建物を取り巻く塀や、門扉を設ける外構工事の場合、見栄えのみを気にしてはいけません。
機能性も考慮してプランニングを行わなわなければ、使いづらい外構になってしまいます。
また、塀やブロックは建物を取り囲む空間であるため、防犯面も気を付けなければいけません。
防犯面をあいまいにしてしまうと、泥棒が入りやすい家になってしまいます。
防犯性を向上させるためには、オープン外構(建物の周りを囲わずに開放的にする外構)がお勧めです。
オープン外構にすると、周り近所やお隣さんから庭を確認できるようになります。
もし、泥棒や不審者が家の周りにいてもすぐに発見することができます。
外国で建物を囲まない理由はここにあります。
しかし、プライベート空間を作り出すためには「目隠し」を設ける必要もあります。
塀や植栽で建物の周りを囲うことで、オープン外構を保ちながら簡単にプライベート空間を生み出すことが可能になります。
過ごしやすさを忘れてはいけない!
建物の周りを囲んで目隠しを設けると、圧迫感が生まれてしまいます。
それどころか、外観を損ねてしまう原因になりかねません。
例えば、塀を高くしてプライベート空間を設ける工事を行ったとします。
これがコンクリートやブロック塀だった場合、道路やお隣さんを完全にシャットアウトすることになります。
中の様子を伺うことができないのはもちろんのこと、風さえも通しません。
そのため、場所によってはカビやコケの原因になります。
さらに、湿気がこもってしまうため、建物の壁や柱を腐らせてしまう原因になります。
私が職人だった頃、上記のように「そり立ったコンクリートの壁が風を遮断していたお宅」のリフォーム工事に携わったことがあります。
このお宅は、山側の壁が3メートル以上あり、北側の壁には日の光さえ当たっていませんでした。
風が通らないことで湿気が逃げづらくなり、家の北側はカビやコケだらけでした。
それどころか、壁や柱は腐り、今にも崩れ落ちそうでした。
私たちを守っている建物は、ちょっとしたことですぐにダメにしてしまいます。
そこで、目隠しをフェンスや植栽に変えて家の周りを囲む外構にすることで、外観を乱さずに通気性も確保できます。
さらに、隙間から風が抜けたり人の気配を感じやすくなったりします。
これにより、洗濯物は良く乾き、「周りの目線も気にせずにいられる自由な空間」をあなただけが楽しむことができます。
プライベート空間も過ごしやすいものになります。
また、完全にシャットアウトしないことで、防犯性の向上にも貢献します。
建物を囲う外観を設ける際は、さりげない目隠しを意識するようにしましょう。
隙間から生まれる安心感
前述の通り、防犯性を向上させるためにオープン外構にしたくても、プライバシーを考慮すると目隠しを設けたいのが本心です。
しかし、完全に囲ってしまうと、このページで説明してきたように、外観を損ねてしまう可能性があります。
そこで、右の写真のような大和塀と呼ばれる目隠しを用いることで、目隠しと通気性の両立が可能になります。
大和塀は互い違いに木の板を貼りあわせた塀を指します。
正面から見ると向こう側を確認することはできないのですが、写真のように角度を付けることで、反対側が少し見えるようになります。
見えるようになるといっても、中の様子が完全に分かるわけではありません。
しかし、隙間から人影を見つけることができます。
プライバシーを確保しながら、道路を歩いている人がいたらすぐに気付くこともできます。
まとめ
このように、完全に遮断してしまう外構にくらべ、少し隙間のある外構の方が逆に安心感が増します。
仕事や遊びで疲れたときは、誰にも邪魔されたくありません。
あなただけのプライベート空間を確立させるために、あなたの生活にマッチした外構工事を目指してください。