ませていたとしても、草が生えてこないようにするのを目的としてはいけません。そうではなく、手入れが楽な庭造りを目指すようにしましょう。
また、前述の通り、庭をコンクリートやアスファルトにしたとしても、確実に隙間から雑草は生えてきます。ただし、単なる砂利敷きよりも雑草の生育は減少します。
しかしながら、コンクリートやアスファルトは材料代が高額なため、予算に応じて工事内容を選ぶことをお勧めします。
もし、「外構工事を行って雑草の生えない庭造りをしたい」と考えているのであれば、多少の手入れは覚悟しておきましょう。そうすることで、最小限の労力で雑草の無い庭を維持し続けることができます。
外構職人歴20年・石川公宣