外構工事にはベストな進め方やタイミングがあります。
外構工事は自身の生活や希望の入居日に大きく影響を与えるため、より適したタイミングで行いものです。
この項では、『外構工事を行うタイミングのメリット・デメリット』について解説しています。
外構工事のタイミングにお悩みの方は、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。
目次
1.引渡し前に行うメリット・デメリット
まず、住宅引渡し前に外構工事を行うメリット・デメリットについてそれぞれ解説します。
【メリット①】建物と外観が整った状態で住み始められる
1つ目のメリットは、建物と外観が整った状態で住み始められることです。
注文住宅の場合、住宅の工事と並行して外構工事を行うことができます。
同時期に工事を行うと完成も同時期になる可能性が高く、建物と外観が整った状態で引渡しされます。
その為、建物と外観が整った状態で住み始めることができ、新鮮な気持ちで新生活を迎えられます。
【メリット②】予算の範囲内で計画を立てられる
2つ目のメリットは、予算の範囲内で外構工事の計画を立てられることです。
注文住宅の場合、外構工事を後回しにするとつい住宅に予算を使いすぎてしまうことがあります。
その結果、外構工事に充てる予算が足りなくなり十分な工事ができなくなったり、追加でお金がかかる羽目になったりする可能性もあります。
その点住宅と外構工事を並行して行えば、バランスよく予算を配分した工事の計画を立てられるので、総合的に見てコストダウンにもつながります。
【デメリット①】工事のやり直しがしにくい
住宅と外構工事を並行することのデメリットとしては、工事のやり直しがしにくいことです。
外構に関して「もう少し〇〇すれば良かった」「〇〇の方が便利だなぁ」など、実際に住み始めてから気付くことも多いです。
その場合にはもちろん再工事を行うことは可能です。
しかし、一度完成した外構の再工事を行う場合、追加で多額の費用がかかります。
「給排水管・電気の引き込み配線」や「地面の高さや浄水槽」などの関係から、できる工事内容に制限がかかってしまう可能性あります。
そのためやり直し自体がしにくく、必ずしも理想の外構になるわけではないのが現状です。
【デメリット②】全ての工事が終わるまで引っ越しできない
もうひとつのデメリットとしては、全ての工事が終わるまでは引っ越しできないことです。
工事が何らかの影響で止まったり期間が延びたりした場合、最初に予定していた時期に入居できないことがあります。
特に外構工事は季節や天候に大きく影響を受けてしまうため、工事の期間が大きく前後する可能性が考えられます。
「子どもの新学期が始まるまでにどうしても引っ越したい」「新生活に間に合わせたい」などの希望がある人は、引っ越した後の外構工事開始がおすすめです。
2.引渡し後に行うメリット・デメリット
次に、住宅引渡し後に外構工事を行うメリット・デメリットについてそれぞれ解説します。
【メリット①】早く新居に引っ越せる
住宅引渡し後に外構工事を行う1つ目のメリットは、早く新居に引っ越せることです。
注文住宅を建てる場合、土地探し~工事開始・住宅完成までで平均して8~15ヶ月ほどかかります。
そのあと外構工事を始めた場合さらに2週間~1ヶ月の期間がかかるため、新居に引っ越せるようになるまでにはかなり時間がかかってしまいます。
特に外構工事は季節や天候に影響されやすく期間が前後する可能性が高いため、初めに予定していた時期に引っ越しできないことも。
その点住宅引渡し後の工事開始であれば、2週間~1ヶ月早く入居できることになります。
どうしても早く引っ越したい・引っ越さなければならないという方は、引渡し後に外構工事を始めるのがおすすめです。
【メリット②】実際に住んでから工事の計画を立てられる
2つ目のメリットは、実際に住んでから工事の計画を立てられることです。
家を建てる際、おおよその外構のイメージまで固める方も少なくないでしょう。
しかし、
- 駐車場の位置や最低限の広さ
- 家の中が外からどれくらい見えるか
- 庭の排水の場所
など、実際に住んでみて・利用してみて初めて分かることも多いはずです。
引渡し後に外構工事を行う際は、そういった改善点を反映して工事の計画を立てられるのがメリットです。
それゆえ、外構の仕上がりの満足度も上がること間違いありません!
【メリット③】外構業者を自分で選べる
もうひとつのメリットは、外構業者を自分で選べることです。
外構工事をする際、
- ハウスメーカーの提携先の外構業者
- それ以外の専門業者
に頼むことになります。
ハウスメーカーに頼むメリットはいくつかありますが、おすすめは外構工事専門業者に頼むことです。
外構業者を自分で選ぶメリットとしては、
- プロの視点から外構づくりのアドバイスがもらえる
- ハウスメーカーに頼むより費用がかからない
- できる外構デザインや工事の内容が多い
などの点が挙げられます。
【デメリット①】駐車場を別に確保しなければならない
続いてデメリットとしては、駐車場を別に確保しなければならない時期があることです。
例えば駐車場をコンクリートで固めたい場合、コンクリートが完全に固まるまで保護することが必須です。
コンクリートが本来の力を発揮できるまでには、約4週間ほどかかります。
この期間は「養生期間」と言って、養生期間をしっかり取らないとコンクリートに傷が付きやすくなったり、車が乗っただけでひび割れてしまったりとトラブルの原因になります。
養生期間中は近所に停めさせてもらうか、コインパーキングなどを利用するしかない為、デメリットが生じてしまいます。
【デメリット②】引っ越し後に打ち合わせが発生する
2つ目のデメリットは、引っ越し後に外構工事の打ち合わせが発生することです。
引っ越し前後はとにかくやることが多く、何かと忙しくなりがちです。
- 市役所の手続き
- 水道や電気の手続き
- 荷解きや片付け
などをこなしながら、外構工事の打ち合わせも並行して行わなければなりません。
このような打ち合わせや手間を減らしたい方は、引渡し前に外構工事を済ませておくことをオススメします。
3.外構工事のタイミングは住宅引渡し後がおすすめ!
結論、外構工事を行うタイミングとしては住宅引渡し後がおすすめです。
外構は住宅の顔とも言える重要な部分です。
特にこの先何年も住むことになる家のことなので、引渡し後にじっくりと形にしていくのがいいでしょう。
また、外構に理想やこだわりがある場合だと、自分で業者探し~契約までを行うことをおすすめします。
ハウスメーカー以外の施行業者の方がデザインやできる工事の内容が豊富なため、理想の外構デザインに近づけます。
4.外構工事のベストな進め方4ステップ
実は外構工事には、ベストな進め方やタイミングがあります。
外構工事の大まかな進め方は次の4ステップです。
- 外構のイメージを決める
- 外構業者を探す
- 業者から見積もりを取る
- 業者を決めて契約する
ここまで進んで、ようやく外構工事が始まります。
外構のイメージを決めるのはいつでもできますし、早いに越したことはありません。
しかし、外構業者と契約するには家の基礎が出来上がる頃がベストなタイミングと言えます。
これより早すぎると見積もりを出すのが難しく、業者によっては図面を出してもらうこともできません。
また、これより遅くなればなるほど外構工事が終わるのが遅くなり、入居日までに工事が終わらない可能性が高くなります。
外構工事は、業者へ依頼するタイミングが重要です。
5.工事中に差し入れや挨拶は必要?ベストなタイミングとは?
いざ業者と契約が完了し外構工事が始まると、次に気になるのは施行業者とのお付き合いです。
昔は家の工事をしてくれる業者にお茶を出したり、差し入れをするのは常識と言われていました。
しかし最近では、お茶出しや差し入れをしなくても常識外れにはなりません。
そうは言ってもいわゆる人間同士のお付き合い依頼主に差し入れされて、嫌な気持ちになる人はいないはずです。
業者側も「良くしてもらったのでお返しをしたい」という心理が働くことがあるので、差し入れすること自体はおすすめできます。
差し入れする際は、
- 時間が経っても味が変わらないもの
- 保存できるもの(持ち帰れるもの)
- あまり高くないもの
を意識して選ぶのがおすすめ。
夏場であればクーラーボックスに入ったペットボトルのお茶などが喜ばれます。
差し入れの時間帯は、15時の休憩あたりを選ぶ人が多いようです。
5-1.実際に現場に出向くことで防げるトラブルもある
業者への差し入れは無理に行う必要はありませんが、差し入れついでに現場に出向くことでトラブルを事前に防げる可能性があります。
例えば実際に工事現場を見て「なんか思っていたのと違うかも…」という場合、早めにストップをかけることで修正が可能です。
早めの修正であれば業者の負担にもなりにくいので、時間や費用も少なくて済みます。
このように、工事中に現場に出向くことは、トラブルを未然に防ぐ効果もあるのです。
まとめ
ここまで、外構工事を行うタイミングについて解説してきました。
外構工事は自身の生活スタイルや希望の入居日に大きく関わってくるため、ベストな時期やタイミングを慎重に考える必要があります。
そのために、引渡し前・後に工事を行うメリット・デメリットをしっかり把握しておくことが重要です。
ぜひこのページを参考にして、自身にぴったりな外構工事のタイミングを検討してみてください。
また、タイミングだけではなく施工業者を選ぶ際も、悪徳業者を選ばないように慎重に行う必要があります。
最近では、お客様の声がそのまま反映されているGoogleの口コミを参考に工事業者選びを行うお客様が増えていますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
筆者:外構職人歴20年・石川公宣