外構工事にはさまざまな種類がありますが、内外からの印象を大きく左右するのが外壁やフェンスです。
フェンスの設置を検討しているものの、費用相場がどれくらいなのか、どんなデザインが合うのかわからずにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、フェンスについて外構工事やデザイン、耐用年数などについて解説します。
外構工事のフェンスについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.外構工事にフェンスを取り入れる魅力
外構工事のなかでも住宅の印象を大きく変えるフェンスには、どのような魅力があるのか紹介していきます。
外壁をフェンスにするかブロック塀などにするか迷っている方も、ぜひ今後の参考にしてください。
1-1.目隠しの効果がある
フェンスの種類によっては、ある程度目隠しの効果を発揮してくれます。
庭の様子が外部から見られることがないので、子どもやペットをのびのび遊ばせられたり、視線を気にせず洗濯物を干したりすることが可能です。
また、広い庭でゆったり自分だけのプライベートな時間を過ごせるようになるのもフェンスの魅力です。
目隠し効果はブロック塀など全体をしっかり覆ってしまうものの方が高いですが、フェンスでもすきまが少ないものを選べばある程度視線をさえぎることは可能です。
ブロック塀などは閉塞感がある、近隣との関わりを拒絶しているように思われたくないという方には、ゆとりのあるフェンスがおすすめです。
1-2.防犯性を高められる
フェンスを取り付けることで、防犯性を高めることも可能です。
外部から庭先や住宅のなかが見られることがなく、どの時間に外出している、子どもが一人でいる時間が長いなどを知られにくくなります。
そのため、空き巣被害などにあいにくいです。
ある程度高いフェンスを設置していれば不審者の侵入を防ぐことも可能です。
物理的に侵入が難しくなるのはもちろん、きちんとフェンスなど防犯対策がされている住宅は不審者にとって心理的にも侵入しにくくしてくれます。
空き巣被害や不審者の侵入は、フェンスの設置によってある程度未然に防ぐことができます。
1-3.防音性を高められる
フェンスの種類によっては、防音性を高められます。
ポリカーボネート素材でできたフェンスは吸音性があり、庭先で子どもがはしゃいだりペットが吠えたりしても周囲への騒音をある程度抑えられます。
近隣トラブルのなかでも多い騒音の苦情を防ぐために、防音性の高いフェンスを設置することもおすすめです。
さらに、車の通りが多い道路に庭が面している場合、防音性の高いフェンスを設置すれば昼間や夜間もある程度静かな環境で過ごすことが可能です。
自宅からの音だけでなく外部からの騒音も気になる方は、ポリカーボネート素材のフェンスの導入も検討してみましょう。
薄く透けているポリカーボネート素材は、目隠し効果もあります。
1-4.解放感を残しておける
フェンスはブロック塀などの外壁と比較すると閉塞感が少なく、解放感を残しておけます。庭先に
すきまがある分外部の景色をシャットダウンすることなく、広々とした雰囲気の庭先で過ごすことが可能です。
外部から住宅を見たときも、高い外壁があると閉塞感が出てしまいますが、フェンスであればゆとりのある雰囲気を与えられます。
庭が小さい、周囲に高い建物が多いなどの理由で、少しでも解放感のある外構にしたい方にはフェンスの設置がおすすめです。
1-5.敷地の境界線がはっきりする
フェンスは、敷地の境界線を明確にするという役割もあります。
フェンスを設置すると自分が所有している土地の境界線が明確になり、近隣トラブルを防ぐことが可能です。
隣人が自分の敷地内にものを置く、植物が自分の敷地内に侵入してくるといったトラブルを未然に防ぎ、安心して長く暮らしやすくなります。
敷地の境界を示すためだけであれば、高さも必要なく素材も安価なものでいいので、費用を抑えられるという点もメリットです。
2.フェンスの外構工事の費用相場
フェンスの外構工事の費用相場は、どの素材のフェンスをどのくらいの長さで設置するかによって大きく変動します。
目安としては1メートルでで5,000~10万円と非常に幅が広いです。
高価な素材のフェンスで敷地内を囲むように設置すれば総額は高くなりますが、上記で解説したように敷地の境界線を明確にするために一部分にのみフェンスを設置するなら低予算に抑えられます。
また、道路に面する部分にのみフェンスを設置するなどの工夫もできます。
フェンスの素材のなかには高額なものもありますが、外構すべてを覆うのではない分安価で済むケースも多いです。
また、工数の手間や素材の費用がかかる打ちっぱなしコンクリートなどの外壁と比較すると、フェンスの費用は安めです。
防犯面などの理由で外壁を設置したいけど費用を抑えたい方は、フェンスを検討してみましょう。
3.フェンス設置の際に注意すること
フェンスにはさまざまな魅力がありますが、設置前に確認しておきたい注意点もあります。
どのような点に気を付けるべきかを見ていきましょう。
3-1.日当たりに注意する
フェンスを設置することで、庭先や室内の日当たりが悪くなる可能性があります。
とくに、すきまが少ないフェンスや背の高いフェンスを設置する際は、日当たりが悪くならないかをよく考えましょう。
日中たくさん日光を取り込めるように大きな窓を南向きに設置したのに、フェンスのせいでほとんど日が入らなくなってしまうようでは本末転倒です。
また、庭で洗濯物を干したい場合は日当たりが悪くなることで乾きが遅くなる可能性もあります。
すきまがあいているフェンスにする、高さを低めにする、ポリカーボネートなど半透明の素材にするなどの対策があります。
3-2.風通しが悪くならないようにする
フェンスを設置することで、庭や室内に外の風が入りにくくなる可能性もあります。
室内のにおいがこもったり、外からの涼しい風が入らず一日中エアコンが必要になったりすることも考えられます。
ただし、フェンスはすきまがある分ブロック塀などよりは風のとおりをよくすることが可能です。
より風を感じられる外構にしたい場合は、すきまが大き目のフェンスを選ぶようにしましょう。
涼しい風と室内に取り込みたいなら、風のとおりを考えた設計にすることも大切です。
風がとおりやすい部分にはフェンスを設置せず、そのほかの部分にのみフェンスを設置する方法もあります。
3-3閉塞感が出てしまう
フェンスを設置すると、外構全体に閉塞感が出る可能性があります。
庭をぐるっと囲むように背の高いフェンスがあると、外部の風景をシャットアウトしてしまい、狭く感じます。
庭で過ごしているときだけでなく、屋内から庭先を見たときも狭苦しく感じるでしょう。
フェンスのなかには、すきまが大きく空いていて閉塞感を感じにくいものや、明るい色で開放的な雰囲気を楽しめるものなどもあります。
フェンスを目隠し目的で使いたいのか、防犯目的で使いたいのかなど、目的に応じて選びつつ、閉塞感が出ない素材を探すことも大切です。
多数のフェンスの種類、素材を取り扱っている外構工事業者に相談すれば、目的や悩みに応じて最適なフェンスを提案してくれます。
4.フェンスの耐用年数は?
フェンスの耐用年数は素材にもよりますが、金属製なら10年、スチール製なら15年程度です。
耐用年数は減価償却費を計算する際に使用される数字なので、耐用年数を越えたら交換しなければならないというわけではありません。
ですが、常に屋外の雨風や紫外線にさらされているフェンスは劣化が激しいです。
10年以上経過したら、取り替えやリフォームを検討してもいいでしょう。
フェンスは軽い素材のものが多いですが、古いものをそのまま使い続けていると地震や台風などで倒壊する恐れもあります。
大きな事故につながる前に、交換、補強をすることがおすすめです。
フェンスは扱いやすい分DIYをおこなう方も多いですが、安全面に配慮するならばきちんとした知識と技術を持った外構工事業者に相談しましょう。
5.外構に合わせたおしゃれなフェンスデザイン5選
フェンスと一口にいってもさまざまな種類があります。
自宅の雰囲気や近隣の建物との調和、外構デザインなどによって、最適なフェンスのデザインを選びましょう。
おしゃれで使いやすいフェンスの種類を5つ紹介するので、フェンス選びの参考にしてみてください。
5-1.スチールメッシュ
フェンスのなかでもすきまが広いため目隠しや防音性の役割は低いですが、敷地の境界線を明確にするなどの目的でよく使用されます。
また、フェンスがあるだけで不審者も侵入しにくくなるため、ある程度防犯性があるともいえます。
フェンスのなかでも安価で長持ちするものが多く、とくに目隠しの必要がない箇所にはスチールメッシュのフェンスを取り入れてもいいでしょう。
ペットが外に飛び出さないようにしたい、最低限の防犯性もそなえたフェンスがいい、フェンスの設置費用を抑えたい方に、スチールメッシュはおすすめです。
5-2.アルミ形材
アルミ形材はフェンスのなかでも一般的なもので、板状のアルミ素材を繋ぎ合わせたものです。
アルミなので頑丈で長持ちし、加工もしやすいためさまざまな形状のデザインがあります。
横向き、縦向きから選べるだけでなく、天然木目風のペイントが施されたものなども人気があります。
すきまがあるのである程度の解放感も確保でき、白など明るい色を選べば閉塞感を感じにくくなります。
バリエーションが豊富なので、和風の住宅からモダンな住宅まで、さまざまな住宅の雰囲気に合わせやすい点も魅力です。
5-3.アルミ鋳物
アルミ鋳物はアルミを加工して作られた、洋風なデザインのフェンスです。
アルミの加工のしやすさをいかして、おしゃれな装飾がついたものが多いです。海外の洋館のフェンスのようなデザインも多数あり、レトロ、クラシックなデザインの住宅や外構とよくあいます。
目隠しや防音の効果は低いので、デザイン性を重視したい方におすすめのフェンスです。
ただし、高さのあるアルミ鋳物で先端がとがったデザインなら、不審者の侵入をある程度防ぎやすくすることも可能です。
5-4.人工木・樹脂
人工木や樹脂のフェンスは、お手入れが簡単で安価な点で人気があるフェンスです。人工木は天然木よりも寿命が長く、長期間屋外にさらされるフェンスでも安心して取り入れられます。
樹脂は加工がしやすいためさまざまな形状、サイズのものを作れるため、狭小住宅などでも活用しやすいです。
竹垣のようなデザインで和風な住宅に合うものから、クロス状でガーデニングをしやすいものまで、多数の種類があるので、イメージにぴったりのものを見つけられるでしょう。
6.フェンス設置の依頼は外構工事専門店へ
フェンスを設置するなら、外構工事の専門店に相談することがおすすめです。フェンスは外構工事のなかでもDIYをしやすいですが、安全面やデザイン面などで不安があるだけでなく、手間もかかってしまいます。
外構工事業者に依頼することで、これらの悩みを解消できます。
外構工事専門店を選ぶ際にチェックしたいポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
6-1.フェンスの施工実績が多い
外構工事専門店のなかでも、フェンスの施工実績が多い業者を選びましょう。
住宅の規模や土地に合わせてさまざまな施工の経験がある業者なら、自宅に最適な工事方法やフェンスの種類なども考えたうえで工事をしてくれます。
また、フェンスの種類を豊富に取り扱っていれば、どんなフェンスがいいかわからないときに相談することも可能です。
アルミや人工木などの素材、目隠しや境界線などの目的を相談し、最適なフェンス選びを手伝ってもらいましょう。
6-2.フェンス以外の外構工事も依頼できる
外構工事専門業者なら、フェンス以外の工事もまとめて依頼できます。
外構はフェンスのほかにも、門や駐車場、玄関アプローチなどさまざまな工事をおこなう必要があります。
あちこちに相談したり、ハウスメーカーがすすめる業者をそのまま利用したりすると、費用が高額になってしまうこともあります。
フェンスの設置や取り替えなどの際は、ほかにもしてほしい外構工事がないか確認しましょう。
経験が豊富な業者であれば、住宅のデザインや家族構成、ライフプランなども考慮して最適な外構デザインの提案から対応してくれます。
6-3.口コミ評判がいい
外構工事業者を選ぶ際は、口コミ評判がいい業者を選びましょう。
Googleマップなどで業者を検索すれば、口コミをチェックすることが可能です。
実際の利用者の声を確認すれば、適切な工事をおこなってくれる業者かどうかを見極めやすくなります。
外構工事業者のなかには経験がなかったり、適当な工事をしたりする業者もあります。
外構工事は何度も頻繁におこなうものではないため、業者選びは納得できるまで慎重におこなわなければなりません。
口コミ評判を確認し、信頼できる業者を見つけるようにしてください。
7.まとめ
庭にフェンスを設置することで、自分の土地と道路との境界もはっきりさせることと、庭が他人の視線に無防備にさらされることを防ぐことができます。
また、高めのフェンスを設置することで防犯面の効果も期待で、より安心して生活することができます。
実際に設置をご検討の方は、正しい知識や豊かな経験をもとに、お客様の立場になって取り組んでくれる業者にを選定する必要があります。
設置の際には、この記事で紹介したことを参考にしてください。
筆者:外構職人歴20年・石川公宣