ブロックを積み上げる際は、鉄筋を用いないと強度はでない

ブロック積みを行う際、ブロックを土の上に直接並べるわけではありません。

地面の上にブロック積みを行ってしまうと、動いたり傾いたりしてしまうからです。

そこで、ブロック積みの下にはそれを支える「コンクリートの基礎(ベース)」を設けます。

※花壇や仕切りとして並べるブロックの場合、基礎は不要です。

ベースを施工することでブロック塀は安定して、外部からの圧力(強風や寄り掛かりなど)がかかっても倒れにくくなります。

ただ、ブロック塀の基礎は地中に埋まってしまうため、大半の職人は天端(てんば:仕上げ部分)をきれいに均そうとしません。

また、「どうせブロックが上に乗るのだから適当に施工すればよい」と考えている人は多いです。

しかし、ベースを設けただけでは、ブロックをきれいに積み上げるのは難しいです。

基礎コンクリートの:上の面)が平らになっていなければ、その上に並べたブロックも水平にならないからです。

しかし、多くの職人は「埋まってしまう場所だから、適当に施工しよう」と考えています。

そのため、基礎付近に並べられているブロックは歪んでいたりずれていたりしている場合がほとんどです。

その上にきれいにブロックを積み上げようとしても、一番重要な基礎付近を丁寧に施工していなければ上のブロックに影響してくるのは当然の話です。

そのため、DIY(業者に頼まずに自分で工事を行うこと・日曜大工)でブロック積みを行う際は、その支えとして基礎コンクリート(ベース)を施工してから並べていく必要があります。

目次

ブロック塀に用いられる鉄筋の役割

普段私たちが生活している中で、ブロックを積んで塀や隣の敷地との境界を示す壁をよく見かけると思います。

ブロックだけでは強度はほとんどありません。

ブロックの中には鉄筋が入っていて、鉄筋がブロック積みの強度を高めています。

普段見かけるブロック積みは表面に鉄筋が出ていることがないので、ブロックの中に鉄筋が入っているとは知らない人がほとんどではないでしょうか。

中に鉄筋が入っているから、地震などでブロック塀が倒壊する際は「1枚の壁」として倒れてくるのです。

ただ、ブロックを積み上げていくには、実はこの鉄筋が最も重要な役割を果たしています。

鉄筋が入っていないブロック積みの壁は、積み木のようなものなので簡単に倒れてしまいます。

また、ブロック積みは本来土圧(土が崩れようとする力)に耐えられるものではありません。

そこで、鉄筋とコンクリートを上手に組み合わせれば、「崩れないブロック積み」を作り上げることが可能です。

ブロック積みが役立つ場面とは

そもそもブロック積みがどのような場面で活用できるのか、疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。

ブロック積が役立つ場面としては「塀」「花壇」「土留め」などが挙げられます。

隣家や道路と境界線に作る塀は、ブロック積が最も良く活用されるシーンです。

ブロック塀は耐久性が高く、効果的な目隠しになることから広く利用されているのです。

一般的には背の高い塀を作りますが、隣家との境界の目印として低めにブロックを積む場合もあります。

花壇はレンガのイメージが強いですが、ブロックが使われるケースも少なくありません。

コンクリートブロックだとやや味気ない印象があるものの、装飾ブロックを使えば花壇にふさわしいオシャレな雰囲気を簡単に演出できます。

大きな花壇の場合は土圧が強くなるため、鉄筋を入れて丈夫に仕上げることが多いです。

土留めとは、斜面などで土を食い止めるための壁のことです。土留めには大きな負担がかかるため、耐久性の高いブロック積がよく活用されます。

鉄筋が入っていないブロック積みはすぐに倒れてしまう

まず、ブロックの積み方を簡単に紹介します。

ブロックを積む前に「土台コン(写真の白いコンクリートの部分)」と呼ばれるブロックを積むための土台を設けます。

右の写真の場合、土を埋め戻したときにかなり土圧がかかるので、大きな土圧に耐えることができるL型擁壁(Lの形をした壁)をベースにしてあります。

仕上げに、鉄筋を天端(コンクリートの一番高い部分)に指して土台ができあがります。

後日、土台コンが硬化したら「モルタル」と呼ばれる砂とセメントと水を混ぜ合わせたペースト状のものを塗り、その上にブロックを積んでいきます。

このとき、モルタルの役割はブロック同士の「接着効果」が主であり、強度を出すことを目的としていません。

ブロックにはモルタルを詰める穴と、隣りのブロックと結合するための溝があり、そこへ鉄筋を入れていきます。

もし、鉄筋をいれなければ、ブロックはモルタルでくっついているだけとなりすぐに倒れたり傾いたりしてきます。

張力(引っ張る力)に強い鉄筋によってブロックが崩れるのを防いでいるといっても過言ではありません。

鉄筋はそれほど重要な役割があります。

なお、L型擁壁は鉄筋コンクリートでできているので、ブロック積みよりも強度が勝ります。

ブロック積みより強度はあるのですが、材料と手間がかかるので工事料金が高くついてしまいます。

ブロック積みをするメリットは、「工事費用を抑えられる」ことと「デザイン性が豊か」ということが挙げられます。

ただ、前述の通りブロック積み土圧に耐えるものではありません。

鉄筋が入っているのですが、擁壁(鉄筋コンクリートの壁)に比べ強度が劣ります。

しかし、建物の周りを囲う塀やフェンスのベース、あるいは花壇程度ならブロック積みでも十分強度を保ち、見栄えのがる外観を作り上げることができます。

ブロックの種類とは

ブロックにはいくつかの種類があり、それぞれにデザインや用途が異なります。ブロックの種類ごとの違いを知れば、適切なタイプのものを選びやすくなるでしょう。

まず、最も一般的な種類がコンクリートブロックです。
コンクリートブロックは「ブロック塀」と聞いたときに誰もが思い浮かべるようなグレーのブロックです。

デザイン性には乏しいものの、安価に入手できるので幅広い場面で使われます。

基本的に、コンクリートブロックの高さは190mm、長さは390mmです。厚さには100mmから190mmまで4つの種類があり、用途に応じて使い分けることになります。

コンクリートブロックの形状は、両端がへこんだ「基本型」、上下がへこんだ「横型」、片方の端がへこんだ「隅型」、上または下がへこんだ「横隅型」の4種類です。

配置する場所に応じてこれらの形状を使い分けながらブロックを積んでいきます。

装飾ブロックにはさまざまな装飾が施されており、デザイン性に優れたタイプです。表面に模様がついていたり、丸い穴が開いていたりと、おしゃれなデザインにするための工夫が凝らされています。

手が込んでいる分、他の種類に比べて高価な傾向があり、部分的なアクセントとして使われることが多いです。

化粧ブロックも色や模様がついていますが、デザインはあくまでもシンプルで装飾ブロックほど華やかではありません。

化粧ブロックはそのまま仕上げ材としても使用でき、比較的安価に塀などをおしゃれに作ることができます。

正方形のものなどサイズも豊富で、花壇や庭づくりにはうってつけの種類です。

型枠ブロックでは、コンクリートブロックよりも大きな空洞が設けられています。

中にコンクリートを多く流し込めるので強度が高く、土留めなどの目的でよく使われます。

オシャレなブロックも強度は変わらない

ひとことにブロック積みといっても、さまざまな模様のブロックが存在します。

化粧ブロックと呼ばれるブロックもその一つであり、ブロック積みに求められる強度を保ちながら「見栄えのる外観」を演出することが可能です。

建物のテーマや色合いに合わせてブロックを選んでいくのも楽しみの一つです。

コンクリートの壁よりも工事費用が安く、デザイン性が豊かなのでお手軽に外構(エクステリア)の印象をガラッと変えることができるのも大きな魅力の一つです。

ブロック積みはDIYできるの?

外構業者に依頼するのはコストがかかると考え、自分でブロック積みをしようとしている人もいるでしょう。

確かに、手順やポイントを押さえておけばブロック積みをDIYで行うのも不可能ではありません。

しかし、道路との境界などに設置するブロック塀については、建築基準法でルールが細かく定められています。

ブロック塀の強度が十分でないと、地震などが起こった際に倒壊して二次災害につながる恐れがあるためです。

外構の初心者が、高さや構造などの基準を満たしながら頑丈なブロック塀を作るのは難しいでしょう。

安易な気持ちでDIYに挑戦し、ブロック塀が倒壊して事故が起こってしまったら取り返しがつきません。

DIYでのブロック積みは花壇などの低いものにとどめておき、本格的なものはプロに依頼するのが無難です。

本当にきれいなブロック塀を作るには

型枠の天場を、何が何でも仕上げの高さにする理由は他にもあります。

ブロック塀の場合、基礎コンクリート天場が、水平に仕上がっていれば、1段目のブロックの下側も、その上のブロックの目地のように、きれいに目地が入れられるという事です。

一般的には、基礎コンクリートの天場は、凸凹しているので、1段目のブロックの下は目地を切らないと思われがちです。

また、天場が仕上がりとなっていれば、面木も容易に釘止めできます。

巾の狭い型枠では、仕上げが型枠の天場より下になると、釘止めする場合、ハンマーが反対側の型枠に当たり、打ちずらく、面木を手で押さえるのも困難となります。

さらに言えば、面木を利用した場合、どうしてもコンクリートの仕上がりは、エアー(気泡)が残り見栄えが悪くなります。

この場合面ゴテを使っても天場が仕上げとなっていれば、先ほど同様、面ゴテを持つ手が型枠に当たらないので、その問題は解消できます。

もし、素人の方が「ブロックやフェンス工事は自分でできるので(DIYでやる)、基礎コンクリートは業者にやってもらおう。」とお考えの方がいらっしゃいましたら、その天場が、きれいに仕上がっていなければ、1段目のブロックの下の目地がしっかりしていないことになります。

まとめ

ブロック積みの工事を依頼する際は、設計士や職人さんと話をして鉄筋が本来の場所にあるか必ず確認をとるようにしてください。

いくら工事費用が安いといっても、数十万円以上する高額な工事のため、すぐに壊れてしまったり傾いたりしてはガッカリしてしまいます。

また、安いからといって土圧がかかるような場所には、ブロック積みはできないので注意してください。

いくら鉄筋を入れて頑固に作っても、土を埋め戻した瞬間に崩れるかまたは傾きます。

いつまでも見栄えのあるブロック積み工事をしてもらうために、業者との打ち合わせがとても重要になります。

あなたの理想を全て伝え、納得のいくブロック積み工事を行いましょう。

筆者:外構職人歴20年・石川公宣

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