住宅や庭先のプライバシーの確保だけでなく、防犯や防火などの役割を果たしてくれるのが、ブロック塀です。
外構工事を検討する際に、ブロック塀を設置したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
一方で、ブロック塀はデザイン性に欠ける、費用が気になるという方も多いです。
本記事では、ブロック塀の費用相場やブロック塀の種類、さらにおしゃれなブロック塀の選び方について解説します。
1.ブロック塀の外構工事の費用相場
ブロック塀の費用相場は、1メートルあたり15,000~30,000円程度です。
これらはあくまで目安であり、設置する範囲の広さやどのブロック塀を選ぶかによって変動します。
また、外構工事会社にブロック塀以外の設置も依頼する際は、ある程度割引を受けられることもあります。
一方で、デザイン性の高いブロック塀の種類や設置方法を選択すると、上記の費用相場より高くなってしまいます。
外構やブロック塀にかけられる予算をある程度決めておき、外構工事業者と相談しながら最適なブロック塀を選ぶ必要があります。
2.ブロック塀の外構工事費用を抑える方法
ブロック塀の設置にかかる外構工事費用を抑えるなら、ブロック塀を組み合わせることがおすすめです。
住宅からよく見える箇所だけおしゃれなブロック塀を使い、その他の部分は安価なブロック塀にすることで、予算を大幅にカットできます。
また、ブロック塀を高くしすぎないことも費用を抑えるために大切です。
ブロック塀は住宅の外からも中からも視線をさえぎってくれるのでプライバシーを確保できますが、高すぎると閉塞感を与えてしまいます。
ある程度の高さに抑えることで、プライベートは確保しつつ解放感も演出できます。
2-1.ブロック塀の種類
ブロック塀と一口にいっても、その種類は多数あります。
どのブロック塀を選ぶかによって住宅や外構全体の印象が大きく変わるので、設置前にブロック塀の種類を確認しておきましょう。
2-2.コンクリートブロック
ブロック塀のなかでも一般的なのが、コンクリートブロックです。
その名のとおりコンクリートを固めて作ったブロックで、施工費用が安く耐用年数が長いというメリットがあります。
防火性も高いので、万が一の際に火事から住宅、近隣住民を守ることも可能です。
一方でデザイン性に欠け、おしゃれな外構を求める方には物足りない可能性があります。
さらに近年は古いブロック塀の倒壊による事故が多発しているため、法律で指定された高さに制限しなければならないなどの条件もあります。
2-3.化粧ブロック
化粧ブロックは、コンクリートブロックに塗装などで加工が施されたものです。
コンクリートブロックはメリットが多数ある一方でデザイン性が劣るというデメリットがありますが、化粧ブロックならこのデメリットを解決できます。
天然石やレンガなどのような雰囲気を演出できるので、住宅や外構のデザインに合わせた外壁を作ることが可能です。
その分コンクリートブロックよりは費用が高くなってしまうので、外構のほかの部分の費用を抑えるなどの工夫が必要です。
化粧ブロックもコンクリートブロックに分類されるため、設置の際は法令を順守しましょう。
2-4.打ちっぱなしコンクリート
打ちっぱなしコンクリートは、コンクリートを枠に流し込んで固める外壁の種類です。
外壁のなかでも非常に強度が高く、ブロックを積み重ねるタイプとは違い一枚の大きな板のようになっているので倒壊する可能性を低くできます。
デザイン性が高いのも特徴で、スタイリッシュでモダンな雰囲気の住宅、外構にぴったりです。
枠に流し込んで固めるためさまざまな形を演出できるため、曲線状にしたり、狭小住宅に取り入れたりといった活用方法もあります。
職人の高い技術が必要で、費用が高額になりやすい点がデメリットです。
2-5.吹付ブロック塀
ブロック塀を設置してからモルタルの素材を吹き付ける方法もあります。
ブロック塀はデザイン性が劣りますが、吹き付けで装飾することでおしゃれな印象にできます。
シンプルですっきりした見た目にもできるので、外壁の設置によって閉塞感が出てしまわないか心配な方にもおすすめです。
工数が増えるので費用が高くなりやすい点、職人の高い技術が求められる点がデメリットです。
依頼する際は、外構工事業者の吹き付けの施工事例が多数あるかを確認しておきましょう。
2-6.天然石
天然石を積み上げて外壁にする方法もあります。
大きさも形も違う天然石を使うので、ナチュラルな印象、ごつごつとした無骨な印象を与えられます。
天然石ならではの自然の美しさや、経年劣化による味わいを楽しめるのも魅力です。
ただし、大量に生産できるコンクリートブロックと比較すると費用は高くなってしまいます。
また、天然石を上手に組み合わせられる職人の数も限られているため、外構工事業者選びは慎重におこなう必要があります。
2-7.レンガ
レンガはブロック塀のなかでも加工のしやすさやデザイン性が魅力です。
曲線状に積み上げたり、段差を作ったりするのも、レンガであれば比較的容易です。
また、色や大きさも豊富にあるので、コンクリートブロックよりもおしゃれで暖かみのある印象の外壁に仕上げられます。
耐火性が高く、吸湿性もあるので、火事にも強く、夏場の湿気対策にも役立ちます。
ただし、レンガは経年劣化によって色合いが変化しやすく、リフォームで一部分だけ改修すると悪目立ちする可能性があることも覚えておく必要があります。
2-8.タイル
コンクリートブロックを設置してからタイルを貼り付ける施工方法もあります。
コンクリートブロックはデザイン性が低いですが、タイルを貼ることで一気におしゃれな外壁に仕上げることが可能です。
タイルの種類によってはモダンで落ち着いた雰囲気、カラフルでリゾート気分を楽しめる雰囲気など、さまざまな演出が可能です。
吹き付けなどとは一味違う高級感を出せる点もタイルの魅力です。
住宅の印象を大きく変える外壁だからこそこだわりたい方は、タイルでの施工も検討してみましょう。
3.おしゃれなブロック塀の選び方
ブロック塀は外壁のなかでもデザイン性に欠ける印象を持つ方も多いですが、選び方によってはおしゃれなブロック塀に仕上げることが可能です。
どんなブロック塀の種類、施工方法を選べばおしゃれな外壁に仕上がるのかを見てみましょう。
3-1.デザイン性の高いブロックを選ぶ
まず、デザイン性の高いブロックを選ぶことが大切です。
一般的なコンクリートブロックは安価な一方でデザイン性に欠け、古い住宅のような印象を与えてしまいます。
ですが、コンクリートブロックに塗装を施した化粧ブロックを選べば、それだけで暗くて重たい雰囲気をがらりと変えられます。
天然石風のデザインや、すっきりとした色など、化粧ブロックはラインナップが豊富で選んでいるだけでも楽しくなります。
住宅や外構の雰囲気に合わせたり、外部からの見た目の印象を考えたりして、最適なデザインのブロックを選びましょう。
3-2.明るい色のブロックを選ぶ
ブロックを選ぶ際は、明るめの色を選ぶことでおしゃれな印象にできます。
外壁はどうしても閉塞感が出てしまいますが、明るめの色なら狭苦しい印象を低減してくれます。
住宅のなかにいても、庭から明るい色の外壁が見えるので昼間もさわやかな気分で過ごせるでしょう。
明るい色のブロックは汚れが目立ちやすいデメリットもあるため、定期的に清掃をすることも忘れないようにしましょう。
3-3.複数のカラーを組み合わせる
複数のカラーのブロックを組み合わせることで、デザイン性の高い外壁に仕上げられます。
明るい色、中間の色、暗い色などを組み合わせることで外壁のデザインに深みが増し、よりこだわりの強い印象の外壁にできます。
住宅や外構のデザインにしっかりこだわりたい方は、外壁のカラーも複数組み合わせることを検討してみましょう。
外構工事業者やデザイン会社のセンスに大きく左右される点でもあるので、業者選びは過去の施工事例や口コミを確認しながら慎重におこないましょう。
3-4.フェンスなどの設備と組み合わせる
ブロック塀だけでなく、フェンスなどその他の外壁と組み合わせることもおすすめです。
外壁全体にメリハリが生まれ、のっぺりした印象をなくすことが可能です。
また、フェンスはブロック塀よりも安価に済ませられることが多いため、外壁工事の費用カットにも役立ちます。
外部から目隠ししたい部分にのみブロック塀を使い、その他の部分はフェンスで済ますなどの方法もおすすめです。
デザイン面だけでなく費用面からも、多数の外壁を組み合わせる方法を検討してみましょう。
3-5.住宅や外構の雰囲気に合わせて選ぶ
ブロック塀のデザインを決定する際に大切なのが、住宅や外構の雰囲気に合わせることです。
住宅や外構のデザインに力を入れても、ブロック塀のデザイン性が低ければ住宅全体もおしゃれではない印象になってしまいます。
また、住宅はクラシックでレトロな雰囲気なのに打ちっぱなしコンクリートなどスタイリッシュすぎる外壁を選ぶとちぐはぐな印象を与えてしまいます。
レトロな雰囲気の住宅ならレンガを取り入れる、モダンな外構なら打ちっぱなしコンクリートを使うなど、住宅や外構のデザインも加味しながら最適なデザインを選びましょう。
外構工事業者やデザイン会社に相談すれば、最適なデザインの提案もしてもらえます。
4.ブロック塀の施工時のポイント
ブロック塀を施工する際は、法律を守る必要があるだけでなく長期間使い続けることも考える必要があります。
設置後にすぐ取り壊せない部分だからこそ、施工前に気を付けたいポイントをしっかりチェックしておきましょう。
4-1.高さを出しすぎない
ブロック塀は倒壊の危険性があるため、法律で高さが制限されています。
建築基準法では、ブロック塀の高さは2.2メートル以下と決められています。
また、外壁の厚さは15センチメートル以内に収める必要があります。
外構工事業者に依頼すれば法律を守った範囲内での施工をしてくれますが、DIYなどで自作する際は注意しましょう。
また、今後も倒壊の事故などが頻出する場合は法律の制限がさらに厳しくなる可能性があります。
新しい条件に反しているブロック塀は取り壊しやリフォームの必要が出てくることもあるため、定期的に情報を確認しておきましょう。
4-2.必要な個所にのみ設置する
ブロック塀を設置する際は、どの箇所に必要なのかをしっかり見極める必要があります。
ブロック塀の費用は1メートルあたりで決まることが多いため、設置範囲が多ければその分費用が高額になっていきます。
外部から見られる可能性がある箇所のみに絞ることで、費用を抑えやすくなります。
土地の境界線はフェンスで対策するなどの方法があるので、外構工事業者やデザイン会社に相談してみましょう。
4-3.メンテナンス時期と方法を把握する
ブロック塀を設置する際は、そのブロック塀のメンテナンスの時期と方法を確認しておきましょう。
一般的なコンクリートブロックはお手入れが簡単ですが、化粧ブロックなど塗装されているものは使ってはいけない洗剤などもあります。
また、ブロック塀は基本的に10~30年と耐用年数が長いですが、常に雨風や紫外線に晒されていると劣化も進んでしまいます。
見た目が悪くなるだけでなく倒壊の危険性も高まるため、早め早めにリフォームなどのメンテナンスをすることを心がけましょう。
5.ブロック塀の施工は外構工事専門店へ依頼!
ブロック塀の施工を依頼するなら、外構工事専門店を選びましょう。
ブロック塀施工の実績が多数あれば、難しいコンクリート打ちっぱなしや吹き付けなどの外壁もきれいに仕上げてくれます。
また、ブロック塀は法律でさまざまな制限がかけられていますが、専門店なら豊富な知識をもとに最新の法律に従った施工をおこなってくれます。
外壁は住宅の印象を大きく左右する部分なので、デザイン性や技術の高い施工をしてくれる業者かどうかをしっかり見極めたうえで、最適な業者に依頼しましょう。
6.まとめ
おしゃれなブロック塀にしたいけどどんなデザインがいいかわからない、という方は、デザインも請け負ってくれる外構工事業者に相談してみましょう。
今回紹介したようなさまざまなブロックの種類から、住宅や外構の雰囲気に合ったデザインを提案してもらえます。
デザインから施工まで一貫して対応してくれる業者なら、最初から最後まで仕上がりのイメージを共有できます。
外壁にはしっかりこだわりたいという方は、ぜひデザイン会社に相談してみてください。
しかし中には、悪徳業者も多く存在している為、業者選びの際は実際に依頼をしたお客様の声が乗っている口コミ等参考にしてみてください。
筆者:外構工事職人歴20年 石川公宣