近年では、防犯を意識した作りの建物が増えてきました。空き巣対策のグッズやセキュリティーサービスなどが充実してきたこともあり、人々の防犯に対する意識が向上してきました。
しかし、「私の家は泥棒に狙われない」と考えている方がたくさんいるのも事実です。
実際に、空き巣被害に会われている方のほとんどが、「まさか自分の家に泥棒が入るとは思っていなかった」といいます。
そのため、不審者による犯罪を撲滅するには、防犯に対する意識をさらに高める必要があります。
また、泥棒はある日突然訪れるため、事前に対処しておくことが肝心です。
ただ、ホームセキュリティを導入する場合、継続的に管理費がかかってしまいます。そのため、多くの方は「できるだけ費用をかけずに防犯性を高めたい」と考えます。
その場合、外構工事(エクステリア工事)を行い、不審者が嫌がる庭を造ることをお勧めします。門扉や塀に少しこだわるだけで、泥棒の侵入しづらい環境を整えることができます。
空き巣は事前に調査を行う
空き巣犯が犯行に及ぶ前に、必ず事前に調査を行うといわれています。これを、「あたり行為」と呼びます。
ターゲットの家を前もって下見しておくことで、侵入経路や逃げ道など、さまざまな計画を練ることができるからです。
ただし、泥棒によって仕事がしづらい(防犯性の高い)家の場合、空き巣に入らずに諦めるケースがほとんどだといわれています。そのため、防犯意識の高い家であれば、狙われずにスルーされる場合もあります。
ただ、大半の住宅は警備が不十分なため、ターゲットにされやすいのが現状です。
しかし、きちんと対策さえしておけば、不審者が嫌がる庭を作ることができます。
前述の通り、侵入しづらい門扉や塀、フェンスを選んでおくことで、あなたの家がターゲットにされる確率を大幅に下げることができます。
防犯に適した門扉や塀、フェンスとは
防犯性を高める際に、第一に考えなければいけないのは、「庭自体に侵入させない」ということです。
たとえホームセキュリティに加入したとしても、プロの空き巣犯になると警備会社が到着する前のわずかな時間で金目のものを盗んでいきます。
しかし、庭自体に入りづらい場合、逃げるときに時間がかかってしまいます。そのため、空き巣はそのような住宅を避け、諦める傾向があります。
これは、誘拐犯などの不審者も同じであり、逃げづらい場所では犯行に及ばないことが分かっています。
そこで、門扉や塀、あるいはフェンスを侵入・逃げづらいものに変更することをお勧めします。
門扉の場合、外から開けづらいものが最適です。例えば、門扉を閉じる際に、電気の力によって自動で施錠してくれるタイプのものを選ぶと良いです。最近のモデルでは、鍵を身に付けていれば、門に触れた瞬間に開錠してくれるため、ストレスを感じることなく使用できます。
門に鍵がかかっていれば、不審者は門扉から堂々と侵入できなくなります。仮に飛び越えようとするものなら、周りから怪しまれるため、敷地内へ入るのを断念せざるを得なくなります。
次に、侵入経路を無くすために、建物の周りを塀やフェンスで囲みます。このとき、ただ単に設けるのではなく、飛び越えにくいものを選ぶようにすると良いです。
例えば、簡単に乗り越えることができない高さの塀やフェンスを設けることをお勧めします。このとき、足場になるようなものが無く、登ろうとしても難しいであろうタイプのものを選ぶようにしましょう。運動神経の良い人であれば、すぐに飛び越えてしまう可能性があるからです。
また、塀やフェンスの上部に返しを設けることで、さらに侵入しづらくできます。
塀の場合、現場で施工しなければいけないため、前もって外構専門業者(エクステリア業者)へ相談してみると良いです。
一方、フェンスの場合、防犯用がたくさん販売されているため、インターネットや雑誌で探してお気に入りのものを選びましょう。ただ、フェンスの設置は素人ではできないため、製品探しの段階からエクステリア業者に話をしておくことをお勧めします。
空き巣犯があなたの家をいつ下見に来ても良いように、今のうちに対策をしておきましょう。そうすることで、大切な家族や財産を守ることができます。
筆者:外構職人歴20年・石川公宣